発達障がいの子供と腸内細菌叢の関連を示す研究報告がつぎつぎ発表された

先日スマホのニュースアプリで配信されていたニュースを見ていましたら、気になる見出しの記事に遭遇しました。

それがこちらです。

1クラスに2~3人?「発達障がいの人」が急増している深い事情
   Yahooニュース(2020/11/14)


最近自分でもなんとなく感じていた「最近の子供達って発達障がいが多くない?」という疑問が、この記事を読んで「やっぱりそうなんだ」と思ったわけですが、それは、ひとつには診断する基準ができたことで、症状なのか性質(性格)なのかをある程度判断できるようになった、という事なのかも知れません。

話しは、私が子供だった頃。

私らが小学生だった頃(50年近く前になりますよね・・)にも、今思えば、それらしい子がいたような記憶がありますが、それでも多分学年に一人いるかいないかくらいだったような気がしませんか? それとも、そんな事が気になるような年齢では無かったのかもしれないですが。

しかも当時は子供が多かったせいで、1クラス最低でも40人以上、さらには私が小学校1年生に上がった頃は、なんと全部で18クラスですよ! 
鉄筋の新校舎だけでは足らず、木造教室の廃校寸前のような古い校舎を壊さずに利用して、それでもすし詰め状態。

(ちなみに中学に入った時も新設校が間に合わず一年生のクラスだけで16クラス!!3年生になっても9クラスありましたから。私は3年9組でした。)

当たり前ですが、今のように冷暖房などなく、夏は暑いし、冬は石炭を燃やすだるまストーブで、ストーブ前は暑くてダルダル・・・そこから遠い席ではブルブル震えているような、とても快適とはいえない環境でしたしね。

冬の時期の日直の仕事は、石炭汲みがスタート。他の生徒が登校する前に朝早く行かなければなりません。教室からかなり離れた石炭置き場までブリキのバケツを持って二人で取りに行く必要があったからです。石炭はストーブの脇に置き、しばらくすると用務員さんらが順番でストーブに火を付けに教室を回ります。

しばらくすると、ストーブの上に置いてある大きなヤカンから湯気が出てきます。火が弱くなってくると、先生が石炭をくべる。・・・あ~なんか懐かしい。

小2になった時に、新設校が出来て生徒も半分近くに。その後小6になるまでに新設校が3校に増え、6年生の時のクラス数は6クラスに減っていましたっけ。

そんな記憶があるのを思い出しました。

いやいや、本筋とは関係のない思い出話でしたね。

話しを戻します。

発達障がいの子供が1クラスに2-3人もいるとなると、先生達も大変だろうな・・・と思ったりもするのですが、それよりも少し昔から落ち着きのない子供が増えていて、学級崩壊なんていう言葉も以前聞いたことがあるように思います。

うちの整体院の利用者でも、職業別にみると看護師さんについで多いのが、実は学校の先生だったりするんですね。

なので、小学校の先生も結構利用されているので、そんな先生たちの話しを聞く機会も頻繁にあります。そして開業当時(今から10年以上前)から、授業を行うことが大変なんだということはなんとなく知ってはいました。

もっと昔だったら、発達障がいの子供の両親の育て方が悪いだの、遺伝だのと言われていたかも知れませんが、今では、それもほんの少しは関係するかも知れませんが、実は私たちの住む環境が(化学的に)汚染され、食そのものが悪化(添加物などによる)するなどによって起きているのではないかと、考えるようになりました。(というか確信しています)

それは子供たちの健康を蝕むだけでなく、大人でさえその影響は計り知れないものがあるでしょう。

それでは、今回ご紹介する記事は二つ。

どちらも、「発達障がい」「自閉症」と腸内細菌叢との関連を示す研究報告です。

腸内微生物の欠乏と自閉症スペクトラム障害との関連性を示すの証拠が見つかった


Evidence found of link between gut microbe deficiency and autism spectrum disorder Medical Xpress(2020/10/22)


ここからです。


中国のホスト機関と提携している研究者のチームは、自閉症スペクトラム障害(ASD)を発症した子供たちの腸内微生物の欠乏の証拠を発見した。

 学術誌「サイエンス・アドバンセズ」(Science Advances)に掲載された論文では、グループはASDの子供たちの腸内微生物の研究について説明し、彼らが発見したものを紹介した。

 以前の研究では、腸内細菌叢の問題がASDの発症の背後にある可能性があることが示唆されているが、その問題が何であるかは謎のままだった。今回の研究では、研究者たちはその謎を解くために新たな一歩を踏み出したのではないだろうか。

 この作業には、ASDと診断された39人の子供たちと、障害のない40人の子供たちからも便のサンプルを収集した。しかし、腸内細菌叢の大きな違いは共通しており、研究者は、年齢、住んでいる地域、その他の要因によって、通常は同じ様な腸内細菌叢を持つ子供を研究のために慎重に選択した。

