新型コロナウイルスで重症化するのは免疫系の暴走が原因

6月の始まりがちょうど月曜日と重なり、社会活動が一気にという訳にはいきませんが徐々に活動を再開したムードが出てきてますね。

5月最後の週末には、私の住む海老名でも、駅前の大規模商業施設の営業再開もあり、外出自粛生活からの解放感からなのか、かなりの人出が戻ってきたように感じました。

と言っても実は、私は娘の引っ越しの手伝いで千葉県佐倉市の方に行きまして、そちらに有る大型のショッピングモール周辺は渋滞が起き、駐車場はほぼ満車(立体駐車場は不明)の駐車状態でした。

ショッピングモール内でも、各店舗それぞれの方法で入店制限や人との距離に気を遣っていましたね。

自粛の緩和で、どうしても気が緩みがちになりますが、第二波がいつ始まってもおかしくない状況は見え隠れしてます。

ウイルスがいつ強毒化するのか、それともそのまま弱毒化していくのかは分かりませんが、今までの研究で、重症化するメカニズムが解明されてきました。

ワクチンが完成し、そのワクチンを大量生産し各国へ配備するまでには、まだまだ相当の時間が必要です。それまでは、今有る治療薬の組みあわせで重症化を抑える事が優先すべきことになるのでしょう。

そして、重症化になる理由の一つに私たち自分自身が持っている自己免疫システムが、新型ウイルスによって過剰に反応してしまい、免疫の暴走いわゆるサイトカインストームの状態を起こし、自分の臓器を傷つけてしまう事で臓器不全に陥ってしまい、死に至らせてしまうようです。

本来、私たちの身体に備わっている身体の防御システムをウイルスはそれを逆手に取り、侵入したウイルスを敵と認識させないようにして、免疫力を低下させウイルス自身を増殖しやすくさせる戦略を持っているそうです。

恐るべし新型コロナウイルス。

それでは、記事を紹介しましょう。

研究はCOVID-19患者のサイトカインストームが実際にT細胞を枯渇させる方法を示している

COVID-19 Research: Study Shows How Cytokine Storms Actually Depletes T-Cells In COVID-19 Patients Thailand Medical News(2020/05/03)


ここからです。



中国の医学者による新しい研究によると、炎症性免疫反応によりT細胞を枯渇させ、COVID-19症例では患者の病気の予後に影響を与え、二次感染を起こしやすくする可能性があるという。

フロンティアーズ・イミュノロジー誌(Frontiers in Immunology Journal)で掲載された研究結果によると、サイトカインストームはT細胞(キラーT細胞とも呼ばれる免疫細胞のこと)数を低下させることにより、COVID-19患者の重症度に影響を与える可能性がある。

中国のSARS-CoV-2コロナウイルスの症例を研究している医学研究者は、病気の患者は白血球の一種であるT細胞の数が著しく少ないことを発見した。これは免疫反応に重要な役割を果たすもので、T細胞数は症例の重症度と負の相関が有ることが分かった。

重大なことは、医学研究者たちは、通常は感染症を防ぐのに役立つタンパク質である、サイトカインの濃度が高いことを発見した。サイトカインが過剰になると、サイトカインストームと呼ばれる過剰な炎症反応が引き起こされ、このタンパク質が健康な細胞を攻撃することになる。

今回の研究結果は、SARS-CoV-2コロナウイルスがT細胞を直接攻撃するのではなく、むしろサイトカインの放出を誘発し、それがT細胞の枯渇と消耗を促進することを示している。

研究の筆頭著者である中国の第三軍医大のチェン・ヨンウェン(Dr.Yongwen Chen)博士は、「COVID-19の治療を受けた患者の多くが、T細胞を含む白血球の一種であるリンパ球の数が異常に少ないことに気付いたため、私たちは、患者の呼吸機能よりもT細胞数とその機能にもっと注意を払うべきだろう。」と語った。

