日本のわさびがCOVID-19の治療に役立つかも知れない

アメリカやヨーロッパが新型コロナのパンデミックでさらに大変なことになってきました。

日本でもこの秋から感染者数の増加が続いており、一部のメディアなどでは、4月に行ったような自粛要請を検討すべきだとの声を取り上げていました。

ヨーロッパの一部の国のように厳格な都市封鎖など意味がないと個人的に考えていますし、むしろそれについては断固反対の立場ですが、もう主要国のリーダーは封鎖による効果はムダで有るばかりか「百害あって一利なし」を分かっているのかいないのか、強行(いや凶行か)を断行するようです。

ロックダウンの目的、それは「言うことを聞けば自由にしてやる」 スロバキアが全国民に対して新型コロナのほぼ強制的なテストを実施。欧州の他の国々も追随する雰囲気に(In deep 2020/11/12)

完全にイカれているとしか思えない・・・。

日本は、もっとまともな国だと信じているのですが、今後はどうなるんでしょうかねぇ・・。

というわけで、しばらくぶりに新型コロナウイルスに関する記事を書くことにした次第です。

でも、この記事のタイトルはきっとフェイクニュース扱いにあるんだろうな・・・(ひとり言)

健康食でも見直されている和食ですが、寿司や刺身に欠かす事の出来ない調味料といえば、醤油とわさびではないでしょうか?

昔から食べられていたわさびですが、特に一般的になったのは江戸時代からだそうです。
わさびが食べられるようになった背景には、その独特な風味と辛味だけでなく、食中毒を防ぐという目的もあったとか。

そのわさびが持つ成分の一つである抗菌作用が、新型コロナウイルスに対しても効果があるという最新の研究報告です。

これからご紹介する記事のサイトは、このブログでも時々取り上げている、タイメディカルニュースからのものです。

ここのサイトは、ほぼ毎日のように、新型コロナウイルスに関する研究報告を数記事アップしており、私も週に最低でも1-2回はチェックしています。

興味のある方は、アクセスしてみて下さい。(英語です)

今回の記事は、私にとって専門性が高く、しかも舌を噛みそうな単語がたくさんでてきました。それに加えてちょっとクセのある文章でしたので、多少私の方で読みやすくなるように手を加えています。記事内容の正確性を重視する方は、是非原文を読まれることをおすすめ致します。

※原文の記事には、引用元のリンクがたくさん貼られていますので参考になると思います。

それでは、記事にまいりましょう。

 

COVID-19ハーブ:さらなる研究が必要だが、日本のわさびには、COVID-19に役立つ可能性のある特定のフィトケミカルが含まれている事が分かった!

COVID-19 Herbs: Japanese Wasabi Contains Certain Phytochemicals That Could Help With COVID-19! Further Studies Warranted
Thailand Medical News
2020/11/01)


ここからです。


タイ・メディカル・ニュースでは、SARS-CoV-2コロナウイルスに対する抗ウイルス活性を持ち、他のハーブやフィトケミカルと組み合わせてCOVID-19を治療できる可能性のあるワサビに含まれる特定のフィトケミカル(植物化学物質)の研究を進めている。

SARS-CoV-2コロナウイルスに対して潜在的な抗ウイルス活性を持ち、おそらく他のハーブと組み合わせてCOVID-19を治療できる可能性のある、わさびに存在する特定のフィトケミカルを調査する新しい研究が現在タイメディカルニュースによって進行中だ。

本わさび(Wasabia Japonica)は、寿司やその他の食品の辛味調味料で、本わさびの根茎をすりつぶしてペースト状にしたもの。アブラナ科の植物で、他の属には西洋わさびやからし(マスタード)も含まれる。味は舌よりも鼻を刺激すると言う点では、唐辛子よりも、マスタードやホースラディッシュ(西洋わさび)に似ている。タイ、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどのほとんどの日本食レストランで見られるわさびの多くは、西洋わさびと着色料によって作られたものだ。

本わさびは、日本の山間部の渓流沿いに自生している植物である。フィトケミカルを豊富に含んでいるのは、主に「だるま」と「まづま(間妻)」の二つの系統であるが、他にも多くの系統がある。日本のわさびの大量栽培が制限されて価格が上昇し、海外での入手が困難になっているという、政策上の問題から、日本のわさびの代わりに西洋わさびが使用されているのが一般的である。

新鮮なわさびには、たんぱく質食物繊維、ビタミンB6Cカルシウム、マグネシウム、カリウム、マンガンなどのミネラルが含まれている。わさびは、グルコシノレートと呼ばれる化合物のグループが含まれているという点で、アブラナ科の多くの植物に似ている。これらの成分は、酵素によって生理活性イソチオシアネート(ITC)に変換される。

