冷たい雨とガン増加の関係
雨と寒さはガンの発症率を増加させる
前回、湿度と痛みの関係性を調べたイギリスのニュースを紹介しました。
私自身も気象と病気というのは関係性が強くあると考えています。
その土地の気候に根ざした風土病などもありますし、当然その土地で採れる食物も暖かい土地と寒い土地ではとれる農作物やその土地に住む動植物にも違いがあって当たり前だと思っています。
その土地で採れるものを食すことを身土不二(しんどふじ、またはしんどふに)といいます。
身土不二とは、「身と土、二つにあらず」、つまり人間の体と人間が暮らす土地は一体で、切っても切れない関係にあるという意味の言葉です。言葉の起源は大昔の仏典に遡ることができますが、現在では食の思想として「その土地のものを食べ、生活するのがよい」という意味で使われています。
現代的なことばでいえば「地産地消」です。
しかしこの地産地消という言葉には本来の「身土不二」の意味とは少し違います。
しかし、今ではあらゆる食品が他の土地どころか外国からも沢山輸入されるようになり、その土地にはなかった病気も輸入されるようになったのではないかと考えています。
ただ、実際問題として、住んでいる土地のモノだけを食べると言うことも現代社会ではかなり難しいですね。完全な自給自足の生活をするには人里を離れて、仙人でもなるしかありませんね。
話しが逸れてきましたので、本題に入ります。
そんなことで気象と病気の関係性にアンテナが強くなっているこの時期に、また新しい記事を見付けましたので、ご紹介したいと思います。
今回はアメリカの研究結果です。
いまやガンは地球上のあらゆる地域に蔓延している病気ですが、多くの種類のガンの発病率の高い地域が気候、特に寒冷と湿度の高い地域に増加が見られたという報告です。
がんの発生率の増加に関連する雨天と寒さ
ここからです。
初めてある研究によって、驚くべき結果が報告された。
寒く湿った地域での生活とガンの罹患率の増加との関連性が明らかになった。
この結論は驚くべきものであり、今後議論を巻き起こすだろう。
遠い昔、科学者たちは太陽からの紫外線(UV)への曝露が増加すると、皮膚がんのリスクを高めるというと言うことは確立したが、この研究では、降水量と冷涼な気候を示す。
以前の研究では、米国のさまざまな地域において、ガンの発生率と死亡率の間には驚くほどの差異があることが示されている。特に、東海岸に行くほどその割合が高くなるようにみえる。
最新の研究の著者は、これらの違いは「人種、民族、行動、社会、経済、およびライフスタイルの要因に関係している」と説明している。
環境および職業要因、大気汚染や農薬や溶剤への暴露なども、影響を与える可能性がある。
ガンの危険因子のリストはすでに十分に長いが、研究者はさらに全範囲を明らかにするために作業を続けている。
気候に目を向ける
現在、エンバイオメンタル・エンジニアリング・サイエンス(Environmental Engineering Science)誌に掲載されている新しい研究では、ガン・リスクにおける降水と気候帯の潜在的な関係性を調査している。
この論文では、著者は気候帯を「特定の地域の温度と湿度を組み合わせた変数」と定義している。
彼らは、増加した降雨、温度、湿気が直接癌を引き起こすとは言っていない。代わりに、これらの気候要因が「ガンの媒体として作用するか、発がん物質の自然な生物生成を増加させることにより、発がん物質への曝露を増加させる可能性がある」ことを説明している。
この研究は、がんの発生率、降水量、気候帯の関係を調査した米国で初めての研究だ。
科学者は乳がん、卵巣がん、肺がん、結腸直腸がん、前立腺がんに関するデータを照合した。また、ガンの発生率、気候、人口統計に関する郡レベルのデータにもアクセスできた。
データのサイズが大きいため、研究者は、アリゾナ州、アーカンソー州、カリフォルニア州、コネチカット州、ジョージア州、アイオワ州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、テキサス州、ユタ州、ワシントン州、ウィスコンシン州の15州をランダムに分析することを選択した。
重要な関係が見つかった
研究者は、人口のがん率に影響を与える可能性があるため、年齢、性別、民族性、収入レベル、人口年齢、多様性を制御したうえで分析した。これらの調整を行った後でも、強い関連性を示した。
「降水量の増加の影響は、すべてのガンの発生率の増加を示した。同様に、気候帯はすべてのガンの結果にとっても重要でした。」
全体として、がんの発生率は、暑く乾燥した気候と比較して非常に寒い地域で高かった。しかし、チームががんをタイプ別に分類したとき、いくつかの例外があった。たとえば、肺がんは、乾燥した暑い地域で最も多く見られた。
この研究には一定の制限もあり、たとえば、研究者は15州のみを分析したため、すべての州、または他国ではこのパターンが当てはまらない場合もある。
また、すべてのがんの種類を説明できなかったことにも注目する価値がある。肺がんの場合のように、さまざまな種類のがんがこれらのパターンに従わない場合がある。
また、観察研究の性質は、この分析が捕捉しなかった関係を活性させる他の変数があるかもしれないことを意味している。
これはそのタイプの最初の研究であったため、調査結果を裏付けるにはさらなる研究が必要だ。
雨はガンにどのような影響を与えるのか?