さらに「ウイルス感染に対する反応の中心的な役割を担うT細胞、特に抗体がまだ増加していない初期の段階でのT細胞を焦点とした。」と付け加えた。

研究者らは、コロナウイルスの522人の患者と40人の健康な人を対照に調査した。調査された患者はすべて、2019年12月から2020年1月までの間に中国・武漢にある2つの病院に入院し、年齢は5日から97歳の範囲だった。

リンパ球を記録した499人の患者のうち、76%の患者は総T細胞数が有意に低かった。 ICU患者は、非ICU患者と比較してT細胞数が有意に低く、60歳以上の患者ではT細胞数は最も少なかった。

興味深いことに、生き残ったT細胞は疲弊しており、その機能をフルに発揮することができなかった。これはCOVID-19の患者の転帰(病気が進行した結果、ある状態に至ること)に影響を与えるだけでなく、T細胞の枯渇は患者を二次感染に対してより脆弱にするため、細心の注意を払う必要があるだろう。

チェン博士によると、今後の研究では、T細胞の脆弱性や疾患への影響を明らかにするために、より微細なT細胞の小集団を発見し、T細胞数を回復させて機能を高める薬剤を特定することに焦点を当てるべきだ、と述べている。

また、サイトカインストームを抑える事が出来る薬剤や、SARS-CoV-2ウイルスの複製を防ぐことが出来る抗ウイルス薬もT細胞枯渇の進行を防ぐ可能性があるとしているが、今後の治療法はすべてそのような薬剤の詳細な研究が必要になるとしている。

新しい研究結果は、SARS-CoV-2コロナウイルスが人体にどのように影響を与えるのかについての医学研究者の理解を広げ、その致死的な影響を軽減する解決策を見つけるための道を開くだろう。



ここまでです。

COVID-19に対する免疫反応のタイミングが疾患の重症度に寄与する可能性

Timing of immune response to COVID-19 may contribute to disease severity Medical Express(2020/05/01)

ここからです。



南カリフォルニア大(USC)による新しい研究で、COVID-19の初期段階で身体の免疫系を一時的に抑制することで、患者が重篤な症状を回避できる可能性があることが示された。

これは、メディカル・バイラロジー(医学ウイルス学)(Journal of Medical Virology)にオンラインで公開されたばかりの研究が、身体の2つの主要な防衛線間の相互作用が、一部の患者で免疫システムを過剰にさせている可能性があることを示しているからだ。

体の第一の防御ラインである自然免疫反応は、感染直後に始まる。たとえば、外来の侵略者を追いかける歩兵のように、ウイルスとそれによって損傷した細胞を片付ける。防御の2番目のラインである適応免疫反応は、ウイルスが残っていた場合に数日後に開始され、ウイルスについて学んだことを利用して、T細胞やB細胞などのさまざまな特殊部隊を動員する。

ウイルス感染のダイナミクス(動態)を理解するために開発された一般的な数学モデルである「標的細胞限定モデル」を用いて、COVID-19の患者とインフルエンザ患者と比較して、2つの免疫反応がどのように機能するかを調査した。

インフルエンザはとても動きの速い感染症で、上気道の表面にある特定の標的細胞を攻撃し、2~3日以内にほぼすべての標的細胞を死滅させる。これらの細胞の死により、ウイルスはより多くの標的に感染することができなくなり、適応システムが機能する前に、自然免疫反応の時間が、ほぼすべてのウイルスを体内から排出することができるようになる。

適応免疫反応が早すぎる

しかし、肺を含む呼吸器系全体の表面細胞を標的とするCOVID-19の平均潜伏期間は6日間であり、疾患の進行がはるかに遅い。数学的モデルは、標的細胞が枯渇する前に適応免疫反応が起こることで、結果的に感染を遅らせ、ウイルスの大部分を迅速に殺傷する能力を妨害する可能性があることを示唆している。

