立ちくらみやめまいを起こしやすい人は認知症に注意
『赤ひげ先生、130越えると血圧高めなんです。』
これはサ○ト○ーの胡麻麦茶のCMのセリフ。
上の血圧が130を越えると高血圧、と呼ばれるようになりました。
これを、異常だとかやり過ぎだと言う人はほとんどいないのが現状。
私(筆者)は50代半ばですが、同窓会などに参加すれば、ご多分にもれず病気の自慢話で盛り上がるような歳になってきました。ですから、結構の数の人がすでに高血圧で降圧剤を飲んでいるというのはごくごく当たり前のようです。
私には信じられませんが、大半は医者が言うからその通りにしている・・・。
ちなみに自慢ではありませんが私は今のところ、生活習慣病で飲むような薬は一切飲んでいません。
なぜならクスリの本質を知ってしまったからです。
私個人的には、クスリが病気を作っている、更に言えば医療が病気を作っている、つまり現代の病気の多くは「医原病」だという考え方を支持しています。もちろん必要な医療もありますが、必要でない医療によって殺されている人も数え切れないほどいるだろう、そう考えている一人です。
高血圧になると処方される降圧剤の市場規模は、10年以上前の古い情報ですが、
降圧剤は18年に1兆円市場に 配合剤がけん引役
降圧剤の市場は2009年時点で8977億円で、18年には1兆400億円に拡大するという調査予想を、富士経済が公表した。
日本生活習慣予防協会HPより
と発表されていますので、少なく見積もっても1兆円規模の市場のようです。
これほど処方されている降圧剤ですが、それと相関がありそうなのが認知症患者の増加です。
65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、2012年時点で約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。そして、その数が2025年には730万人へ増加し、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
・認知症の現状と将来推計 三菱UFJ信託銀行HPより
超長寿化が進んでいることもありますが、それにしても65歳以上の5人に1人が認知症を発症するというのは脅威です。
以下も少し古い記事ですが、高血圧の定義が下げられたことによって降圧剤の処方量が増加し、そのことでさらに「ガン」患者を増やす事になる、という事も書かれています。
・本当は恐ろしい降圧剤がもたらす副作用 PRESIDENT ONLINE(2016/05/16)
上の記事でも書かれていますが、血圧を下げると認知症になりやすいということと、立ちくらみを起こしやすくなるという関連性を研究した記事です。
「立ちくらみやめまいを起こしやすい人は将来認知症になりやすい」
というものです。
立ちくらみやめまいを起こす理由にはいくつか考えられるのですが、恐らく一番多い理由は、「起立性低血圧」によるものだと考えられます。
読めば分かるように、立ち上がった時に瞬間的に血圧が下がってしまうもので、脳に行く血流が急激に減少することで起こる、自律神経の働きによるものです。
起立性(体位性)低血圧は,立位をとった際に生じる過度の血圧低下である。コンセンサスに基づく定義は,20mmHgを上回る収縮期血圧の低下,10mmHgを上回る拡張期血圧の低下,またはその両方である。症状としては意識の遠のき,ふらつき,めまい,錯乱,霧視などが,起立後数秒から数分以内に起こり,臥位により速やかに消失する。患者によっては,転倒,失神,さらには全身痙攣を起こす場合もある。運動または大食が症状を増悪させることもある。その他に併発する症状および徴候のほとんどは原因に関連したものである。起立性低血圧は様々な病態に起因する血圧調節異常の表れであり,特定の疾患ではない。
前置きが長くなってしまいました。
それでは、これより本記事です。
立ち上がった時にめまいを感じる人は認知症のリスクが高いかもしれない
・People who feel dizzy when they stand up may have higher risk of dementia
Medical Xpress(2020/08/07)
ここからです。
米神経学会誌である「Neurology(神経学)」に発表された新しい研究によると、立ち上がるときにめまいや立ちくらみを感じる人は、数年後に認知症を発症するリスクが高くなる可能性がある。
起立性低血圧と呼ばれる状態は、立ち上がったときに血圧が急激に下がることで起きる。
