新型コロナウィルスはそれほど心配いらないかもしれない
毎日報道されている、新型コロナウイルスですが高齢者や基礎疾患のある人を除いてそれほど恐れる心配は無いかも知れません。
色々と話題には事欠かないこのコロナウィルスですが、中国では回復している症例も増えており(もちろんまだまだ深刻な状態で有るとは思います)、現場で臨床活動を続けている医師や看護師など医療従事者、そして研究者からもまだ査読はされていない研究論文が、続々と発表されているようです。
今回は、ニュース記事としてできるだけ鮮度の高いうちにお届けしようと思いまして、急遽ふたつの記事を翻訳しましたので、紹介したいと思います。
良いニュースと悪いニュースがあるのですが、まずは良いニュースから紹介します。
新型コロナウイルスにかかる乳児はほとんどいないようだ
しかし、なぜ子供たちが発症しないのかは不明
ここからです。
12月から2月上旬にかけて、中国ではコロナウイルスが原因で入院したのは9人の乳児のみだった。
新型コロナウイルスの発生が続いているが、大部分の乳児は免れているようだ。
12月8日から2月6日までに、中国でウイルスが原因で入院した乳児の症例を集計し、その結果は、わずか9 症例にとどまっている。(その症例では)生後1~11ヶ月の乳児が、発熱、咳、またはその他の軽度の呼吸器症状を示していた。
現在、COVID-19として呼ばれることになったこの新型ウイルスから、重篤な合併症を発症したものはみられないと、武漢大学のジャン・ジジャン(Zhang Zhi-Jiang)氏は2月14日JAMAオンラインで報告した。
その結果は、
「赤ちゃんがウイルスに感染しにくいこと、または単に暴露されるリスクが低いことを意味すると思われる」
と研究者らは述べている。
病気になった乳児が、医師が見る事が出来ないような軽度の場合も有り、また特定されたすべての乳児には、少なくとも1人の家族がすでに感染しており、その家族が発症後にその子どもも発症しています。
2月14日現在、中国本土で63,000人を超える人々が感染していると報告されています。以前の推定値から大幅に増加しているのは、中国がこの病例を特定する方法を変えたためである。
2月12日にランセット(Lancet)でオンライン公開されたCOVID-19と赤ちゃんに関する別の研究では、帝王切開を受けた妊娠後期の母親が出産前、または出産中に赤ちゃんにウイルスを感染させるという証拠は見つからなかった。
その母親は、1月20日から31日まで武漢大学中南病院に入院した。新型肺炎を発症し、帝王切開手術を受けていた6人の妊婦から採取した羊水サンプルと、新生児の咽の粘膜を採取したがどちらも陰性だった。さらに臍帯血と母親の母乳も陰性である事を確認した、と武漢大学中南病院のジャン・ユアンゼン(Zhang Yuanzhen)氏は報告している。
女性は妊娠第三期(臨月)であったため、妊娠の初期段階でウイルスが胎児に伝播する可能性があるかどうか、およびどのような影響があるかはいまのところ不明。また、経膣分娩中に伝播が起こるかどうかも不明だ。
ここまでです。
次は悪い方のニュースです。
こちらは、英国BBCからのニュースです。
コロナウイルス:最大の研究では、高齢者と病気の人が最もリスクが高いことが示唆
最も高い死亡率-14.8%-は80歳以上の人
ここからです。
中国の保健当局は、流行が始まって以来の最大の研究で、44,000を超える新型コロナウィルスの最初の詳細を発表した。
中国疾病管理予防センター(CCDC)のデータによると、症例の80%以上が軽度であり、基礎疾患を持っている人や高齢者が最もリスクが高い。
この研究は、医療スタッフに対する高いリスクも指摘している。
武漢市の病院長は、火曜日(2/18)にウイルスで死亡した。
参考:・NHK (https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200218/k10012290511000.html)
51歳のリュウ・ジミン(Liu Zhiming)は、武漢の武昌病院の院長を務めていた。この病院は、ウイルスの中心的な有力な病院の1つです。彼はこれまでに死亡した中で、最も健康だった上級職員の一人だった。
CCDCの報告によると、湖北省の死亡率は2.9%であるのに対し、その他の地域では0.4%。新型コロナウイルスの全体的な死亡率は2.3%としている。
2/18に発表された中国の最新の公式統計では、全体的な死亡者数は1,868人、総感染者数72,436人に達した。
当局は過去1日に98人の新しい死亡者数と1,886人の新しい症例を報告し、そのうち93人は湖北省で発生し、1,807人が感染し、12,000人以上が回復した。
この研究から何がわかるか?
月曜日(2/17)にリリースされ、中華流行病学雑誌(Chinese Journal of Epidemiology)に掲載されたCCDCの論文は、 2月11日現在、中国で44,000を超える新型コロナウィルスの確定症例が確認されている。
結果は、ウイルスと感染パターンの以前の説明をほぼ確認しますが、この研究には、中国全土で確認された44,672件の詳細な内訳が含まれている。
感染の80.9%が軽度、13.8%が重症、4.7%のみが重症と分類されている。致死率として知られる感染者の死亡数は低いままだが、80歳以上で増加している。
中国におけるコロナウイルスの死亡率
男女比を見ると、男性(2.8%)に対し女性(1.7%)と男性の方が死亡する可能性が高い。
この研究では、既存のどの疾病が患者を危険にさらすかのを特定した。心血管疾患が一番危険度が高く、糖尿病、慢性呼吸器疾患、高血圧と続く。
出典:中国疾病管理センタ
この研究では、小さな子供の死亡率はゼロであることが判明しました。
ここでは、医療スタッフへのリスクが指摘され、合計3,019人の医療従事者が感染、そのうち1,716人が確認された症例であると述べている。その中で5人は2月11日までに死亡している。これは、調査に含まれる最終日であった。
2月13日、この日中国は、「確認された症例」とは別にカウントしていた「臨床的に診断された症例」を含めることにし、診断方法の定義を広げている。
これは、中国におけるコロナウイルスの発生に関する最も詳細な研究です。何が起こっているのか信じられないほどの洞察を与えてくれますが、全体像からはほど遠いのが実情である。
ジェームズ・ギャラガー健康科学特派員による分析
研究者は、目の前にある症例のみを研究しており、他の科学者の見解では、公式統計の10倍の感染者がいると推定している。つまり、全体的な死亡率は、この研究で報告されたものよりも低い可能性が高いことを意味する。
この報告書は、流行が1月下旬にピークに達したことを示唆しているが、確実に知るには時期尚早といえる。
この分析が明確に説明しているのは、中国による「極端な対応」に直面しても「極めて急速に」広がる「極めて伝染性の高い」ウイルスだということだ。
ここまでです。
もちろん、まだ分からない部分もありますので多少の不安もありますが、過度に心配になることもないのかな、とは思います。