左利きは「芸術家タイプ」って本当?
あなたは、右利きそれとも左利き?
よく左利きの人は、芸術的なセンスがあるという話しを聞いたことは無いでしょうか?
残念(?)ながら私も含め、私の両親、家族すべてが右利きです。ですから、いたって普通の家族ですね。
もちろん、私の周りにも普通に生まれつき左利きの人がいます。しかし大抵は、親から「左利きは行儀が悪い」とかいわれて小さい内に直された記憶のある方がほとんどです。
私たちの社会は右利きの人が多数派であり、右利きの人が使いやすいように道具も進化してきました。
ですから、左利きの人にはちょっと生活しづらく感じている人もいるかも知れません。
たとえば普通の(つまり右利きの人が使いやすい)ハサミなどは、左利きの人が使っても良く切れません。
よく見かける、自動販売機の硬貨を入れる口も右側にありますし、駅の自動改札口なども右利きの人が使うのを前提に作られているので、左利きの人の場合、右手に持ち替えなければ通過できません。
普段、私たちが何気なく使っているものも、左利きの人向けには設計されていないので、きっと不便を感じながらも仕方が無いと、諦めているのではないかと思います。
世の中の左利きの割合は?
それでは、世の中に左利きの人がどれくらいいるのかご存じでしょうか?
地球に住む人口全体の約10%なんだそうです。
しかも、国や地域によって割合が変わることもなく、ほぼ一定なんですって。
そんなこと今まであまり考えたことなどありませんでした。
以下の記事の中には動画へのリンク(Youtube)も貼られていましたので、こちらにもリンクしておきます。
「左利きの人がいる理由 ― ダニエル M. エイブラムス(Why are some people lefty-handed)」
*TED-edの動画ですので、非常に分かりやすく説明されていると思います。
英語版ですが、日本語字幕つきで5分程度の短い動画ですから気軽に視聴できます。
私は「へぇ、そうなんだ・・・」と興味深く視聴させて頂きました。
それでは、記事本文です。
左利きだからといって、右脳タイプであるということを意味しません。
左利きであることの意味と、それが誰かのタイプを変えるかどうかについて多くの説がありました。しかも利き手についての神話は年々現れていますが、未だに謎のままです。
では、なぜ左利きの人がいるのか? 私たちには、まだ完全には分かっていません。
私たちが分かっていることは、左利きの人は世界中に約10%だけいるのですが、これは男女間で平等ではなく、男性の約12パーセントが左利きに対し、女性は約8パーセントです。一部の人々は、この9対1の割合に興奮し、なぜ私たち全員が右利きではないのかについて、疑問に思っています。しかし、興味深い質問は、なぜ私たちの利き手は偶然に基づいていないのか?なぜ、半々とならないのか?言語が右から左に書かれる国では左利きが優勢になるはずですが、そうではありません。遺伝学でさえ奇妙です。左利きの両親の子供でさえもわずか約25%だけが左利きなのです。
左利きであることは、あらゆる種類の悪いことと関連しています。たとえば、健康状態の悪化と早期死亡はしばしば関連付けられますが、どちらも正確ではありません。後者は、古い世代の多くの人々が右手に切り替えて使用することを余儀なくされていることによって説明されています。これにより、高齢者ほど左利きの人が少ないようにみえます。前者は、魅力的な見出しであるにもかかわらず、間違っています。
左利きのほとんどが「右脳」を使用しているため、左利きの人はより創造的であると言います。これはおそらく、利き手と脳に関するより根強く信じられている説の1つでしょう。
私たちの誰もが、自分の個性と意思決定を定義するのは「どちらかの脳側」を使用するからだ、という一般的な考え方は間違っている。脳の側性化*と利き手
しかし、脳の右半球が体の左側を制御し、左半球が右側を制御すること、そして実際に半球に特殊性があることは間違いありません。
たとえば、通常、言語は多少なりとも左脳側で処理され、顔の認識は少なくとも右脳側で処理されます。それぞれの半球がいくつかのスキルに特化されているというこの考え方は、脳側性化として知られています。しかし、脳梁と呼ばれる神経線維の太い帯が両側を接続しているため、片側のみ孤立しては機能しない。*脳の側性化:
大脳は大脳縦裂(大脳縦隔)と呼ばれる深い溝で左右の大脳半球に分かれ、その間は脳梁などで繋がっています。