研究では、認知症との関連性は収縮期血圧が低下している人に認められ、拡張期血圧のみが低下している人や、全体的に血圧が低下している人には認められなかった。
収縮期血圧は、血圧測定値の最初の、または一番大きな数値(最大血圧値)であり、収縮期起立性低血圧とは、座った姿勢から起立した時に、血圧が15mmHg以上低下した状態と定義されている。
カリフォルニア大学のローラ・ラウチ博士(Laure Rouch,PhD)は、
「座っている状態から立ったときの血圧をモニターする必要がありました。これらの血圧の低下を制御することは、年齢を重ねるにつれて人々の思考力と記憶力を維持するための有望な方法である可能性があります。」
と述べた。
この研究には参加したのは、平均年齢73歳で、登録時に認知症を発症していなかった2,131人。
研究開始時と1年後、3年後、5年後の血圧の測定が行われた。起立性低血圧は15%、収縮期起立性低血圧は9%、拡張期起立性低血圧は6%であった。
その後12年間、参加者は認知症を発症した人がいるかどうかを評価された。そして、合計462人、22%の人が認知症を発症した。
収縮期起立性低血圧の人は、そうでない人に比べて認知症になる可能性が40%近く高かった。収縮期起立性低血圧のある192人中50人(26%)が認知症を発症したのに対し、そうでない1,939人中412人(21%)が認知症を発症した。
糖尿病、喫煙、飲酒など認知症リスクに影響を与える可能性のある他の要因を調整すると、収縮期起立性低血圧の人は、認知症を発症する可能性が37%高かった。
研究者たちはまた、座っているときと立っているときの収縮期血圧の測定値が訪問ごとに最も変化した人は、測定値が安定している人よりも、数年後に認知症を発症する可能性が高いことも分かった。
参加者を時間の経過とともに測定値の変化の大きさに応じて、3つのグループに分けた。収縮期測定値の変動が最も大きかったグループでは24%の人が後に認知症を発症したのに対し、変動が最も小さかったグループでは19%だった。
認知症のリスクに影響を与える他の要因を調整したところ、最も変動が大きいグループは最も変動の少ないグループよりも認知症を発症する可能性が35%高かった。
ラウチ博士は、この研究は観察的なものであり、因果関係を示すものではないとしている。血圧の測定値と認知症の発症との関連性を示しているに過ぎない。この研究のもう1つの制限は、認知症の診断がアルツハイマー型と血管性の区別がなされていないことである。
ここまでです。
認知症のほとんどは、以下の3つのタイプに分類されます。
1.アルツハイマー型認知症
2.レビー小体型認知症
3.血管性認知症
それぞれのタイプの概要と原因
■ アルツハイマー型:
もの忘れから気付くことが多く、今まで日常生活でできたことが少しずつできなくなっていきます。新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるなどが特徴的です。また、物盗られ妄想や徘徊などの症状が出ることがあります。
ベータたんぱくやタウたんぱくという異常なたんぱく質が脳にたまって神経細胞が死んでしまい、脳が萎縮して(縮んで)しまいます。記憶を担っている海馬という部分から萎縮が始まり、だんだんと脳全体に広がります。
■ レビー小体型:
実際にはいない人が見える「幻視」、眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする異常言動などの症状が目立ちます。また、手足が震える、小刻みに歩くなどパーキンソン症状がみられることもあります。頭がはっきりしたり、ボーッとしたり、日によって変動することも特徴的です。
脳の神経細胞の中に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質の塊がみられます。このレビー小体が大脳に広くに現れると、その結果、認知症になります。
■ 血管性:
脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症です。脳の場所や障害の程度によって、症状が異なります。そのため、できることとできないことが比較的はっきりとわかれていることが多いです。手足の麻痺などの神経症状が起きることもあります。
脳の血管が詰まる「脳梗塞」や血管が破れる「脳出血」など脳血管に障害が起きると、その周りの神経細胞がダメージを受けます。脳の画像を見ると、障害の跡がわかります。
参考)相談e-65.net