インフルエンザ予防接種と四十肩・五十肩との関係
新型コロナウイルスの感染者数は確かに出ていますが(検査をすれば当たり前)、その伸びも鈍化し、ここしばらくは緩やかな減少傾向が見えてきているようです。
そんなこともあってか、最近では、安倍総理の辞任を受けての自民党新総裁は誰になるかに焦点は移り、この記事執筆時には菅義偉(すがよしひで)内閣官房長官が選出されました。
まぁ、このブログで政治的なテーマは範囲外なので、話しをコロナに戻しますね。
さて、今日現在(9/16)感染者推移のグラフ(下図)を見てみましょう。
左の最初の波は4月から5月にかけての山があり、第2波は7月に始まり8月7日にピークを付けたあとは右下がりに降下し、完全にピークアウトしているように見えます。
死亡者の推移も見てみましょう。(全データを一画面で表示できなかったので画像を切り取り後、合成しています)
こちらも第1波と比べて、第2波は少なくしかも減少傾向が見られます。
・NHK特設サイト 新型コロナウイルス
個人的には、ウイルスの変異もあって弱毒化が進行していて、すでに新型コロナウイルスは収束(終息ではなく)に向かっているのではないかと見ていますが、みなさんはどうお思いになりますでしょうか?
しかし、世界的にはまだ流行は進行中のようです。
政府もこれから季節性インフルエンザの流行と合わせ新型コロナウイルスの次の大流行を懸念しているようです。
そんな中、9/14のYahoo!ニュースで以下のようなニュースを読みました。
・インフルエンザの予防接種を受けた人はコロナの重症化リスクが低い可能性
- インフルワクチン接種率の高い地域では新型コロナ死亡率が低い
高齢者の予防接種率が高い郡では、新型コロナウイルス感染症による死亡リスクが低いことが示されました。予防接種率が10%上昇するごとに、死亡率は28%低下しており、いくつか条件を変えて分析しても、この関係は強固だった。
そこで、厚労省もリスクの高い人からインフルエンザ予防接種をするように呼びかけていますが、ワクチン不足も懸念され、「季節性インフルエンザワクチン接種時期ご協力のお願い」という文書を公表しています。
と、ここまでインフルエンザ予防接種を受けることを勧めるような事を書いてきましたが、
私自身は、インフルエンザ予防接種だけでなくワクチン全体に対して懐疑的に捉えています。
たとえば、以前このような記事を書いています。
・小児期にインフルエンザにかかることがその後の免疫力に影響する(2020/01/13)
小児期にインフルエンザにかかることがその後の免疫力に影響する
乳幼児にワクチンを打つのは、その子の将来の免疫獲得の機会を奪ってしまうことにもなりかねないからです。
健康な大人にしてあげたければ、「可愛い子には旅をさせろ」ではなく、「可愛い子には軽い病気にたくさん罹らせろ」といったところでしょうか。
・インフルエンザの予防接種でインフルエンザを予防できない理由(2019/10/25)
インフルエンザの予防接種でインフルエンザを予防できない理由
インフルエンザは普通の人にとってはなんら怖い病気ではなく、発症したということは、普段よりも体力・免疫力が落ちていたわけですから、その体力・免疫力が落ちてしまった生活を改める必要がある、と知らせてくれているわけです。
さて、今回ご紹介したい記事は、そのインフルエンザ予防接種と肩関節周囲炎いわゆる四十肩とか五十肩との関連性を示した研究記事です。
コホート研究によると、インフルエンザワクチンは三角筋下滑液包炎のリスク増加に関連していることが分かった
・Flu Vaccine: Cohort Study Shows That Influenza Vaccine Linked To Increased Risk Of Subdeltoid Bursitis
Thailand Medical News(2020/06/23)
ここからです。
インフルエンザワクチン接種は、以前から臨床報告によって関連づけられていたとされる、関節下滑液包炎のリスクと少なからず関連していることが、新しい大規模なコホート研究によって示された。
研究結果はアナルズ・オブ・インターナル・メディシン(Annals of Internal Medicine:米国内科学会発行)に掲載された。
