『どこを診て何を治せば良いのか?』② ~治療法・骨格・筋肉系編~

 

どのように治療していくかについてお話ししていきましょう。

■骨格系の治療で身体を治りやすくする

当院では、身体の構造を正常な状態にするために、2つの身体システムへのアプローチをしています。

【① 骨格系(脊椎、骨盤、関節など)】
【② 筋肉系(筋肉、筋膜、靱帯など)】

①の骨格系は、その名の通り骨の並びの不正常を正し、関節のスムーズな稼働が出来るように調整することを目的としています。
②の筋肉系は、筋肉の必要以上の緊張や弛緩を正常な状態に戻し、関節の可動範囲を広げることで生活の質の低下を解消することを主な目的としています。また痛みへの直接的なアプローチをすることで、痛みの緩和や除去を目指します。

骨格系を主に治療する『インプラント骨格矯正法』

当院の治療のもっとも中心・基礎となる治療方法です。
すでに治療を受けられた方には、初診の施術後に説明したことがあるので、ひょっとするとまだ記憶に残っている方もいるかも知れません。また、院内ポスターで見かけた方も多いのではないでしょうか。

『骨格の歪み、ズレによって様々な症状が引き起こされることが、知られています。
ところが、一般の整体では、骨格のズレ、歪みで起きる疾患に対して、十分な治療効果を上げることができていません。それは、どこの箇所の骨格が、どの方向に、どの程度のズレ、歪みがあるのか、正確に診断し、それを正確に矯正していける技術がなかったからなのです。

さらに、手技では物理的な限界もあります。それが従来の整体法における矯正の限界でした。
そのため、施術してもその効果が得られない、一時的な矯正の効果が得られたとして、短期間に元に戻ってしまう、というように、施術を不完全なものにしてしまうのです。

それを一定の力、一定の方向、一定の時間で加圧することが出来ることで、これまで治療が不可能とされていた疾患に対しても改善効果を上げることが出来るようになりました。
この矯正法は、連続矯正によって骨格のゆがみ、ズレを矯正するだけでなく、そのゆがみ、ズレに対して、一定の力、方向、時間という三大要素、によって適正な矯正情報を肉体に対してインプットします。

この情報を植え付けるという意味で「インプラント」という言葉を選び、この矯正法を「インプラント骨格矯正法」と名付けました。

どのように治すかというと、まず骨が12方向のいずれにズレているのか、それはどれくらいのズレなのかを的確に診断し、ズレた骨格を正常に戻すための方向性を割り出します。次いで症状や状態に合わせ、どれだけの圧力が必要なのか、またその矯正時間について適切な時間を割り出します。

一定の方向性で、一定の力を、一定の時間をかけると言う事は、人の力で実行するのは不可能なことです。この3つの情報を適切に割り出し、人体にインプットすることができると、その結果は驚くべきものとなりました。』

(「長命整体」の潜在力 三想出版から一部抜粋編集)

手技600回分以上に相当する矯正効果とダントツの持続性がウリ

上の文章は分かりづらいですね。

簡単にまとめると、瞬間矯正の手技と違い、器具を使うことで時間に左右されずに矯正を行う事が出来るようになります。(人と違って器具なので疲れると言うことがありません)さらに骨だけでなく、それらに付着している筋肉や靱帯への矯正も同時に矯正できるため、矯正効果の高さと持続性が非常に長いという大きな特徴があります。仮に、10分間のインプラント矯正は、手技600回分に相当します。いかがでしょう。その矯正効果の高さが想像できますよね。

こうして、まず最初に全体的に大きな、身体(骨格)のゆがみを取り除いていくのです。

■筋肉系の治療で痛みを軽減

『痛みを起こす原因は何処にあるのか?』に「痛み」を感じるセンサーは「5つの場所」にあるという記事を書きました。

①筋膜(筋肉)
②関節包
③皮膚(真皮)
④神経
⑤骨膜  
これら5つの組織でしたね。

【骨格系】治療では、上記5つのうち特に②、④、⑤へのアプローチが主でした。
残る①、③が、【筋肉系】治療となります。
【筋肉系】の治療には、当院では、筋筋膜療法、反射療法などを含む「リンパ反射療法」を行っています。
※筋筋膜療法、反射療法については、また機会を設けていつか紹介したいと思います。

リンパとは何か?

リンパ液は、血管から濾し出された体液のことです。分速にして数十センチという非常にゆっくりしたスピードで、体の中に蓄積された毒素や老廃物を回収しながら、体の先端から中心に向けて流れています。
毒素や老廃物はリンパ節でろ過されて、腎臓を経て尿や汗と一緒に体外に排出されます。

そして、リンパ液は心臓へと戻っていきます。リンパに弛緩と圧迫の適度なバランスで刺激を与えていくと、リンパが活性化して流れをスムーズにしてくれます。

リンパ節のしこり

風邪をひいたりすると、耳の下あたりにグリグリした部分があることに気付くことがあるでしょう。これがリンパ節です。

リンパ球は骨髄や脾臓でつくられ、老廃物を分解して無害にする働きがあります。リンパ節がグリグリしてくるのは、リンパ液によって運ばれた細菌やウィルスをリンパ球が攻撃して、ろ過し、その先へ行くことを防ぐためにリンパ節でリンパ球がせき止められて、それがしこりとなって現れます。