わさびの最初の辛味の原因となるフィトケミカルは、天然のチオグルコシド(糖グルコースおよび有機硫黄化合物の共役体)を加水分解して生成される揮発性化合物アリルイソチオシアネートである。

加水分解反応はミロシナーゼによって触媒され、植物のすりおろしなどのマセレーション(浸軟)によって細胞が破壊された際に酵素が放出されることで発生する。

西洋わさびとマスタードの辛味にも、同じフィトケミカルが関与している。

フィトケミカルのアリルイソチオシアネートは、わさびが損傷したときにも放出され、菌や他の害虫に対する防御機構として利用されている。

人間の場合、わさびとマスタードオイルの感覚神経標的は、化学感覚受容体または遺伝子TRPA1であり、「わさび受容体」としても知られている。

わさびの辛味と独特の風味は、シニグリニンからグルコースへのチオグルコシドの加水分解に由来するものや、6-MITC6(メチルスルフィニル)ヘキシル・イソチオシアネート、7-メチルチオヘプチル・イソチオシアネート、8-メチルチオオクチル・イソチオシアネートなどのメチルチオアルキル・イソチオシアネートの加水分解に由来するものなど、植物の破壊された細胞から得られる複雑な化学混合物の結果である。

本わさびは他のアブラナ科の植物とは異なり、ITC、特に長鎖ITCの濃度が高い。これらの長鎖ITC(6-メチルスルフィニルヘキシルイ・ソチオシアネート(6-MITC)、7-メチルスルフィニルヘプチル・イソチオシアネート、8-メチルスルフィニルオクチル・イソチオシアネート)は、「グリーンノート」と呼ばれる独特の風味を本わさびに与える。

不活性なグルコシノレートをITCに変換する酵素は、非常に不安定な分子であるミロシナーゼである。本わさびを空気乾燥させると、そのミロシナーゼが分解されてしまうため、本わさびの特徴である辛味、風味、生物学的活性を生み出すITCが形成されないのである。

これが、伝統的に新鮮な根茎や葉のみが使用される理由だ。現在、研究者たちは、凍結乾燥した本わさびが水や消化液にさらされるまで、ミロシナーゼの活性を安定させることを発見している。

わさびからさまざまなフィトケミカルを取得するための抽出プロセスは、非常に複雑で、面倒で時間のかかる作業である。

イソチオシアネートには抗ウイルス作用があることが知られている。

わさびの灼熱感は油性ではないため、唐辛子に含まれるカプサイシンの効果に比べて短命で、食べ物や液体で洗い流されてしまう。感覚は主に鼻腔内で感じられ、摂取量にもよるが、かなりの痛みを伴うことがある。

わさびの蒸気を吸い込んだり嗅いだりすると、気付け薬のような効果があり、研究者の間ではさまざまな治療用途に利用されている

6-(メチルスルフィニル)ヘキシル・イソチオシアネート、および他のイソチオシアネートに加えて、わさびに含まれるもう一つの重要なフィトケミカルは、モノガラクトシル・ジアシルグリセリドであることが確認されている。

抗炎症作用

わさびは季節性アレルギーや喘息をコントロールするのに役立つ可能性があることがわかっている。ITCは、その迅速な作用と必要な低レベルに基づいて、炎症に対して効果的である。

6-MITCは、炎症に関与するリポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ、およびcAMPホスホジエステラーゼを阻害することができる。本わさびなどのアブラナ科植物のイソチオシアネートには、抗炎症作用と抗喘息作用がある。

自然の健康法を実践している人たちの間では、わさびが季節性アレルギー、湿疹、その他多くの炎症性疾患に効果的な治療法であることが分かってきている。

抗菌特性

フィトケミカルのITCは、細菌、酵母、カビのいくつかの菌株に対して抑制効果がある。実際、本わさびは、その抗菌特性のために、日本人の生魚を食べる習慣で最初に導入された。

わさびに含まれるイソチオシアネートは、いくつかの菌株の増殖を抑制する。酵母やカビの研究によると、わさび抽出物に含まれる6-MITCは、黄色ブドウ球菌や大腸菌に対して強力な抗菌作用があることが、いくつかの研究で明らかになっている。

また、わさびに含まれるイソチオシアネートは、虫歯の原因菌であるストレプトコッカス・ミュータンス菌に対しても抑制効果があることが示されている。これらの結果から、虫歯予防のためのさまざまな製品(歯磨き粉やうがい薬など)に使用される可能性がある。

最近の研究では、わさび抽出物がブドウ球菌の変異株を阻害することが証明されている。

わさびとITCが阻害するもう1つの生物学的に重要な細菌は、ヘリコバクター・ピロリ菌だ。この細菌は、胃潰瘍や胃がんの原因菌として知られているわさびエキスは、胃の内側の細胞に入ったとしても、この細菌を殺すのだ。

