『猫背を改善』するには

猫背を改善するには

長時間のパソコン作業などで、ついつい猫背になったりしていませんか?
意識して背筋を伸ばしても、気付けばまた元通りの姿勢に。そんな姿勢が長く続けば、肩はカチカチ、首も痛くなってきますよね?
今回はこの猫背を改善する方法をご紹介致します。

■ そもそも猫背とは?

朝日新聞朝刊2016/06/12

 

大人の正常な背骨の形は首と腰の部分がやや前に前わんし、胸の部分が少し後に後わんし、全体的にはゆるやかにS字状にわん曲しています。

一方猫背の人は胸の部分が深く曲がっています。人のからだは全体で重心のバランスを保とうとするので、腹が前に出るなどして、さらに姿勢が悪くなります

上の図は代表的な猫背ですが、ほかにも以下のような猫背のタイプがあります。

① 首猫背:頭が前に行くタイプ
② 背中猫背:上の図のように背中の上の方が丸くなるタイプ(一般的に言われる猫背)
③ 腰猫背:腰の前弯が少なく、背中の下(腰のあたり)が後ろに丸くなるタイプ
④ 腹猫背:腰の反りが強く、お腹が前に突き出たタイプ
⑤ 尻猫背:お尻が突き出ているように見えるタイプ(別名出っ尻タイプ)

これらのタイプ別猫背の原因と対策は、いずれ別記事で書いてみようと思います。

■ その原因は

原因は人それぞれですが、長時間のパソコンや、下を向いて手元のスマホを見続ける、などが要因の一つとしてあげられます。

また加齢もそのひとつと考えられます。特に女性に多いことが知られていますが、これは、男性に比べ女性は筋肉量が少ないことも要因のひとつです。

■「たかが猫背」が様々な不調の要因に

猫背の人は、肩こりや首の痛み、腰痛や背中の痛みに悩んでいる方が多いと思いますが、この猫背を放っておくと、食道や胃が圧迫され、機能が落ちる恐れがあります。

また、肺も圧迫されるので、呼吸が浅くなり、全身に必要な酸素供給が減少し、様々な身体の不調の原因にもなるなど軽視できません。

■ きれいな姿勢と良い姿勢は違います

背中を丸めないように腰を反らせる人がいますが、「きれいな姿勢」と「良い姿勢」を勘違いしている人が多いです。

腰を反らしても猫背の根本的な解決にならないばかりか、さらに腰痛を引き起こす原因になります。

■ 猫背解消ストレッチ(キャットレッチ)

それでは、猫背を改善するストレッチ体操を紹介しましょう。

例ではイスに座った体操を掲載しましたが、立位で行っても良いでしょう。

一日20回程度を目安に、1時間作業をしたら2回やるなど、まとめて20回ではなく、こまめにやるようにしましょう。
動作は出来るだけ正確に、ゆっくり行って下さい。

毎日続ける事で、猫背も徐々に改善し、肩こりなどが起こりにくくなるだけでなく、腰痛などにも効果があります。

まず、イスの正座(立ち座)の姿勢を作ります。
※イスの正座の記事はここにあります。

  

両腕を腰に回し、手のひらを上にして両手指を組みます。

真ん中の写真の手の部分を拡大したのが、下側の写真です。

 

両肩を後下方に引っ張り、左右の肩甲骨を出来るだけ寄せます。
肩甲骨の間にキュウリを挟んでつぶすイメージです。

下の拡大写真のように、肩甲骨の間にシワができます。
※この時、両肩が上がっていたり、前に行っていると肩を痛めることがありますので、注意して行って下さい。

下の写真のように、口をすぼめ、ゆっくりと息を吐きながら顔を上げます。
※もし、首が痛むようであれば、この動作は行わないで下さい。

胸を広げ、お腹は凹ませるようにします。
腰を強く反ることはしないで下さい。腰を痛める恐れがあります。

息を吐き切ったら、ゆっくり頭を元の位置にもどし、それから肩甲骨を緩めます。

体操中は、良い座り姿勢を崩さないことが大事です。

※初掲「いやさか通信」2016年7月号&8月号より(一部文章訂正・追加しました)

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