『消炎鎮痛剤は悪魔が天使の仮面を被っている』④ ~身近な市販薬にも重篤な副作用が!!~

今回は手軽に買える市販薬についても書いておきます。

市販薬だと思って大丈夫だと思っていませんか?

「市販薬は効きめが処方薬と比べて軽い」というのは間違いです。たしかに、市販薬は処方薬に比べ薬効成分が少ないなど、少なめですが薬である以上副作用はあります。いくら作用が軽いからといって、用量・用法を守らずに服用すると思いがけない副作用、それもきわめてまれでも、命に関わるような重篤な副作用が起こることもあるのです。

市販薬によるものと疑われる副作用

右下のグラフは2012年厚生労働省が2007年度から2011年度までの5年間に市販薬メーカーから報告された副作用について情報を公開しています。(『警告!身近な薬の副作用』から)

表1には、症例数を薬の種類別にみていくと最も頻度が高かったのがかぜ薬(総合感冒薬)で、続いて解熱鎮痛消炎薬、漢方製剤が上位を占めています。報告のあった副作用の中には、皮膚が壊死したり肝機能に障害が生じたりするなどの重篤なものも含まれています。また死亡例や後遺症が現れた症例も報告されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表1(厚生労働省HP 2012年8月29日発表)

免疫・アレルギー反応として現れる例

2種類の薬の主な副作用の筆頭に書かれているスティーブン・ジョンソン症候群と鎮痛・消炎剤の欄にある接触性皮膚炎について紹介したいと思います。

スティーブン・ジョンソン症候群は、38℃以上の高熱とともに、全身の皮ふ、粘膜、目などに、発疹や発赤(皮ふや粘膜の炎症によっておこる症状のひとつで、皮ふや粘膜の一部が赤くなる)、水疱(水ぶくれ)などの激しい症状が比較的短期間に次々とあらわれることが特徴です。

これらの症状の前ぶれとして、かぜのような症状が現れることが多い。このスティーブン・ジョンソン症候群が重症化すると、全身に大やけどを負ったように皮ふのただれや皮ふのはがれ我見られる「中毒性表皮壊死融解症(TEN)」に進むと考えられています。

TENになると、突然全身の広範囲が赤くなり、全身の10%以上に重傷やけどのような水疱やただれができて痛み、皮ふがベロリとむけるようになる。」(『身近な薬の副作用』より抜粋)

というように非常に重い皮膚障害になる病気です。

湿布薬でも、貼った部分が赤く腫れ上がったり、皮ふの中に残った薬剤が紫外線と反応してアレルギーを起こす場合もあります。特に光アレルギーの場合には、湿布を貼ってから数週間後から、数ヶ月後になってかぶれが起こることも。入浴前後には湿布を貼らない。長時間貼ったりしないなどにも注意が必要です。

※初版「いやさか通信」2013年11月号 特集記事より

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