『どこを診て何を治せばよいのか?』① ~理論編・道具編~

当院での治療では、何を診てどのように治療しているのか

身体の歪みを正常な範囲にすることが解決すべき最大のポイント

そもそも、人間には左右差があります。

なぜなら人は、体を左右対称に使っていません。
手に右利き、左利きとあるように、体にも右利き、左利きがあるのです。

手はともかく、体にも左右に差があるの?と思う方がいるかも知れません。

たとえば、足でボールを蹴るとき、どちらの足で蹴りますか?
テニスなどでラケットを握る手は、右それとも左?
ゴルフや野球のスイングはどっちから?
階段を上がる時、左右どちらの足から上がりますか?
靴を履く時はどちらの足から履きますか?

など、思い返してみるとどちらかに偏った使い方をされていることに気付かれるはずです。
このように体に左右差があると、やがて足の太さや長さ、仰向きで寝た時のつま先の開き具合や、仰向きの状態で足を上げた時の上がり具合、また股関節の開き具合にも左右差が生じてきます。ほとんどの人はこの左右差があるのです。

この左右差があることによって、骨盤や脊椎に歪みが生じ、体の左右どちらかの筋肉に強い緊張や痛みが現れてくるのです。

 背骨がS字状に歪んでしまった骨格

体のゆがみは骨盤が左右どちらかに捻れ、傾くことから始まります。
土台としての骨盤が傾くとその上で柱のように上半身を支えている
脊骨もまた、左右どちらかに傾いていきます。

 

 

 

 

 

 

 

一般的に多いタイプは、左の腸骨(骨盤)は後ろに捻れ右の腸骨は前に捻れています。
このため、背骨の下のほうはまず左側に傾きます(捻れながら傾きます)。

そのままでは、体は左に傾いたままので、これを正すため体は、背骨の途中から右へ捻ります、するとそのバランスを取ろうとするために、肩あたりの背骨は右前方に捻って対処します。
そうした結果、脊骨はS字状(後ろまたは前から見て)に歪んでしまうのです。横向きのS字カーブも崩れます。

では、そのときからだの筋肉はどうなるでしょうか?

当然左右筋肉の緊張に差がでます。そしてその筋肉の緊張の強さは、人によって腰に出たり、首に出たりします。

これが症状の違いとして現れます。

 治療の基本は本来有るべき状態に戻すこと

緊張し硬くなった筋肉は、普段の生活などの働きなどで疲労が蓄積することで、さらに強く硬くなっていきます。

その硬くなった筋肉が神経を圧迫するなどにより、痛みが生じます。
このようにして筋肉に生じた緊張や痛みをとるには、まずは骨盤と脊骨の歪みを解消して本来のバランスを取り戻さなければなりません

つまり、当院の治療というのは、からだの歪みをその人にとっての正常範囲内に収まるように、身体を調整し、本来有るべき状態に身体の機能を元に戻すことなのです。

まずは体の歪みを知る事が大切

自分の身体の歪み(クセ)を知ることから治療は始まります。

あなたは、自分の身体の歪み(クセ)がどうなっているのか知っていますか?
ダンサーや俳優など、一部の職業以外を除き中々自分の姿、姿勢をじっくり観察する人はまれかと思います。
なので、自分のからだの歪みを正確に知っている人はまずいない、と言っても良いでしょう。

なぜなら自分の背中を自分の目で見ることは通常出来ないからです。

ゆがみを知るため・見るためには道具が必要

当院では、その道具は二つあります。
その道具をここで紹介しましょう。

①【姿勢測定(ゆがみーる)】

見た目の姿勢を自然な状態で診断・評価するために使用しています。

まず立位での3ポーズ(直立で正対と横向き、正対の状態で膝を曲げたポーズ)を撮影します。
これらの写真をパソコンに取り込みます。

必要な関節箇所にマーカーを置くと、自動的にソフトウェアがあなたの姿勢を解析し100点満点で評価します。
その数値をもとに、あなたの姿勢をA~Dの4ランクで格付けします。
また、左下レーダーチャートで、あなたのウイークポイントがどこにあるのかが一目でわかる仕組みになっています。

