『良い姿勢・悪い姿勢』とは?
【身体に負担を掛けない姿勢】を良い姿勢とします
■ 良い姿勢・正しい姿勢
良い姿勢、正しい姿勢というのはいくつもの考え方があります。
そもそも何を持って良い、正しいというのかは状況や目的によって変化します。
そこで当院では、【良い姿勢】というものを【身体に負担を掛けない姿勢】と定義します。
実のところ、【良い姿勢】【正しい姿勢】というのに正解はありません。
あることをするにはそれが良い姿勢であっても、その良いと言われる姿勢のまま別のことをやるには不適切な場合があるということです。
何をやるにしても、あくまで身体を壊さない【身体に負担を掛けない姿勢】を【良い姿勢】とします。
また人それぞれ体格やクセなどにも違いがあります、ですからひとり一人、少しですが違いがあるということを知っておいてください。
良い姿勢は良い道具を手に入れるということ
■ 姿勢というものを道具として考える
例として、包丁の話しをしましょう。
包丁はみなさん知っているとおり料理の道具です。料理に合わせて食材を切る道具なわけですが、切り方にも様々な切り方があり、また食材によっても包丁を使い分けたりします。
私は料理に関して全くの素人なので、ほとんどは万能包丁が1本あれば事足ります。しかしプロの料理人になれば、たくさん種類のある包丁の中から、食材やその加工方法に合わせて適切な包丁を使っていると思います。
つまり姿勢というのは、この包丁のように、その時の状況や目的に合わせて変えたり使い方を変えて使いこなすことで、より美しく、より疲れない、効率のよい身体の使い方をするための条件となるわけです。
たしかに素人であれば、たくさんある姿勢を使いこなすのは難しいでしょう。
しかしプロになればなるほど、沢山ある姿勢の中から、より正確で速く動くことが出来、力強く、美しいものを選択していく必要があるのです。
骨で立ち、骨で座る
■ 身体を支える骨で立つこと、座る事が大事
安定して立つ姿勢、疲れないように座る姿勢を手に入れるには、骨で身体を支え、筋肉で安定を得ることです。
身体を骨で支えることが出来なければ、その働きを筋肉が代用しなければなりません。しかし筋肉にその機能はありません。当然無理な事をさせている訳ですから、筋肉が壊れるのは時間の問題です。
このようにして、本来ならば骨が働くところを筋肉が骨の代わりに働けば、負担が掛かっているところから徐々に壊れ始め、結局は骨にまでその被害が拡大していく事になります。筋肉が壊れれば、痛みとして感じられます。筋肉は負担がなくなれば、回復しますが、残念ながら骨は変形すれば、もう自分の力で元の形に戻すことはできないのです。
身体の変化は遅くて早い
■ 身体は時間を掛けて変化するが、悪化するのは早い
なぜなら、悪化するのはそのほうが身体が楽だと感じるから、でも「楽あれば苦あり」はこの世の理。
身体は長い時間を掛けて変化していきます。無理(でも楽だと頭で思っています)な姿勢を長い時間続ければ、次第にその姿勢が普段の姿勢になってくるのです。
その崩れてしまった普段の姿勢が、日常の動作にも影響を及ぼし、痛みやしびれなどの自覚症状につながるのです。そして一旦崩れた姿勢は、元に戻さない限り、症状の悪化を招きます。
姿勢は意識である
■ 姿勢を保つためには意識する
良い姿勢を保ち続けるのは確かに大変です。自分の姿勢が崩れてきたのなら、「崩れた」というその自覚がとても大事です。
自覚したらすぐに良い姿勢に戻すようにしてください。それだけでも、変化が現れます。
そのためには、【良い姿勢】を身に付けて、いつでもリセットできるようにしておくことです。