 それぞれの便サンプルは、メタゲノムシーケンスにかけ、ASDの子供とそうでない子供との間に顕著な違いがあるかどうかを判断した。

 研究チームは、これまでにASDとの関連性が指摘されている、18種類の微生物種に特に焦点を当てた。

 その結果、ASDの子供たちとそうでない子供たちの間で、解毒酵素の比率に違いが見いだされた。研究チームは、何かをつかんだと感じ、さらに65人のASDの子供たちをテストしたところ、同じ結果を得ることが出来た。

 彼らは、ASDは、腸内の解毒プロセスに腸内細菌叢が影響を与えているために子供が発症する可能性が高いことを示唆しており、これによって、環境毒素が血流に乗り、脳細胞のミトコンドリアを傷つけ、ASDに関連した症状を引き起こすと考えている。

 研究者たちは、さらなる研究が必要であることを認めつつ、解毒プロセスを支援する治療法を開発し、それによってASDの発症を回避することができるかもしれず、さらに良いことには、そもそも解毒の問題を引き起こす要素を克服することが可能かもしれない。



ここまでです。

次の記事も腸内細菌叢と自閉症との関連を示す研究報告です。

腸内細菌叢の管理は自閉症への新たな希望となる

Managing the microbiome raises new hope for autism Medical Xpress(2020/11/13)


ここからです。


疾病研究センターによると、毎年54人に1人の子供が自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断されており、その数は増え続けている。この病気は、通常幼児期に発生し、社会的スキル、コミュニケーション、人間関係、および自制心に影響を与える、生涯に渡って混乱させる発達障害を引き起こす。

 学術誌「mSphere」に掲載された新しい研究では、ローザ・クラマルニック・ブラウン氏(Rosa Krajmalnik-Brown)とジェームズ・アダムス(James Adams)氏とその同僚は、ASDの診断と治療のためのヒトの腸内細菌微生物の決定的な重要性を強調している。

 自閉症は、さまざまな程度に人々に影響を与える常同行為(ステレオタイプ的な行動)の範囲によって特徴づけられる「スペクトラム障害」と考えられている。

 遺伝的な相関関係が示されているが、ASDの根本的な原因の全容は不明のままである。この病気の蔓延とその深刻な社会的影響にもかかわらず、現在、この障害に対する効果的なFDA(米国食品医薬品局)承認による治療法は存在していない。

 以前の研究では、研究者らは、微生物移植療法(MTT)として知られる革新的なアプローチを使用してASDの症状への影響を観察した。

 健康なドナーからの腸内細菌叢を7~8週間にわたってASD患者に移植することで、ASD患者の腸内細菌に著しい変化をもたらし、病気の消化管症状と行動症状の両方が改善された。

 驚くべきことに、症状の改善は研究終了後も2年間継続した。

 新しい研究では、MTTによって変化した血漿および糞便の代謝物を詳しく調べている。

 アリゾナ州立大学(ASU)のクラマルニック・ブラウン教授によると、「代謝物を見ることが重要です。それによって微生物が消化器症状や行動にどのように影響を与えるのかを理解するのに役立ち、また、代謝物はバイオマーカーとしても利用出来るからです。」

 実際、新しい研究では、619種類の血漿代謝物の分析したところ、MTT処置を行う前にASDの子供たちに特徴的な代謝プロファイルが示された。

 腸内の微生物種を単純に集計するのではなく、血液や糞便中の代謝物を注意深く調査することは、環境の特殊性に応じて、協調的ネットワークと競合的ネットワークの両方を形成しうる複雑な細菌間の相互作用を解明しようとする場合に極めて重要である。

 この処置の後、血漿中の主要代謝物のレベルは、典型的な発育途中の子供たちのレベルにより類似したものになった。これは、微生物の多様性の著しい増加など、正常な健康な腸内の環境になるように細菌群を調整した結果であることを示唆している。

 この新しい研究では、血漿サンプルでは有意な代謝変化が、糞便サンプルではより控えめな変化が見られたことを強調している。

 「自閉症の子供と典型的な発達の子供の間で、代謝物レベルに多くの違いがあることを発見し、微生物を移植後に代謝レベルが改善したことは刺激的でした。」

 とアダムス氏は述べた。

 さらなる研究は、腸内細菌叢とASDに関連する神経学的特徴との間の複雑で重要な相互作用の理解を深め、ASDの症状を緩和する効果を高めるためにMTT療法や他の微生物ベースの療法を微調整するのに役立つだろう。



ここまでです。

現代では様々な医学では治す事が難かしい、原因不明の病気がますます増えてきています。

その原因は生活環境の変化による、私たちの体内の腸内環境の悪化で起きていると考えられ始められています。

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さらには、腸内細菌は私たちの性格にまで関与しているのかも知れません。

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本当は、子供たちには外で泥んこにまみれながら遊んでもらう、そんな環境で育てることがどんなに大切なことであり、本来の人間らしい生活を取り戻すことが重要なのではないかと思っているのですが、それが現代ではどれだけ難しい事であるのか・・・。

行き過ぎの衛生環境で育てられた人間の弱さを思い知らされます。

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