体性感覚や運動中枢などは左右の脳に機能の差はありませんが、一般的には(右利きの場合)、「言語や文字、単語、書字、計算などの言語性操作」は左脳優先です。
一方、「音楽や非言語的環境音、顔などのような複雑な幾何学パターンの認識などの心像性操作」は右脳優先です。このように、特定の知的活動は主に左右いずれかの脳で行われる事を「脳の側性化」と呼びます。1981年にノーベル生理学医学賞を受賞したアメリカの神経科学者であるSperry,R.W.(スペリー)が、分離脳患者の研究で大脳半球の機能差を明らかしました。(分離脳とは、てんかん治療のため大脳半球間を連絡する脳梁などの交連繊維が切断された脳の状態)
参考:「心理学用語の学習」より
興味深いことに、右利きと左利きの間にこれらの専門分野でいくつかの知られている違いがあります。
たとえば、右利きの約95%が「左半球優位」であるとよく言われます。これは、上記の「左脳」の主張とは異なり、実際には、ほとんどの右利きの人が音声と言語について左半球に依存しているという初期の発見を指します。左利きの場合は逆のことが当てはまると想定されていました。しかし、実際には、左利きの70%は左半球で言語をより多く処理しているが、この数が逆転するのではなく、なぜ低いのかについてはまだわかっていない。研究者は、言語に加えて他の多くの脳の専門分野、または「非対称性」を発見した。これらの多くは、右半球(少なくともほとんどの右利きの人)に特化しており、顔の処理、空間スキル、感情の認識などが含まれる。しかし、これらはすべて未研究であり、おそらく科学者は、すべてが各人の言語にとって支配的ではない半球にいることに依存していると誤って仮定したためだ。
実際、この仮定に加えて、少数の左利きの人が言語に対して、稀に右半球側に脳支配を持っているという認識が有るため、左利きの人は無視されるか、さらに悪いことにあえて積極的に避けていることを意味します。 言語と同様に、他のすべての非対称性が削減されます。
これらの機能の一部が脳内でどのように左右される(分化される)かは、実際に私たちが物事をどのように知覚するかに影響するため、単純な知覚テストを使用して調査しました。顔の半分が1つの感情を示し、残りの半分が異なる感情を示すように構築された顔写真を多数用意し、右利きと左利きのひとにそれぞれ見せた。
通常、顔の左側に感情が表されていれば、右半球の専門性が反映していると考えられています。これは、視覚フィールドが空間の左側に偏りがあるように処理されるという事実に関連しています。これは、右半球の処理を表すと考えられ、空間の右側へのバイアスは左半球の処理を表すと考えられます。さらに、他の専門性の分化を検討するために、さまざまなタイプの写真と音声を提示しました。
調査結果は、顔の処理を含むいくつかの種類の分化は、言語に見られる興味深いパターンに従っているように見えた。つまり、左利きの人の多くは、顔の右側に示される感情を好むように思われた。しかし、私たちが注意を払うべきものの偏りに注目した別のタスクでは、右利きの人と左利きの人の脳処理パターンに違いは見られなかった。この結果は、利き手といくつかの脳の専門性との間に関係があるが、他にはないことを示唆している。
左利きの人は右利きの人と何が違うのかを知ることは、脳の長年にわたる神経心理学的な謎の多くを最終的に解決するのに役立つだろう。
ここまで
まとめ
少し分かりにくい日本語訳なってしまいましたが、意味するところはなんとなく理解して頂けるのではないかと思います。
以前私もサラリーマン時代に、ビジネス電話は受話器を右耳で聞いた方がすんなり理解でき、論理的に受け答えができるので、電話機は右側においた方がよい、など研修で指導された事もありました。
理由は、「右耳に入った音声は左脳で処理できるので論理的な会話ができるから」
実際、私の場合、右耳と左耳では感覚として、差があった、と思っています。
そのことで今改めて気がつきましたが、こうしてPCで作業しているわけですが、意図せず電話機は私の右側に置いてありました。
これも、昔研修を受けた記憶が残っている・・・(いや多分違うと思いますが)
そうそう、私たち身体の歪み方もある程度決まったパターンがあります。
これなども、私たちの生活に根ざす右利き社会が生み出した産物なのではないかと個人的に思っております。