歩きスマホ(マルチタスク)は認知能力と運動能力を低下させる

今回もスマホの話題です。

歩きスマホが社会的、道徳的に問題だとメディアでも取り上げられていますが、私は、歩きスマホをやめさせることもうすでに不可能だと考えています。

実際問題として、危険なのは事実ですし、他人に迷惑をかけることもあると思っていますので、私自身はできるだけ歩行中にスマホをいじったり、見つめないようにはしています。(私のスマホは移動中は音楽プレーヤーと化しています)

ただ、身体を診る仕事をしているので、歩きスマホは身体的(姿勢など)にとって良いことは一つも無いな、とは思っています。

しかし、ここでこれらの問題の是非を問うつもりはありません。

人の脳は、マルチタスクが苦手だというのはすでに科学的に分かっています。

特に視覚は、脳の処理量が最も多い情報なので、スマホの画面で文章など読むのはかなりの仕事量になるはずです。

そこに歩行という運動が追加され、歩行中の安全を確保するための能力も使う必要があるわけですから、脳はそれらをスキマ時間に高速でこなさなければならなくなります。

単純な作業の切り替えでも通常よりも脳は25%時間が多くかかり、複雑な作業の場合には100%以上多くかかるという研究報告もあります。

ですから、歩きスマホは緊急時に備えることが困難なため、事故が増えるという事になるのです。

と言うことを知っておいた上で、

今回ご紹介する記事は、スマホの操作中というのではなく携帯電話として電話中、階段の上り下りにて歩き方が通常とは異なった、という研究成果を紹介したいと思います。

面白いのは、この研究によって高齢者の転倒事故について予防に役立てられそうだと言うことでした。

携帯電話を使っての会話は、階段での歩行スタイルを変える

Medical Xress


ここからです。



マルチタスクをする若者は、携帯電話で話しながら階段を上り下りするときに、無意識のうちに歩く方法を変えている、という事が研究で分かった

研究者は、心身ともに健康な若年成人でさえ、典型的な携帯電話での会話をしながらでは、彼らは知らず知らずのうちに上り下りの歩調を調整していたことが観察できた。

8人の予備研究によると、携帯電話を使用しているときの動きは遅くなり、注意が分散した時に精神的負担が減少しただった。

研究者は、アプライド・エルゴノミク(Applied Ergonomic)誌に掲載された調査結果は、人々、特に身体が虚弱で脆弱な人々が、携帯電話を使用する際に足をつまずいたり、転倒したりする理由と、それを防ぐために貢献できると述べている。

階段による事故が英国だけでも、毎年300,000件報告されている。

ロンドンのキングス・カレッジの講師であり、主任研究者であるアイリーン・ディ・ジュリオ博士(Dr. Irene Di Giulio)は、次のように述べている。

「これらの予備研究の結果は、若く、健康で、認識力のある個人でも、階段を携帯電話で会話しながら歩くと、運動能力に測定可能な変化が生じることを示しています。」

「私たちが測定した重要な変化の程度は、運動能力の低下と一致しています。これらの発見は、運動(階段歩行)と認知(電話で話すこと)を統合することは若い参加者にであっても、とても困難であるという事実を説明しました。」

研究者は、参加者が2つの現実世界のタスク、いわゆる「ウォーク・アンド・トーク(歩きながらの会話)」を同時に実行する事に対して、どのように対処しているのかを調査したかったのです。」

電話での会話タスクは日常的な出来事であり、単に音楽を聴くよりも能動的であり、階段を上るのが困難になったとしても、参加者は会話を続けることを強いられる事になる。彼らが会話をしている相手は完全に別の環境に置かれた。

研究者は、一般的な階段の寸法に一致するマンチェスター・メトロポリタン大学のバイオメカニクス研究室で、若者が携帯電話で会話をしながら特別なステップを踏む行動を観察した。

その階段には両側に手すりがあったが、興味深いことに、参加者は誰もそれを使用することもなく、誰もつまずいたり、転倒することはなかった。

ジュリオ博士は、次のように述べている。

「これはサンプル数が少ない予備研究ですが、これらの若い参加者でさえ階段歩行に変化があることを発見したことに驚いています。」

「肉眼では分からない変化を測定するために、高精度の運動解析が採用しました。しかし、よりゆっくりと動くことは、歩行タスクと会話タスクの統合における潜在的なボトルネックを示しています。」

「これらの結果は、混雑した環境やエスカレーターなどで環境がより困難になった場合や、特に高齢者のような歩く速度が遅いなど、メンタルと運動能力が低下した場合を考慮する必要があります。」

筋骨格能力または認知能力、あるいはその両方が低下した場合、現在のデュアルタスクはより困難になるでしょう。」

「これは、メンタルと運動能力が徐々に低下する可能性のある高齢者、およびタスクの要求に関連して能力を正確に判断できない個人にとって特に重要な問題です。」

「高齢者は、健康な若い成人よりも同様の課題をより困難に感じます。転倒リスクの増加、電話での会話の影響、および基礎となるメカニズムを理解するために、特に不慣れな、急な、狭い、または照明の暗い階段を利用する場合など、実際の状況をより厳密にシミュレートする条件で、さらなる研究が必要だと考えています。」



ここまでです。

スマホだけでなく、携帯での電話中にも認知能力と運動能力の低下が見られたそうです。
歩きながらの電話は意外にも盲点だったかも知れません。

実際私も、たまに歩行中に電話がかかってくればそのまま電話に出ますし、立ち止まらず歩きながら会話はしてしまいます。

これを知ってからは、歩きながらの電話もできるだけ避け、特に階段での電話は若い人でもつまずいたり、転倒する事故になることもあるくらいですから、自分を過信せずより慎重に行動しようと思いました。

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