女性が男性よりも自己免疫疾患を起こしやすい理由がわかった

前回のブログでは、体の内部では男と女で「痛み」の経路が違っていた、という記事を紹介しました。

男と女の違いは、外見だけでなく体の内部でも違っているのですから、そういったことが有るのは、別に不思議なことではないのかも知れません。

それでは、記事をご紹介します。

なぜ女性の方が多発性硬化症や他の自己免疫疾患を多く発症するのかを説明するのにX染色体上の遺伝子が役立つことが明らかになった

MedicalXpress.com

ここからです。

UCLAの研究により、X染色体上の遺伝子が、男性よりも女性の方が多発性硬化症(以下MS)や他の自己免疫疾患を発症する理由を説明するのに役立つことが明らかになった。

研究者は、Kdm6aとして知られる遺伝子は、男性よりも女性の免疫細胞でより多く発現され、オスのマウスよりもメスのマウスでより多く発現されることを発見した。


MSのような疾患を模倣するようにKdm6a遺伝子が除去したマウスを使うと、症状が改善し、炎症が軽減、脊髄への損傷が少なくなった。

MSを発症する女性のリスクは男性の約3倍であり、女性は一般的により強い免疫反応を示すが、男性と女性の違いは、性ホルモンや染色体の違いに起因する可能性があることが示唆している。

女性は2つのX 染色体を持っているため、(訳注:男性はX染色体とY染色体を各一つ持っている) 染色体上に遺伝子の「二倍量」があり、この余分な遺伝子を沈黙させる自然なメカニズムがあるが、一部の遺伝子はそのメカニズムを回避することが分かっている。

UCLAの研究では、どのX染色体遺伝子がその沈黙させるメカニズムの働きを狂わせ、女性の免疫系で発現が増加するか、およびそれらの遺伝子が女性の自己免疫疾患に対する感受性の高まりに関連するかどうかを判断した。

どのX染色体遺伝子が男性よりも女性の免疫系のT細胞でより多く発現しているかを決定するために、チームはメスとオスそれぞれ3匹のマウス、および294人の女性と205人の男性のRNAの配列を決定した。(T細胞は免疫応答において中心的な役割を果たす。)

Kdm6a遺伝子が男性と女性の間で最大の差を示したことを発見した後、科学者はKdm6aを除いたマウスを飼育した。このKdm6a遺伝子を持たないマウスは、無傷のKdm6aを持っていたマウスよりも病気の症状が少なかった

次に、このマウスを検査し、脊髄がMSに特徴的な損傷を示しているかどうかを評価した。Kdm6aを持たないマウスでは、脊髄細胞の自己免疫活性が低下し、細胞の軸索(神経伝達をする際に発生し、MSで悪化する細長い突起)の損傷が減少し、無傷の軸索の数が増えたという証拠を見付けた。結果、Kdm6a遺伝子を削除すると(MSを)保護する効果があることを示唆している。

最後に、チームは遺伝子の削除によって引き起こされる分子の変化を特定した。Kdm6aを欠くマウスでは、健康な免疫活動に関与する複数の遺伝子の活性が増加し、神経炎症に関与する遺伝子の活性が低下するという証拠があった

この結果は、女性が自己免疫疾患を発症しやすい理由を説明するのに役立ち、T細胞のKdm6a活性の調節がMSおよび他の自己免疫疾患の潜在的な治療標的である可能性を示唆する。

ここまでです。

結果は、

X染色体遺伝子上のkdma6aという遺伝子を取り除くと、免疫活動が抑制され自分の免疫系が自分を攻撃しなくなり、自己免疫系疾患を発症しにくくさせる。

ということのようです。

すべてが遺伝子によるものとは思わないのですが、いくつもの要因が重なり合って、遺伝子の持つ機能のスイッチをON/OFFさせる何かがあるのでしょう。

それが、環境だったり、食べものや食品添加物であったり、その人のもつ思考や考え方、感情の起伏によって生じるのが病気であり、何か一つだけが原因だとは思われない、と私は考えています

まぁ、ほかにも男と女の間はいろいろと大きな隔たりもあって、永遠にわかり合えないのかも・・・しれない。(ちょっと悲観的)

あっ、そういえば昔「男は火星から、女は金星から来た」みたいなタイトルの本がベストセラーになった記憶もありますね。

これからも性差に関しては、私自身も関心のあるテーマなので、アンテナを立てておきます。

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次回も、同じ性別テーマの情報をお届けする予定です。

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