『消炎鎮痛剤は悪魔が天使の仮面を被っている』③ ~湿布薬も怖い~

消炎鎮痛剤貼付薬(インドメタシン)

強力な鎮痛作用と速効性を持っていますが、プロスタグランジンの合成を阻害することによって、『消化器・呼吸器・筋肉への副作用』が起こってくることがあります。
長期連用することで、消化器(胃・十二指腸)に潰瘍が出来やすくなったり、筋肉が痩せて細くなったり、喘息症状を悪化させたりといった副作用のリスクがあります。

他の薬との相互作用(飲み合わせ)によって副作用が増強されたり、インドメタシンの副作用として眠気・めまい・ふらつきが出たりすることがあるので、車の運転をしたり機械の操作をする時には十分に注意してください。

インドメタシンは猛毒薬

薬添付文書にある「次の患者には投与しないこと」に記載されている項目を書き出すと。

①消化性かいよう:インドメタシンでかいようが悪化する恐れがある。
③肝臓・腎臓病障害:肝臓機能・腎臓障害が悪化する恐れがある。
④心臓病:水・ナトリウムの貯留が起こるため、心機能不全が悪化する恐れがある。
⑤高血圧:血圧上昇の恐れがある。
⑥すい炎:症状悪化の恐れがある。
⑦過敏症:サリチル酸系化合物(アスピリンなど)に敏感な人
⑧直腸炎:直腸出血が悪化する恐れがある。
⑨痔疾:症状が悪化し、肛門出血の報告。
⑩ぜんそく患者:非ステロイド系消炎鎮痛剤当による重大なぜんそく発作を起こす危険がある。

内服した場合です。外用の場合は皮ふから吸収されますので危険度は低くなります。それでも猛毒であることに変わりはありません。
しかし、『これらの患者に「悪化させる恐れ」があるのなら、健康な人には「発病させる」恐れがある、と考えるべきだ。』とは、「薬を飲んでは行けない!?」の著者・船瀬俊介氏の弁。

★シップ薬を寝る前に貼るのはやめましょう!!
シップ薬を長時間貼ることによりリスクが高まる可能性があります。消化器や肝臓・腎臓・すい臓に障害が出る可能性も。

今回はインドメタシン配合のシップ薬について書きましたが、その他のシップ薬も同じような副作用があります。シップ薬は、短時間のみの使用に限定し、服薬同様長くても1週間以内の使用に限定し、それでも症状が改善されない場合は,専門医に診察を受けるようにしてください。ましてや予防のつもりで貼るような事は避けるようにして下さい。

そのほかにも身近な薬の副作用には、重篤な症状を引き起こすことがあります。面倒でも薬剤師の説明や薬の添付文書を良く読み、薬の飲み合わせで不安な場合には医師や、薬剤師に相談する事をお勧め致します。特に高齢者は飲む薬の種類や量が増えていますので、ご家族の方も知っておいた方がよいでしょう。

参考図書 :
「警告! 身近な薬の副作用」 武政文彦・望月眞弓監修 小学館

※初掲「いやさか通信」2013年10月号 特集記事より

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA