笑顔の効能:作り笑顔でも痛みが40%低下した

笑顔が免疫力を上げ、気分を良くすることはみなさんも良く分かっていると思います。

正直、免疫力の向上はなかなか自覚することは難しくても、少なくとも笑えばストレスの発散にもなりますし、気分が高揚することは体験的にも知っていますよね。

でも、その「笑顔」は本物じゃなく、ニセモノでもOKなんです。

「笑うと健康になる」を遺伝子レベルで検証する(日経Gooday+)

上記事によると、

「笑うと、口角を上げる大頬骨筋(だいきょうこつきん)や目の周りの眼輪筋(がんりんきん)などの表情筋が動いて、笑顔ができる。別に楽しいことがなくても、この表情を作るだけで脳は笑っていると錯覚し、気分がほぐれてきます。箸を歯で横にくわえて、“作り笑顔”をするだけでも、脳のドーパミン系の神経活動が活発になって、快の感情が引き起こされたという報告もあります」(PLOS ONE (2009) Jun 1;4(6):e5754)

 

今の世の中、何かとつまらないことが多すぎますが、無理にでも「笑顔」をつくって脳を錯覚させ、脳科学的に「快の感情」を引き起こして乗り切りましょうか。

今回ご紹介したい記事は、「笑顔」をムリヤリに作ったら痛みの感受性が40%も低下した、つまり痛みをあまり感じなかったという研究報告です。

真の笑顔やしかめ面の表情で注射の痛みが大幅に軽減する

Smiling sincerely or grimacing can significantly reduce the pain of needle injection Medical Xpress (2020/12/04)

ここからです。


 冬の到来は、気温の低下、昼間の時間の短縮、インフルエンザの予防接種を意味する。予防接種を楽しみにしている人はいないだろうが、カリフォルニア大学アーバイン校の研究によると、

真の笑顔やしかめ面のような表情どちらでも、注射針の痛みを40%も軽減できることがわかった。

 口角を上げ、目の周りにシワが寄る本物の笑顔は、心拍数を下げることで、ストレスの多い、注射針に関連する生理反応を大幅に鈍らせることができる。

 研究を主導した、UCIの心理科学教授のサラ・プレスマン(Sarah Pressman)教授は、

「苦痛や喜びに直面したとき、人は目の筋肉を活性化させ、頬を持ち上げ、歯をむき出しにするなど、非常によく似た表情をしますが、中立的な表現とは対照的に、これらの動きは不快感やストレスを軽減するのに有益であることがわかりました。」と述べている。

本研究では、被験者が4つの表情のうち1つを表現するために箸を使用。A.中立、B.非デュシェンヌ型笑顔、C.デュシェンヌ型笑顔、D.しかめ面 である。 クレジット: Katherine V. Hammond / University of Oregon

 

 この研究は、『エモーション(Emotion)』にオンラインで公開され、231人がこの研究に参加し、25ゲージの針(通常のインフルエンザの予防接種で使用されるものと同じ)を使って生理食塩水を注射してその反応を、痛み、感情、苦痛のレベルで自己申告させた。

 参加者は、歯に箸をくわえさせ、口角を上げさせたデュシェンヌ型の笑顔と口角を上げない非デュシェンヌ型の笑顔、(眉間にしわを寄せた)しかめ面、または中立的な表情のいずれかを表現するように無作為で割り付けられた。

 デュシェンヌ型の笑顔としかめ面のグループは、注射の痛みが中立グループの約半分であることを報告し、これらの行動が針注射の体験にプラスの違いをもたらすことが示された。また、より誠実なデュシェンヌ型の笑顔は、心拍数の有意な低下と関連していた事も分かった。

 「私たちの研究は、針注射をあまりひどいものにしないための、シンプルで無料の臨床的に意味のある方法を示しています。医療現場では多くの不安や痛みを誘発する状況がみられることを考えると、どのように、どのような時に笑顔やしかめ面が役立つかのを理解することで、より良い患者体験をもたらす効果的な痛みの軽減戦略が促進されることを期待しています。」

 と、プレスマン教授は述べている。



ここまでです。

苦しい時こそ「笑顔」で、というのは科学的にも正しいようです。

こんな時だからこそ、笑顔を絶やさないようにしたいものです。

と、いいつつ

なぜかカメラを向けられると笑顔を保つことができない私・・・。

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