歩行パターンで認知症タイプが見分けられる
認知症のタイプで歩き方が違う
このブログの読者に恐らく「認知症」の方はいらっしゃらないとは思いますが、今後のブログでも取り上げていこうと思っているテーマの一つです。
なぜなら、いずれ自分もいつか発症するかも知れない病気(しかも長生きすれば高い確率で)だからです。
整体院でも、高齢の方(ちなみに、うちの院での最高齢は92歳です)のうち、何人かは認知症(アルツハイマー型がほとんど)にかかっている人も利用されています(した)。
施術を受けることで、病気の進行を少しでも抑える事が出来ますが、利用のきっかけは病気の改善ではなく、痛みやしびれなどで生活が困難だったりすることがきっかけで、ご家族の方がお連れになるケースがほとんどです。
施術を受け続けることで姿勢(見た目や心)に変化が見られ、血流も改善されるので、開始当初は口数も少なく、どちらかと言うと不機嫌な様子なのですが、利用される毎に笑顔が見られるようになったり、機嫌が良くなるせいかおしゃべりも楽しまれることが多くなってきます。(そうなってくると私も本当にうれしいです)
認知症にならない日々の健康管理も大事ですが、なってしまっても軽いうちであれば、進行を抑えさらには治癒する可能性もあると聞きます。
それには、軽い運動を継続することや料理などの段取りをする時に使われるような脳の使い方がよいそうです。
さて、今回のブログは歩き方のパターンを見ることで二つの認知症(アルツハイマー型と
レビー小体型)を判定できる事が分かったという記事を紹介しましょう。
この歩き方のパターンは整体院でも参考になります。
といって、判断が付いたところで施術内容に違いが出るかどうかは、今のところ分かりませんが。
歩行パターンで特定タイプの認知症を正確に見分けられるように
ここからです。
先駆的な研究で、歩行は、医療従事者が患者の特定タイプの認知症を正確に見分けるのに役立つ重要な臨床ツールになる可能性がある、と明らかにした。
ニューカッスル大学の科学者は初めて、アルツハイマー病またはレビー小体型認知症の人々が2つの病気の微妙な違いを示す、独特の歩行パターンがあることを見付けた。
アルツハイマーと認知症(アルツハイマー病協会報)誌に発表された研究は、
アルツハイマー病の人と比較して、レビー小体型認知症の人は、歩行ステップの時間間隔とその歩幅を変化させ、動くときに(左右)非対称であった。
これは、疾患のさまざまなサブタイプの臨床バイオマーカーとして歩行を確立するための最初の重要なステップであり、患者の治療計画の改善につながる可能性がある。
■便利な診断ツール
ニューカッスル大学医学部の博士研究員であるリオナ・マッカードル博士(Dr. Riona McArdle)は、次のように述べている。
「私たちの歩き方は、認知症などの脳の問題を浮き彫りにする思考と記憶の変化を反映できます。患者がどんな認知症を持っているかを正確に特定することは、患者にできるだけ早く、彼らのニーズに最も適切な治療を施すことができるように、臨床医と研究者にとって重要です。」
「この研究の結果は、認知症の診断ツールに歩行を追加でき、有用で刺激的なツールになる可能性があることを示唆しています。」
「より正確な診断とは、人々が認知症に対して適切な治療、ケア、管理を受けていることを意味するため、これは重要な進展です。」
2種類の認知症の現在の診断では、さまざまな症状を識別し、必要に応じて脳スキャンを行うことで行われる。
この研究のために、研究者らは、認知が損なわれていない29人の高齢者、36人のアルツハイマー病、45人のレビー小体型認知症を含む110人の歩行を分析した。
参加者は、歩行ラボでの簡単なウォーキングテストを受けた。数千個のセンサーを備えた通路に沿って移動し、通常の速度で歩きながら足跡を捉え、歩行パターンを明らかにした。
歩行パターンがめったに変化しないアルツハイマー病と比べ、レビー小体型認知症は、歩数や歩幅を頻繁に変えるというユニークな歩行パターンがあることを見付けた。
レビー小体型認知症の場合、歩数は不規則であり、これは転倒リスクの増加に関連している。彼らの歩行はステップ時間と歩幅でより非対称であり、左右の足跡が互いに異なって見えた。
科学者は、ステップ長の変動性とステップ時間の非対称性の両方を分析することで、認知症すべてのサブタイプの60%を正確に特定できることを発見した。
今後の研究では、これらの特性が現在の診断手順をどのように強化するかを特定し、スクリーニング方法としての可能性を評価することを目指す。このツールが5年以内に利用できるようになることを望んでいる。
■先駆的な研究
アルツハイマー病学会の研究部長であるジェームズ・ピケット博士(Dr. James Pickett)は次のように述べている。
「この研究で、アルツハイマー病とレビー小体型認知症を区別する手がかりが得られたことが、初めて明らかになりました。これは、さまざまなタイプの認知症を正確に診断するための新しいアプローチの確立に役立つ可能性を示しています。」
「このアプローチを検証するために、より大規模でより長い研究を楽しみにしています。また、人の歩行と認知症診断の関係に光を当てます。」
認知症は、脳機能の喪失を引き起こすさまざまな脳障害を表し、これらの状態は通常進行性であり、最終的には重篤となる。
アルツハイマー病協会によると、英国の認知症患者は2025年までに100万人を超えると推定されている。
■レビー小体型認知症とともに生きる
ジョン・ティンクラーは、過去3年間、レビー小体型認知症とともに生活してきた。
ダラム州ラングレーパークに住む70歳の彼は、足をシャッフルし始め、定期的につまずくとようになり、歩くのが困難になり始めた後、(レビー小体型認知症と)診断された。
ジョンと彼の妻ジェニー(59歳)、と彼の家族は、困難な診断に対処することを学び、それに応じたライフスタイルを適応させなければならなかった。
理学療法士のジェニーは、次のように述べています。
「ジョンの診断は困難で、長年にわたって疲労しやすくなり、機動性、バランス、協調性に影響を及ぼし、現在は外に出るのに苦労しています。これに加えて、彼は関節痛と筋肉のけいれんもあるのです。」
「ジョンがニューカッスル大学の研究に参加したいかどうか尋ねられたとき、私たちは「はい」と言うことをためらいませんでした。研究を助けるために少しでも努力する必要がある、と思ったからです。」
「この研究の発見は、エキサイティングでした。なぜなら、認知症のサブタイプの最終的な診断につながり、患者ができるだけ早く適切な管理プログラムに参加できるようになるからです。」
「患者とその家族が対処している、特定タイプの認知症を知っていれば、その状態で生活している人のニーズをより深く理解することができます。私たちは、老化の研究が最も優れている分野にいることは非常に幸運だと思います。このようなスクリーニングツールが認知症患者に利用可能であれば、素晴らしいことです。」
ここまでです。
日本における認知症患者数
ちなみに、日本の認知症患者は、
65歳以上の高齢者の認知症患者数と有病率の将来推計についてみると、平成24(2012)年は認知症患者数が462万人と、65歳以上の高齢者の7人に1人(有病率15.0%)であったが、37(2025)年には約700万人、5人に1人になると見込まれている(図1-2-12)
私の現在の年齢は54歳、65歳になる年は、2030年です。
上のグラフを見ると2025年の700万人からさらに100万増え800万人越えです。
とんでもない社会を迎えます。
そして今の子供達にこんな社会を支えてもらわなければならないのです。
現役世代としては、とにかく健康でいることが自分にとっても、家族にとっても、そして社会にとってどれほど大事なのか考え、そして実践して行く事が重要なんだと思います。