目覚めのコーヒーより朝食後のコーヒーが肥満・糖尿病などの代謝異常を防ぐ

コーヒー・・・カフェインは嗜好品の中でも、世界中で最も多く消費されている飲み物だと思います。

なかなかやめることができないほどの中毒性も持っています。

なのであなたも、ひょっとしてコーヒーを飲まないなんて考えられないほどのカフェイン中毒者かも知れませんね。

私も、仕事など集中力の必要な時(いや、リラックスする時でも)には、飲まないといられない気分になるので、多分カフェイン中毒なんだと思います。

カフェインと健康については、カフェインがガンや高血圧や心血管系など病気のリスクと関連していることは、以前の研究でも明らかにされています。

しかしそれは大量のカフェインを摂取した場合であり、適度なカフェインであれば逆に健康効果を高めることも分かってきているのですね。

以前の私のブログでも以下のような記事を書いたことがあります。

コーヒーは健康に悪いのか、それとも良いのか?(2019/07/29)

コーヒーは健康に悪いのか、それとも良いのか?

コーヒーが肥満や糖尿病を防止する・・・かも知れない(2019/08/09)

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また、コーヒーには、眠気を弱めるだけでなく、やる気というか集中力を高めますので、私としてはやめられない理由にもなっています。

さらに私の場合は、その日の体調によって味の感じ方が違ったりするので、体調管理の指標としても重宝しています。

コーヒーは集中力を高め味覚を変えるが、創造性のある仕事の助けにはならない(2020/05/05)

コーヒーは集中力を高め味覚を変えるが、創造性のある仕事の助けにはならない

というわけで今回もコーヒーを取り上げました。

今回は、コーヒーを飲むタイミングについてです。

目覚めのコーヒーより朝食後のコーヒーが代謝をよりコントロールすることが分かったという記事です。

つまり、血糖値を上げにくく肥満や糖尿病になりにくいということのようです。

より良い代謝コントロールのためには、コーヒーを飲むのは朝食前より朝食後

Drink Coffee After Breakfast, Not Before, for Better Metabolic Control
 Neuroscience News(2020/09/30)



ここからです。


要約:睡眠不足は代謝にある程度の影響を与えるが、起床直後にコーヒーを飲むと血糖をコントロールする機能に悪影響を及ぼす可能性がある。朝食前に飲む、濃いブラックコーヒーは、食物に対する血糖反応を50%増加させた。

 新しい研究によると、目覚めの悪い朝に、あなたを目覚めさせるための濃いブラックコーヒーは、血糖値のコントロールを損なう可能性がある事が分かった。

 英バース大学の栄養・運動・代謝センターの研究では、広範囲なさまざまな代謝マーカーを活用し、睡眠不足と朝コーヒーの効果を調査した。

 英栄養学の学術誌(British Journal of Nutrition)に書いている科学者たちは、晩の睡眠不足が私たちの代謝に限定的な影響を与える一方で、眠りからあなたを元気づける方法としてコーヒーを飲むことは、血糖(砂糖)コントロールに負の影響を与える可能性があることを示している。

 糖尿病や心臓病などのリスクを減らすために安全な範囲内で血糖値を維持することの重要性を考えると、これらの結果は、特にコーヒーの世界的な人気を考慮すると、「広範囲にわたる」健康への影響をもたらす可能性があると言える。

 彼らの研究のために、バース大学の生理学者たちは、29人の健康な男女に、ランダムな順序で3種類の異なる一晩限りの実験を受けさせた。

  • 1つ目のグループは、参加者には通常の睡眠をとらせ、朝の起床時に糖分の多い飲み物を与えられた。
  • 2つめのグループは、参加者には睡眠の乱れ(研究者によって1時間ごとに5分間起こされるという)を経験させられ、起床時に同じように糖分の多い甘い飲み物を与えられた。
  • 3つめのグループは、参加者は同じ睡眠の乱れ(一晩中起こされる)を経験したが、このグループは、糖分の多い甘い飲み物を飲む30分前に、まず濃いブラックコーヒーが与えられた。

 これらの各テストでは、朝食に通常消費されるものと同じエネルギー量(カロリー)であるブドウ糖飲料を飲んだ後に、参加者の血液サンプルを採取した。

 この研究では、通常の睡眠と比較して、一晩の睡眠障害では、朝食時の血糖/インスリン反応は悪化させなかったことが明らかになった。

 過去の研究では、1泊または複数泊で長時間の睡眠不足は、代謝に悪影響を及ぼすことが示唆されていたが、一晩のみの断片的な睡眠(不眠症、騒音障害、新生児などによる妨害)程度では、同じ影響がないことが分かったのは心強い。

 しかし、朝食前に濃いブラックコーヒーを飲むと、朝食に対する血糖反応が約50%も実質的に上昇した。

 人口レベルの調査では、コーヒーが健康に関連している可能性があることが示されているが、過去の研究では、カフェインがインスリン抵抗性を引き起こす可能性があることが実証されている。

 したがって、この新しい研究は、睡眠不足の朝にコーヒーを飲むという一般的な対策は、眠気を感じる問題を解決するかもしれないが、朝食に含まれる砂糖を許容するあなたの体の能力を制限することで、別の方法を生み出す可能性があることを明らかにしている。

 バース大学のジェームズ・ベッツ(James Betts)教授は次のように説明する。

 「私たちのほぼ半数が朝起き、何か他のことをする前に、コーヒーを飲むことを知っています。直感的に、私たちが感じる疲れが大きければ大きいほど、コーヒーは濃くなります。この研究は重要であり、これまで私たちの体に何が起こっているのか、特に代謝と血糖の制御についての知識が限られていたため、はるかに広範な健康への影響があるでしょう。」

 「簡単に言えば、私たちの体が最初に接触するのがコーヒーである場合、特に睡眠不足の夜の後であれば、血糖コントロールが損なわれます。それでもコーヒーが必要だと感じたら、まず最初に朝食をとり、食後にコーヒーを飲むことでこれを改善することができます。これを知ったことで、私たちに重要な健康上の利益をもたらすことでしょう。」

 バース保健省のハリー・スミス(Harry Smith)主任研究員は、次のように付け加えた。

 「これらの結果は、1晩の睡眠障害だけでは、通常の睡眠の夜と比較して、参加者の血糖/インスリン反応を悪化させなかったことを示しています。これは多くの私たちにとって心強いでしょう。しかし、寝不足の朝の起床後すぐの濃いコーヒーは、糖代謝に約50%の悪影響がありました。」

 「このように、朝のカフェイン入りのコーヒーの潜在的な刺激効果と血糖値が高くなる可能性とのバランスをとる必要があり、朝食前ではなく、朝食後にコーヒーを飲む法が良いでしょう。」

 「睡眠の代謝への影響については、まだまだ学ぶべき事が多いです。代謝を損なうにはどの程度の睡眠の乱れが必要なのか、長期的にはどのような意味合いがあるのか、また、例えば運動はどのようにしてこれに対抗するのに役立つか、などです。」

出典)British Journal of Nutrition


ここまでです。

睡眠障害の中でも睡眠不足を感じている日本人の成人の割合は20%を越えていると言われ、最近では睡眠負債という言葉も一般的になってきました。

睡眠は健康にとって必須ですが、睡眠障害を抱えるようになると心身の問題を引き起こします。

軽い気分障害などから精神疾患へと発展することがあるので要注意です。

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また、不眠症の人はたった一晩睡眠を取らなかった(取れなかった)場合、そのダメージは2倍になるという研究もあります。

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睡眠もこのブログにとって大きなテーマとなっています。

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