「危険なのは、感染が続くと、その複数の層を持つ適応免疫反応を総動員してしまうことだ。このようなウイルスの活動期間が長くなると、サイトカインストームと呼ばれる免疫系の暴走が起こり、健康な細胞を殺し、組織のダメージを引き起こします。」とUSCのケック医学部分子微生物学・免疫学部の准教授であるユァン・ウェイミン(Weiming Yuan)氏は述べている。

自然免疫反応と適応免疫反応の相互作用は、COVID-19患者の中には、病気が2つの波を経験し、最終的にさらに悪化をする前に一旦回復したように見える理由を説明するかも知れない。

さらに、同研究の主任研究者であるショーン・ドゥ(Sean Du)氏は以下のように述べている。

「COVID-19患者の中には、症状が明らかに緩和した後に、病気の再燃を経験する人もいるかも知れません。適応免疫反応と自然免疫反応の複合効果により、ウイルスが一時的に低レベルに抑えることができる可能性があります。しかし、ウイルスが完全に除去されず、標的細胞が再生すると、ウイルスは再び活性化され、新たなピークに達する可能性があります。」

逆説的な治療法

この研究の最も挑発的な結果は、2つの免疫反応の間における相互作用を防ぐために提案する治療法である。

「数学的モデルの結果に基づいて、我々は、疾患の初期段階で適切な免疫抑制剤を短期間投与することで、患者の転帰が改善される可能性がある、という逆説的な考えを提案しました。適切な免疫抑制剤を使用すれば、適応免疫反応を遅らせ、自然免疫反応を妨害することができるかもしれません。これにより、ウイルスや感染細胞をより早く排除することができるようになるでしょう。」とドゥ氏は語った。

最近のCOVID-19患者と2003年のSARS患者を含む中国での小規模な研究では、コルチコステロイドなどの免疫抑制剤を投与された患者の方が、投与されなかった患者よりも良好な結果が得られた。

研究者らは、次のステップとして、COVID-19患者のウイルス量やその他のバイオマーカーを毎日測定し、データが数学的モデルを立証できるかどうかを確認する必要がある、と語った。

また、初期の免疫抑制治療の有効性を証明するためには、動物モデルを用いた実験を含む、より前臨床試験も必要となるだろう。



ここまでです。

このタイミングで登場したこの新型ウイルスには、何か人類に警鐘を鳴らすために現れたのかも知れません。

なぜなら、現代はこのウイルスが取っている戦略のように自己免疫を攻撃する自己免疫疾患が多く現れています。

自己免疫疾患のほとんどは難治性であり、対処療法のみで症状を抑えることしか出来ません。

自己免疫疾患(じこめんえきしっかん、英:Autoimmune disease)とは、異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を起こす、免疫寛容の破綻による疾患の総称。

自己免疫疾患は、全身にわたり影響が及ぶ全身性自己免疫疾患と、特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類に分けることができる。関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)に代表される膠原病は、全身性自己免疫疾患である。


wikipedia

 

ただ、この自己免疫疾患を発症しやすいのは女性の方が多く、ホルモンが関係していると言う説もありますが原因は分かっていません。

このウイルスをきっかけに自己免疫疾患の治療研究も進むと良いですね。

ところで、この免疫の働きなどをわかりやすく、しかも面白く書かれたマンガ(まじめなギャグ・マンガ)があり、それを原作にしたアニメをコロナが始まる前に観たのを思い出しました。

赤血球や白血球、血小板やリンパ球などがそれぞれ擬人化されてキャラクターとして登場し(赤血球の女の子が主人公)、ちょっと難しい内容のものを小学生レベルでも分かるように描かれていますが、大人でも楽しめる(私のような55歳のオヤジでも)のではないかと思いましたので、一応紹介しておきます。

タイトルは、「はたらく細胞!!」です。


私はNetflixで観ましたし、他の動画配信サービスでも配信されているようです。テレビでも放送したそうなので、読者のみなさんの中にも観ている方が居るかも知れませんね

免疫の事が非常に分かりやすく描かれているので、もし良かったら観てみてください。

追伸:血小板ちゃんたちが、とっても可愛いんです。

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