研究の著者らは、この独特な関係を解明するのに役立ついくつかの理論がある。例えば、東海岸では、降雨量が増加すると土壌からマグネシウムやカリウムなどのアルカリ元素が浸出することを説明している。これによって、土壌がより酸性になる。
酸性土壌や寒冷地では、アンモニア酸化細菌がより多く棲んでいて、アンモニアを亜硝酸塩に変換する。より酸性が強い条件では、亜硝酸塩がさらに亜硝酸に変換され、大気に放出される。保健機関では、この亜硝酸を発がん性物質と見なしている。
しかしそうであれば、空気中の発がん物質が肺がんの罹患率に最も影響を与えると予想されるかもしれないが、研究者たちはその逆が正しいことを発見する。
降雨量の増加とガンの罹患率との関係でもう1つ考えられる要因は、ビタミンDだ。皮膚は、太陽からの紫外線に反応してビタミン Dを生成する。
一部の研究者は、ビタミンD欠乏症が 一部のガンの危険因子である可能性を示唆している。日光が少ない雨の多い地域では、これがその役割を果たす可能性があるとみている。
この研究の著者が概説する別の理論には、過剰な代謝が含まれている。寒い気候では体が体温を維持しようとするため、体は代謝ストレスにさらされると説明する。これが正しければこの理論は、がんのリスクをさらに高めることになるかもしれない。
この効果が本物かどうかを判断するには、さらに研究を待つ必要がある。さらなる研究でそれが確認できた場合、その背後にある理由は複雑で多岐にわたる可能性が高く、上記の理論のすべてを含むかまったく含まないことになるだろう。
ここまでです。
太陽光(ビタミンD)の欠乏とガンの関係性が見えてきた?
最近の私のブログ記事に多く取り上げられているテーマは、
ビタミンD
腸内細菌叢
太陽光(紫外線)
特に腸内細菌叢は、ほぼすべての病気の原因と考えられるほどです。
なので、私が一番気になった箇所はここです。
降雨量の増加とガンの罹患率との関係でもう1つ考えられる要因は、ビタミンDだ。皮膚は、太陽からの紫外線に反応してビタミン Dを生成する。
ビタミンD欠乏症が 一部のガンの危険因子である可能性を示唆している。日光が少ない雨の多い地域では、これがその役割を果たす可能性があるとみている。
寒い気候では体が体温を維持しようとするため、体は代謝ストレスにさらされる。
そしてガンも色々な要因はあるだろうけれども、行き着くところはこの腸内細菌叢に行き当たるのではないかと、考えています。
そして腸内細菌叢の住みやすい環境を整える一つの方法に整体があるのではないかと思っています。
それはなぜなのか?
私は二年程前に下にある本を読んだのですが、そう思う一つのキッカケとなった本です。この本で微生物をそして人体を見る目が変わりました。
私は気になった箇所にマーカーするのですがそれが本当に多かった本です。
タイトルは「あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた」
いずれ近いうちに、この本に書かれていることも紹介しようと思っています。
その前にもし、気になった方がいらっしゃれば是非読んでみることをおすすめ致します。