週に1回漂白剤を使うだけで慢性肺疾患のリスクが30%増加する

タバコを吸う方に多いという認識でいた慢性閉塞性肺疾患(COPD)ですが、私はタバコを吸わないので、今まで関心のあるような病気ではありませんでした。

日本の40歳以上の人口の8.6%、約530万人の患者が存在すると推定されていて、大多数が未診断、未治療の状態であると考えられているそうで、全体では死亡原因の9位、男性では7位を占めていると言われている、怖い病気です。

慢性閉塞性肺炎疾患(COPD)というのは、以下のような病気だそうです。

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。

日本呼吸器学会HPより

 

主要な要因が、タバコの煙ということですが、近年煙害が指摘されるようになり、禁煙、分煙化が進んでいる世の中になり、患者数は減少すると思われていましたが、むしろ患者数は増加する一途のようです。

そんな中、アメリカの健康系のウェブサイトで

「COPDの最大の発症原因は漂白剤だ」

という記事を読みました。

この記事によると、漂白剤や消毒剤がCOPDの最大の要因であると言うことが、30年間の追跡調査で分かったというものでした。

正確にいえば、「第四級アンモニウム化合物」という成分を含む除菌剤、殺菌剤、漂白剤などがすべて該当しますが、日本にも、これが含まれている製品はたくさんあるそうで、第四級アンモニウムを含む製品に関しての健康問題を指摘している、ウェブサイトは結構有ることが分かりました。

漂白剤といえばブリーチが有名ですが、我が家でも食器やふきんなどの消毒に、コーヒーカップや茶飲みなどの茶渋落としで普通に利用しており、おそらくみなさんのご家庭でも大変重宝している製品ではないかと思います。

そんな、一般的に良く使われている消毒/漂白剤が発症の要因になるというのであれば、誰にでも発症の可能性があるということになりますね。

消毒剤の毎週の使用が肺疾患の可能性を大幅に増加させることが、30年間の研究によって明らかになった

Collective Evolution

ここからです。



概要:

ハーバード大学とフランス国立保健医学研究所が実施した30年間に渡る研究で、週に1回消毒剤を使用すると、人の肺疾患の発生率が22~32%あることが判明した。

家庭で最も用途の広いクリーニング用品の1つであるブリーチは、接触するあらゆるものを消毒し表面をきれいにするだけでなく、布の汚れも取り除くことができる。

その強い洗浄力にも関わらず、そのような化学物質が私たちの健康と幸福に与える影響について長らく聞かされていた。そのような製品のラベルのいくつかについては腐食性があり、吸入などによって目、皮膚、および気道を刺激する可能性があることを説明している。しかしこれらの警告サインがあるにもにもかかわらず、人々はこれらの企業が宣伝する商品を買い続けている。

自宅に持ち込まれるクリーニング用品を規制するFDA(米国食品医薬品局)のような組織はないので注意することが重要だ。(訳注:日本では厚生労働省が家庭用品規制法という法で規制しているようです。)代わりに、米国環境保護局(EPA)などでは、塩素漂白剤の使用に関する警告を公開している。消費者が家庭内で塩素漂白剤を使用し続けるという仮定の下で、以下の安全上の注意事項が広く推奨されている。

  •  塩素系漂白剤を水で希釈する。濃度が低ければ、望ましくない暴露のリスクの可能性が低くなる。
  •  漂白剤を使用する場合、予防策として安全マスクとゴム手袋を着用する。
  •  換気に十分注意し、ガスが作業スペース内にとどまらないよう空気の流れを確保する。
  •  塩素系漂白剤を他の家庭用洗剤と絶対に混ぜないこと。

しかし残念ながら、この化学物質を扱う際に人々がこれらの予防措置を講じるケースはまれである。また、これらのリスクを確認されてからも、さらに多くの研究が進められていることも興味深い。

新しい研究では、消毒剤を週に一度だけ使用する人は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する可能性が22~32%高いことがわかった。

「COPDは、米国で3番目に多い死因となっています。1,100万人以上がCOPDと診断されていますが、何百万人もの人々がそれとは知らずに病気になっている可能性もあります。COPDは深刻な長期の障害と早期死亡を引き起こしますが、現時点で治療法はなく、COPDで死亡する人の数は増え続けています」と、米国肺協会は述べている。

この30年間の研究は、ハーバード大学とフランス国立保健医学研究所(INSERM)により実施された。

Insermの研究者であるオリアンヌ・デュマ(Orianne Dumas)によれば、ヨーロッパの人口に関する他の2つの研究が「洗浄剤として利用することはCOPDのより高いリスクと関連していた」ことを示していたように、この新しい研究は潜在的にCOPDになる特定の洗浄化学物質に結び付けることができたと考えている。

デュマはさらに続けて、「以前の研究では喘息と、漂白剤やスプレーなどの家庭でのクリーニング製品や消毒剤への暴露との関連性が発見されており、これをさらに調査することが重要だと考えている。」

1989年、ハーバード大学は、COPDを持たない米国で働く55,185人の働く女性看護師を見つけ、その後8年間、2009年に至っても働き続けている人々を分析した。

参加者には、どの消毒剤を最も頻繁に使用し、なぜそれの使用を決定したのかのアンケートを実施した。

消毒剤には、グルタルアルデヒド(医療機器に使用される強力な消毒剤)、漂白剤、過酸化水素、アルコール、および第四級アンモニウム化合物(「クワット」として知られる)が含まれていた。さらにアンケートに加えて、年齢、体重、民族性などの要因も考慮した。

この期間中で、663人には(慢性肺炎疾患)状態と診断されたことを発見した。
「私たちの調査対象集団では、看護師の37%が毎週消毒剤を使用して表面を洗浄し、19%が消毒剤を使用して医療器具を毎週洗浄していました」とデュマは述べた。

 

この研究は、特に医療現場での洗浄と消毒に関して、健康ガイドラインの欠如を強調することを目指しており、研究者はその結果がさらなる調査とより良い安全予防策を促すことを望んでいる。



ここまでです。

参考サイト:
化学物質と法規制研究所 家庭用品規制法とは

有害物質を含有する家庭用品の規制基準概要(厚生労働省)

しかし、「週に 1度、漂白剤を使用するだけで、COPD のリスクが 30%増加する」
というのはすごいですね。

漂白剤/除菌剤を使用するときには、換気に気をつけ、マスクをする、手などに付着しないようにするべきかもしれません。

この第四級アンモニウム化合物を調べると、

第四級アンモニウムカチオン:

第四級アンモニウム塩は消毒薬、界面活性剤、柔軟剤、シャンプーなどの帯電防止剤に使われる。

第四級アンモニウム化合物は健康にさまざまな影響を与える。例を挙げていくと、軽度の皮膚や呼吸器の炎症から、皮膚の焼灼性熱傷、胃腸炎、吐き気、嘔吐、昏睡、痙攣、低血圧、死などがある

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

このような毒性の強い化合物が私たちの身近な製品に使われている、というのは知っておいた方がいいです。

特に日本では、過度な衛生観念のもと、多量な殺菌・抗菌・消臭の世の中になっています。
人間にとって有用、否、必須の微生物との共生を破壊する行為は、私たち人間を健康から遠ざける行為にもなる、ということをもっと真剣に考える必要があるでしょう。

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