抗血小板特性

不適切な血小板凝固の抑制は、心臓発作や脳卒中からの保護にとって重要だ。

わさびの6-MITC、過度の凝固を防ぐことが重要な高齢者に有用な特性である、血小板凝集を阻害することがわかっている。

血小板凝固は心血管疾患の促進因子であり、6-MITCは、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ、cAMPホスホジエステラーゼ、cGMPホスホジエステラーゼの阻害など、さまざまなメカニズムによって血小板凝固を抑制する。

抗ウイルス特性

わさびのフィトケミカルがインフルエンザウイルスやその他の呼吸器ウイルスに対して有効であることを示す過去の研究がある。

イソチオシアネートは、HIV遺伝子とC型肝炎ウイルスを抑制することも知られている。

イソチオシアネートの抗ウイルス特性に加えて、他のフィトケミカルの一つに、モノガラクトシル・ジアシルグリセリドがあり、これはヘルペスに対する抗ウイルス作用があることでも知られている。

わさびに含まれる他のさまざまなフィトケミカルは、糖尿病の治療、抗がん作用、神経保護特性など、他の多くの健康上の利点を持っていることで知られている。

しかし、Thailand Medical Newsは、わさびに含まれる2つの主要なフィトケミカル、すなわちイソチオシアネートとモノガラクトシル・ジアシルグリセリドの抗ウイルス性に着目している。

我々は、SARS-CoV-2コロナウイルスのさまざまな株を対象にこれらのフィトケミカルがヒト免疫系のさまざまな細胞経路および遺伝子への影響を生体内外での化学研究にて調査している。

SARS-CoV-2ゲノムを対象とした、まだ公表されていないコンピューターを使用した分子ドッキングの予備研究も、これらの同定されたフィトケミカルのいくつかを用いた応用の可能性も示されている。

Thailand Medical Newsでは、世界中のさまざまな研究者とハーブやフィトケミカルの研究に取り組んでおり、COVID-19疾患のさまざまな側面を補助薬として、または単独で治療するのに役立つさまざまなブレンドの治療茶を開発中だ。

(一部略)

我々は、ハーブとフィトケミカルがCOVID-19疾患に対する答えであると強く信じており、他のハーブをベースとした製品とは異なり、すべてのハーブとそのフィトケミカルが、細胞レベルでどのように機能するかのメカニズムについて、適切な公表データに裏付けされた詳細かつ集中的な最新の研究を行っている。

我々はまもなくいくつかのランダム化試験を開始し、これらのフィトケミカルとSARS-CoV-2コロナウイルスのビロポリンによって影響を受ける、ヒト宿主遺伝子を含むエピジェネティックな研究にも取り組んでいる。



ここまでです。

日本では、普通にスーパーなどで売っているわさび。

手軽に買える調味料(薬味)ですが、その加工されたわさびの大半は輸入ものの安い西洋わさびの加工品がほとんどのようです。

西洋わさびには、今回取り上げられた研究の効果はあまり期待できないようなので、本物の日本の本わさびを買われたほうが良いでしょう。

ところで、わさびに関する公的な機関を調べたところ、日本加工わさび協会というのがあることが分かりました。

しかし残念なことに公式のHPがなく、いくつかの情報から以下のページがわさび協会の基準でまとめられていましたので、ご紹介しておきます。

【違い】「本わさび」と「生わさび

このページを読んでその違いが分かりました。それまでは、単に商品のネーミングの一部だと認識していましたが、ちゃんとした理由があったんですね。

なお、「本わさび」と呼んでいても国産ではない、輸入品もあるようなので、ご注意下さい。

お手軽チューブ入りで本物の本わさびを味わう事は無理みたいです。

生の本わさびの根茎を手に入れ、目の細かい鮫皮のおろしを使って食すのが、わさびの風味と効果を最大限に活かす秘訣のようです。

もう一つ、わさびが日本を代表する抗菌食品だとすれば、西洋ではタバスコが最強のようです。

最も強力な抗菌食品はタバスコだった(2020/02/04)

最も強力な抗菌食品はタバスコだった

この研究中で、日本の調味料のひとつ「酢」が取り上げられていて、非常に高い殺菌効果の化合物のランキングの上位(6位)に上がっていたことも特筆です。(正直日本の酢なのかは定かではありませんが・・)

① タバスコ(TAB
② グリコール酸(GLY
③ N-アセチルシステイン(NAC
④ クエン酸(CIT
⑤ 歯磨き粉(TOO
⑥ 酢(VIN

なお、この研究でわさびは取り上げられていないようでしたので、わさびが対象食材に含まれていたらひょっとすると上位ランキングが変わっていたかも知れません。

殺菌作用をみても、寿司飯に欠かせない酢とわさびの相性は抜群のようです。
日本人の生活の知恵は素晴らしいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA