グルコサミンやコンドロイチンを飲むより「ウコン」が膝の痛みに効くかも知れない

コンドロイチン・グルコサミンと聞いて、ピンとくる人はおそらく中高年に達している可能性が高いでしょう。

もうすでに、私も飲んでいるという方は、きっと膝痛などで悩んでいると思います。

膝痛の原因は軟骨が加齢や使いすぎで摩耗しているから、それを補うサプリメントを飲むのが良いだろうと思っていませんか?

確かに年齢ととも身体の水分量などが減少し、膝関節の軟骨や背骨の椎間板が縮んで来るため弾力性や滑動性(すべり)が悪くなります。
そこに体重や運動等の負荷が続く結果、軟骨が削れたり、割れたりした軟骨のカスが、潤滑油の役をしている関節液に流れだして炎症を起こします。

身体はこの炎症を抑えようとして働きますが、それと同時に痛みも引き起こすことになるのです。

確かにこれが膝痛の原因のひとつとは考えられます。

そこで、軟骨を再生させる目的で、この成分であるコンドロイチンやグルコサミンを補うというのは、理にかなっているように思われるのはある意味仕方がないことなのかも知れません。

ただ、飲んだその成分がその痛みの有る部位の軟骨を再生させているかは、医学的には認められていません。

なので、飲んだサプリメントは効いているのかもしれないが、おそらくほとんどは別の所に蓄えられ、もしくは他の働きによって消費されてしまい、再生して欲しい部分には行き渡っていない可能性が高そうです。

そこで、膝痛で悩まれている方には朗報になるかも知れない最近の研究報告について紹介してみたいと思います。

ところで、みなさんはお酒をよく飲まれますか?

お酒を良く飲む方であれば、「ウコン」というのを良くご存じだと思います。

ウコンは肝臓に良いと言われ、二日酔いしにくいということで飲み会前には必ず飲んでいるというお父さんも多いかも知れません。

ちなみに、私は以前、ウコン同様に肝臓にも良いと言われる「プラセンタ」を愛飲していました。

女性であれば「美容」のために飲んでいる方もいるでしょうね。
ちょっと独特なクセのある匂いがするので、その匂いが苦手な人もいるかも、ですね。

いや、すみません・・話しをウコンに戻します。

そんなウコンには、

・抗菌作用
・鎮痛作用
・胆汁分泌促進作用
・血圧降下作用
・子宮収縮作用
・コレステロール分解作用
・抗腫瘍作用
・胃腸管系作用

 

などの効果が有ることが分かってきました。

ウコンには、鎮痛作用だけでなく、抗炎症作用もあるので、それらの作用によって膝の腫れや痛みに効いているのでしょう。

 

これらの鎮痛作用や、抗炎症作用は全身に対して行われるので、冒頭に書いたように痛みのある部位の軟骨を再生するのとは機序がまったく異なっているからだと思われます。

変形性膝関節症の痛みにプラセボよりも効果的なウコンサプリメント


Turmeric Supplement More Effective Than Placebo for Osteoarthritis Knee Pain
 Neuroscience News(2020/09/14)



ここからです。


ウコンの抽出物は、変形性膝関節症の痛みを軽減するのに、プラセボよりも効果的である。抽出物に12週間さらされた患者は、プラセボを服用していた人よりも痛みが少ないことを報告した。

 一般的にウコンとして知られているクルクミン(CL)の抽出物は、変形性膝関節症患者の膝の痛みを軽減するのにプラセボよりも効果的である事が明らかになった。しかし、CLは変形性膝関節症の構造的側面、例えばMRIを使用して評価された腫れや軟骨組成には影響を与えなかった。

 無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果は、Annals of Internal Medicineに掲載された。


 その大きな疾患負担にもかかわらず、現在、変形性関節症の治療に使用できる承認済みの疾患修飾薬はない。

 (訳注:疾患修飾薬(disease modifying drug)とは、疾患の再発率を抑制したり,進行を遅らせたりする作用をもった薬剤のこと。)

 アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬のような一般的な治療法は、軽度から中程度の効果しかなく、有害事象に関連している。このように、変形性関節症を治療するためのより安全で効果的な薬剤が緊急に必要とされている。

 (訳注:有害事象とは、治験薬や医薬品などの薬物を投与された被験者・患者に生じる、薬物の投与と時間的に関連した、好ましくないまたは意図しないあらゆる医療上の事柄のこと。)

 オーストラリアのタスマニア大学の研究者らは、変形性膝関節症の症状があり、超音波検査で関節包内に水の溜まっている(膝関節内の腫れ)と認められた参加者70人を選び、無作為に1日2カプセルのCL(36人)またはプラセボ(34人)のグループに分けた。

 12週間にわたり、膝の症状と関節の腫れを軽減するためのCLの有効性を判断した。痛みの変化と膝滲出液の量の変化は、12週間の間にそれぞれ標準化された質問票とMRIで評価された。

 研究者たちはまた、軟骨組成の変化、鎮痛薬の使用、生活の質、身体能力の測定、および有害事象についても調べた。

 12週間後、ウコンのサプリメントを服用した患者は、プラセボ群に比べて痛みが少なく、有害事象もなかったと報告した。さらに、ウコンのグループの参加者は、プラセボグループの参加者と比較して、鎮痛薬の消費量が少なかった。また、変形性膝関節症の構造的側面における両者間に差は無かった。

 研究者は、ウコン抽出物の膝痛に対する効果が控えめであること、研究のサンプルサイズが小さいこと、追跡期間が短いこと、単独の研究センターのみであることから、研究結果の臨床的意義を評価するためには、より大きなサンプルサイズとより長期な追跡期間を有する多施設試験が必要であることを提言した。


ここまでです。

 

カレーに多く使われるターメリックがウコンと同じものです。

そうであれば、カレーを日常的に食べるインドなどの国の人には膝痛を訴える人は多くないのか?

という疑問が湧いてきました。

今のところインドの実情は知り得ていませんが、多種類スパイスを効かせるカレー等が健康に寄与していることが分かったら、このブログでも紹介することができるかも知れません。

それまでアンテナを張っておくことにしましょう。

気休めの軟骨成分を補うサプリメント、グルコサミンやコンドロイチンよりも余程効果が有るかも知れませんので試されてはいかがでしょう?

気休めと書きましたが、プラセボ効果はとても強力だと思っています。
なんら健康に害することなく治ってしまうのですから、上手に活用することが出来れば医療費の減少に大きく貢献できるはずです。

まぁ、逆プラセボというものもあるので人間の心を扱う事の難しさを感じますが。

プラセボは「心」と「体」の関係性をつなぐ新たな科学になる可能性(2020/08/07)

プラセボは「心」と「体」の関係性をつなぐ新たな科学になる可能性


ただし、ウコンの摂りすぎは健康を害するようです。服用されようと考えている方は注意されるようお願い致します。

参考に以下のリンクを貼っておきます。

サプリメントについての注意などが書かれています。

日本医師会HP

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