リンパ節は、耳の下ばかりだけでなく、あごや首の周辺、鎖骨の下、わきの下、脚の付け根、膝裏などにも分布しています。
このシステムがうまく機能しなくなると、毒素が体内に蓄積されることになり、体調悪化の原因となります。疲れやすくなったり、コリや冷え、むくみ、シビレ、痛みといった症状がでやすくなるのです。

リンパの滞りが体の不調に

リンパの流れが滞る原因は、骨格のゆがみによって、骨格を支えている筋肉に異常が生じます。この筋肉の異常によってリンパ管にゆがみが生じた結果、リンパの流れに悪い影響が現れるために起こります。

その結果、免疫力が低下して、細菌やウィルスに対する抵抗力が落ち、疲れやすくなったり、病気にかかりやすくなったりするのです。これらは、身体構造上の問題で、全身的な負の連鎖を引き起こすのです。

リンパ反射療法の誕生

このリンパを活性化する方法として、リンパマッサージやリンパドレナージュなどが行われています。確かにリンパは刺激することによって、一時的にはリンパは活性化します。しかし、リンパの流れを阻害している原因は、体全体の構造に問題があるためなので、それだけではすぐに元に戻ってしまうのです。

こうした弱点を踏まえ誕生したのが、「インプラント骨格矯正法」と「リンパ反射療法(新リンパ療法)」なのです。

■対症療法と原因療法のバランスがよい【新リンパ療法】

当院の治療方法は、骨格系と筋肉系の治療という大きな二つの柱で支えられています。
骨格系への治療は原因療法が主でした。それに対して筋肉系の治療は対症療法と原因療法をバランス良く組みあわせた療法と考えて頂ければよいです。
次に筋肉系の治療方法の軸となる【新リンパ療法】について書いてみたいと思います。

 痛みをとる「新リンパ療法」

新リンパ療法は、リンパに対して直接、間接的に働きかけていきます。患部にある我慢しがたい痛みに働きかけると共に、その痛みの原因となっている部位にも治療を施していきます。リンパが滞っている箇所には必ず硬結(しこり)があります。この硬結部に触れると軽い痛みを感じます。この硬結を押圧することで、痛みを強く感じるのですが、この痛みは我慢が出来ないほどのものでは無く、むしろ心地よい痛みを感じる程度に押圧するように力を調整します。その痛みによって苦痛に対処していく方法なのです。治療が進み、この硬結が小さくなると、痛みを感じなくなっていきます。

新リンパ療法は対症療法と原因療法のバランスが絶妙

痛みは、身体の不調を知らせる生体からの警告です。痛みの根本的な治療は、痛みを発生している部位を究明し、そこを改善することで、単に痛みを止めることではありません。

痛みはリンパが滞り、詰まってしまった事にも大きな原因があります。痛みは、痛みを発生している箇所の不調だけでなく、機能低下を起こしている臓器・器官の反射ポイントに滞留しているリンパ液によって発生しているものです。溜まっているリンパを押圧することにより、その箇所(リンパ反射ポイント)に対応する臓器・器官の機能を回復させ、痛みを根本から解消していきます。

リンパ反射ポイント(チャップマン反射)と神経リンパ反射療法について

1930年代に米国人、フランク・チャップマン(Frank Chapman)博士が、ある部分に刺激を与えることで、特定の臓器のリンパが増加するという学説を発表しました。

リンパ腺やリンパ節が滞り、痛みが有る場合、その場所に痛みを抱えるだけでなく、その反射ポイントに対応した内臓にも疾患を抱えていることが分かってきました。その内臓に対応した反射ポイントを刺激することによって、リンパの流れが良くなると、内臓へのリンパ液の分泌が活発になり、症状が改善されていきます。

この各臓器に対応するポイントを「チャップマン反射」と呼ばれるようになりました。

更に1960代には、米国のカイロドクターであるジョージ・グッドハート(George Goodheart)博士がさらに、このチャップマン反射ポイントに改良を加え、治療効果などを測定する方法(筋力テスト)を加えて神経リンパ反射療法となり、アプライド・キネシオロジー(Applied Kinesiology)として知られるようになります。

身体の循環システムを正常化し、身体の様々な不調を改善

さらに筋肉や骨格系以外にも下記の身体システムにも、直接または間接的にアプローチをして、総合的な身体の自己治癒力や免疫力などを向上させ、治療効果を高めていきます。

① 脳脊髄液(背骨の中を循環しています)
② 血液系
③ リンパ液系
④ 内分泌系(ホルモン)
⑤ 経絡(気の流れ)

これらすべてを扱うのが、当院の治療方法であり治療システムなのです。

 

※初掲「いやさか通信」2015年5月号 ~ 7月号 より

追記)
執筆当時と現在(2018年6月)では、かなり治療法に変化がありますが、基本的な治療の考え方にはほとんど変化はありません。
記事に紹介させて頂いた、「インプラント骨格矯正器」の使用は股関節の矯正のみに使用しています。
また、新リンパ療法は導入当時とはかなり形を変えて一部の施術に取り入れています。

現時点での最新の施術内容については、近いうちに執筆しようと考えています。
(2018/06/27)

 

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