感染後の免疫は少なくとも6カ月は維持されそうだ

緊急事態宣言の対象地域が拡大されてから1週間が過ぎました。

日々の記録更新は多少減少してきたような印象ですが、感染者数や重症者は高止まりの傾向が続いています。

暦を見ると、1月20日が大寒で暦上ではこの頃が厳冬期に当たります。
その後立春(今年は2月3日)を過ぎる頃から徐々にではありますが暖かくなってきますので、この間の2週間ほどで感染者数もピークを迎えるのではないかと思っています。

直近の気象庁の1ヶ月予報を見ると、概ね平均よりも温暖のようで、特に東海・関東甲信越地方では、60%以上の高い確率で「高い」と予想されています。

コロナウイルスと気温との関係には負の相関があるので、このまま暖かい気温が続いていくようであれば徐々にでは有ると思いますが、確実に感染者は減っていくものだと考えています。

気温とコロナウイルスの関係はこのブログでも最近良く紹介しているIn Deepの記事をご覧下さい。

 ・感染の増加を「数」だけで見ていると社会は終わる : コロナウイルスの感染事例は「正確に気温と反比例する」ことを米ゴールドマンサックスが解析。年明けまでに現在の何倍にも増加する可能性(In Deep 2020/11/15)

このようなタイミングでワクチン接種が広まる可能性も高いので、ワクチンが感染の拡大をコントロールした、ということになるかも知れないですね。それがワクチンによる効果ではなく単なる気温だったとしても・・。

 ・WHOがPCRテストで偽陽性の可能性を認めたことは、ワクチンの成功を世界に広めるためなのか?(2020/12/21)

WHOがPCRテストで偽陽性の可能性を認めたことは、ワクチンの成功を世界に広めるためなのか?

ところで、コロナに感染した後の免疫(抗体)についても気になる所です。

そこで、今回は、「感染後の免疫は少なくとも6カ月は維持されそうだ」という内容の記事をご紹介したいと思います。

ただ、すでに第一波(昨年3月頃から4月末頃にかけて)流行から、すでに9ヶ月程度経過していますので、もしかするとこの頃に感染された方の抗体による免疫も、すでに効力がなくなっているか、かなり落ちているかも知れませんので注意は必要でしょう。

 

SARS-CoV-2に対する免疫は少なくとも8ヶ月続く可能性

Immunity against SARS-CoV-2 may last at least 8 months Medical News Today(2021/01/11)

 

ここからです。


新しい研究は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)感染から回復したほとんどの人が、重度の再感染を防ぐために必要な免疫記憶を保持していることが示唆されている。ワクチン接種によって提供される防御も、同様に長期的に持続する可能性がある。


 新しい研究によると、COVID-19から回復した人は、SARS-CoV-2に対して8か月以上持続する免疫を持っている可能性が明らかになった。

 これは、免疫系がウイルスに対して活発に活動し続けることができる免疫記憶が長く続くことによるものだ。

 しかし、免疫記憶には個人差があるため、COVID-19から回復したすべての人がウイルスに対して長期的な免疫を持っているわけではない

 カリフォルニア州ラホ-ヤのラホ-ヤ研究所の研究者は、SARS-CoV-2ウイルスが引き起こす病気であるCOVID-19から回復した人々のなかで、特定の感染症から保護する「適応免疫系」の4つのルートすべてを監視した。

 症状発症から5~8か月の間に、これらの個人の約95%の適応免疫系は、少なくとも3つのルートで感染の記憶を保持していた。

 「私たちのデータは、免疫反応がそこにあることを示唆しています。そしてそれはとどまっています。」とシェーン・クロッティ(Prof. Shane Crotty)教授と研究を共同で主導したアレッサンドロ・セッテ(Prof. Alessandro Sette)教授は述べた。

 科学者たちは、抗体、メモリーB細胞、2種類のキラーT細胞のレベルを測定し、すべて(SARS-CoV-2)ウイルスを標的としていた。

 「私たちが知る限り、これは急性感染症の免疫記憶の4つの構成要素すべてを測定した、これまでで最大の研究です。」とクロッティ教授は言う。

 この研究は、「Science」誌に掲載されている。

 相反する結果

 Medical News Todayでは、感染後の免疫に関して、明らかに矛盾した所見を持ついくつかの小規模な調査を報告している。

 たとえば、ツーソンにあるアリゾナ大学医学部の研究者は、COVID-19に感染した人は、5~7か月後もウイルスに対する抗体を産生していることを発見している。

 一方、英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンによる研究では、集団内のウイルスに対する抗体反応は、感染の第一波の後に低下することが示された。