しかし、研究者らは、適切な注射技術に関する教育とトレーニングを行うことで、この有害事象を防ぐことができると述べた。実際、注射技術は、ワクチン関連の滑液包炎のリスクを制限するための鍵となるかもしれない。
滑液包炎は,滑液包の急性または慢性の炎症である。原因は通常不明であるが,外傷(反復性または急性)が一因となることがあり,同様に感染症および結晶誘発性の疾患も一因となりうる。症状としては,疼痛(特に動作または圧迫に伴う),腫脹,圧痛などがある。診断は通常,臨床的に行うが,深部の滑液包を評価するために超音波検査が必要になることがある。感染症および結晶誘発性の疾患の診断には滑液の分析が必要である。治療法としては,副子固定やNSAIDのほか,ときにコルチコステロイド注射,基礎にある原因の治療などがある。
参考)MSDマニュアル
一般的にインフルエンザは、重症化する可能性があり、入院や場合によっては死に至る可能性のある、潜在的に深刻な疾患だ。年に一度の季節性インフルエンザワクチンは、インフルエンザから身を守るのに最良の方法だ。
ワクチン接種は、インフルエンザによる病気のリスク、入院、さらには子供のインフルエンザ関連の死亡リスクを減らすなど、多くの利点があることが示されている。
三角筋下滑液包炎は、肩の痛みと可動性の低下を特徴とし、アメリカの人口の約1%に発生し、通常は外傷が原因だ。
2012年に、医学研究所のレポートは、ワクチンの注射と三角筋下滑液包炎の間の因果関係を支持する証拠があると結論づけたが、この関係の疫学的証拠が不足していた。
米国疾病対策予防センター(CDC)の医学研究者らは、インフルエンザ予防接種後の三角筋下滑液包炎のリスクを推定するために、7つの米国医療機関の1,020万人の健康遭遇データを含むワクチン安全性データリンクのデータを調査した。
分析に含まれたワクチン接種を受けた約294万人のうち、リスク期間では16症例と対照期間において発症した51症例を発見した。危険度は、ワクチン接種者100万人あたり滑液包炎の追加発症が7.78例となった。
エモリー大学医学部とペンシルベニア大学の医学研究者は、ワクチン接種技術は以前の研究と同様に、この研究でも共通のテーマであるようだと指摘している。
注射針を正確な場所にかつ適切な深さへ打つことの二つが重要だ。したがって、(注射を打つ)技術の向上は、予防接種を受けている人たちが、このような副作用をなくすのに役立つだろう。
ここまでです
インフルエンザ予防接種をしたからといって四十肩にかならずなるという訳でもなく、そのリスクも大きいとは言えないようです。
ですので、これをもって受けない方がいいとは言いづらいのですが、しかしメリットとデメリットは知った上で、受けて頂きたいと思います。
それとですね、注射をする側の人の技術の善し悪しって、ものすごく大きな差があるように思います。
注射の上手い人にやってもらうとほとんど痛みを感じにくく、下手な人にあたると結構痛いですよね。
私は以前(1995-2003)、中国に住んでいたことがあるのですが、一般的に中国人の看護婦さんは注射がとても上手なんだと思いました。
中国では、子どもが熱を出したり、お腹を下すと、すぐに注射や点滴をされるのですね。もちろん注射は怖がりますが、注射をされてもあまり痛くないのか、ケロッとしている子どもが多かったです。
うちの子が小さい時に中国の病院で点滴をしたことがありました。乳児のあんな細い腕にある静脈を的確に見付けて、迷うことなく一発で針を刺せるんですね。(すごくて感心するほどです!)
ところが、二人目の子が日本で予防接種?点滴?(何か忘れましたが)を受ける時、その看護師さんが下手で下手で・・・。何度も針を刺すので、それを見ていた私の奥さんが心が辛くて、自分も泣いてしまった・・というのを後になって聞いた事がありました。
その差は恐らく、経験数なんだと思います。
とにかく、中国はメチャクチャ人が多いので、いつでも病院の待合室には人があふれている状態で、狭い部屋にベッドもギュウギュウ詰めでした。(見たことの無い人にはなかなか想像できないかも知れません)
こんな環境ですから、中国人の看護婦さんはアッという間に注射に関しては超ベテランになるんじゃないかな、と思いました。
もう20年以上前の話なので、今の中国は変わっているかもしれませんが。
それにしても、技術の向上にはやっぱり練習(いや実践の数か・・・)が不可欠なんだと。
良いか悪いか別にして、日本では、注射はあまりやらなくなりましたからね・・・。