 その結果、多くの人の免疫反応が弱すぎて、再感染から身を守ることが出来なくなるのではないかと懸念されている。このことは、ワクチンによってもたらされる保護の寿命にも影響を及ぼすことになる。

 「もちろん、免疫反応は時間の経過とともにある程度低下しますが、それは正常なことです。最初の段階では、免疫反応は上昇し、その素晴らしい拡大の後、最終的には免疫反応はある程度縮小し、安定した状態になります。」とセッテ教授は言う。

 セッテ教授らは、COVID-19から回復した188人から254の血液サンプルを採取、分析した。このうち、43のサンプルは感染後少なくとも6か月以上経過してから採取されたものだった。

 研究チームは、ウイルスが宿主細胞に侵入する際に使用するスパイク蛋白質を標的とする抗体のレベルが、少なくとも6か月間は比較的安定していたことを発見した。

 さらに驚くべきことに、おそらく、これらの抗体を産生するメモリーB細胞は、発症から6ヶ月後には、1ヶ月時よりも豊富に存在していたのではないかと思われる。

 これらの細胞は、ウイルスとの二度目の遭遇後、抗体の産生を増加させる可能性が高い

 研究者たちはまた、感染症と戦うために免疫系の他の部分を動員するヘルパーT細胞、および感染した細胞を破壊するキラーT細胞のレベルを測定した。

 症状が現れてから3~5か月後には、ウイルスを標的としたこれら2種類のT細胞の数がほぼ半減していることがわかったという。

 チームの努力

 科学者たちは、一部の抗体、メモリーB細胞、キラーT細胞が感染後8か月以上も血液中に残っているのは、適応免疫システムの異なる部門が一緒に働いているからだと考えている。

 「これは、人々が少なくともその期間、そしておそらくそれ以上の期間、重篤な病気に対する防御免疫を持っている可能性が高いことを意味します。」とクロッティ教授は言う。

 いずれにしても、この研究では、個人間の免疫記憶の大きさに大きなばらつきがあることがわかった。このことは、ウイルスに対する適応免疫が比較的弱い人は、再感染しやすいままである可能性があることを示唆している。

 著者は注意を呼びかける。

 「SARS-CoV-2に対する適応免疫応答の大きさに不均一性があることを観察しました。したがって、免疫記憶が低いSARS-CoV-2感染者の一部は、比較的早くに再感染しやすくなる可能性があります。」

 再感染が確認された事例がいくつかあったことには注意が必要だ。たとえば、香港と米国で報告された症例がある。

 今後の研究では、ウイルスに対する抗体防御の持続性をより正確に理解するために、各被験者のより長期的なデータを増やすべきである、と著者らは述べている。

 さらに、上気道の局所的な免疫記憶が、人が再感染できるかどうかを決定する上で重要な役割を果たす可能性があることを認めている。今回の研究では、血流中を循環する免疫細胞と抗体のみを測定している。

最後に、研究者たちは、最初の感染やワクチン接種後にウイルスの突然変異が、適応免疫反応を「逃がす」ことを可能にする、その可能性に対処するための研究設計をしていなかったことに注意することが重要だ。



ここまでです。

 

感染によって出来た抗体もその後一生続くはずもなく、恐らくどんなに長くても1年も保つことは出来ない可能性が高そうです。

また、免疫記憶の能力にはかなり個人差があるようなので、再感染リスクが高い人も一定数は存在するようです。

それと、もうひとつ気になる箇所がありました。

さらに、上気道の局所的な免疫記憶が、人が再感染できるかどうかを決定する上で重要な役割を果たす可能性があることを認めている。

上気道というのは、呼吸器(気道)のうち、鼻から鼻腔、鼻咽腔、咽頭、喉頭までのことなのですが、ご存じPRC検査の検体採取は鼻の奥の方の鼻咽喉から行われます。


Daily News


最近この部位に、「新しい臓器と認められる部位が見つかった」という研究報告が出ていました。

「上咽頭という部位は、全身の健康に非常に影響を与える重要な部位である」

そうで、PCR検査を受けることで、健康被害に遭う可能性も否定できないと思われるのです。

このことに関する記事もIn Deepで紹介されています。

こちらリンクを紹介させて頂き今回は終わりに致します。

偶然?それとも… : PCR検査のメソッドは、人間の鼻の奥で発見された「新しい臓器」を直撃している(In Deep 2020/10/22)

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