②【モアレ写真】

現在身体が持っている上半身の歪み(クセ)を診断します。

モアレ写真って何? 聞き慣れない言葉ですよね。

複数の糸を平行に張ったスクリーンに光を当てると、その糸のすき間を通った光がお互いに干渉することで干渉縞が生じます。
その干渉縞(等高線)を身体に写すことで、物の凹凸を立体的に映し出す事ができる写真です。
この写真を撮ることにより、身体の歪みを立体的に見ることが出来るようになります。

その模様の形状、間隔などから身体の歪みがどうなっているのかを知ることができます。

ポイントになる箇所(首、肩、肩甲骨上下、腰上部 骨盤)の等高線に赤マーカーでライン取りします。この赤で書かれたラインを読み取って、現在のあなたの身体の歪みがどのようになっているのかを診断します。

これら【姿勢測定】と【モアレ写真】で、まず見た目の状態と、さらに実際に触診した情報を総合的にみて、治療方針を決めていきます。

身体の歪みの大小と症状の強さは比例しない

上の二つは、身体の歪みを視覚的に見ることができるとても便利な道具です。

しかしながら、見た目と症状は必ずしも一致しません。
つまり、身体の歪みの大きさと症状はイコールではないのです。ですから、患者さんの主観的(自分で感じるが他人は分からない)な部分も治療には重要な要素になります。

治療は一方向(患者さんまたは施術者)ではなく、双方向(患者さんと施術者)のコミュニケーションが非常に大事なのです。

最後は患者さんご自身のからだに聴きます

ただ、これらだけでは分からないことも当然たくさんあります。(と言うよりも、触らなければ分からないことが圧倒的に多い。)
目では見えない隠れた部分の診断には、患者さんの体を使って診断するものがあります。

一般的な診断方法(検査方法)

A 関節の可動範囲を自動運動(自分で動かす)と他動運動(他人の力を借り動かす)でテスト
B 動作によって起こる痛み部位や痛みの強さの確認など

これら二つのテストは、整形外科や整骨院および整体院などでおおよそ行われているものです。

当院では、これ以外に最も重要としているのが、次の患者さんの筋肉を使ったテスト方法なのです。

患者さんの筋肉を使った検査方法

① 筋肉反射テスト(当院では筋診断法と呼ぶ)
② 筋肉テスト(筋力テスト)

どちらも名前が似ていて非常に混同しやすいですね。

① 筋肉反射テストとは
このテスト方法には、筋力が安定していて、且つ、動きが比較的単純な筋肉を利用します。
当院で利用する代表的な筋肉は、たとえば大腿裏にあるハムストリングス筋や、肩上部を覆っている三角筋など(これらの筋肉をインジケータ筋と呼びます)です。

まず、患者さんにこれらインジケータ筋を動かしてもらい、通常出せる最大に近い筋力を出してもらい、その筋力を測定しておきます。次に、痛みなどが出ている患部や歪みがでていると思われる部位に、患者さんご自身で触れてもらいます。もし、そのインジケータ筋の筋力が弱くなれば、その触れた部位に問題が有り、筋力が変わらなければ、その部位に問題は無いと診断できます。これは生体の反応を利用したテスト方法なのです。

② 筋肉テストとは
このテストは、各種生体信号の反応に対応した各筋肉の強さの変化をみるためのテスト方法です。
・左右にある筋肉の筋力に大きな差があるか?(歪みが生じやすくなったり、ケガをしやすくなります)
・各内臓の働きに対応している筋肉の力に影響が出ていないか?
・リンパの流れに影響を受ける筋肉の力に影響が出ていないか?
・筋肉やその周辺組織の問題を発見するなど  様々な活用方法があります。

このテスト方法はとても複雑で、専門的な知識が必要になりますが、非常に広い範囲(たとえばアレルギーのテストや必要な薬の種類や食べものなどを特定するなど)にも応用可能なテスト方法です。
これらのテスト方法を使って、患者さんが自ら知ることもないような(意識に上がっていないが、無意識では正確に状態を知っているのです)情報を身体は伝えてくれるのです。その情報を施術者がどれだけ正確に、判断できるかが治療のカギとなります。

双方向(患者さんと施術者)のコミュニケーションが非常に大事

たんなる言葉での会話(バーバルコミュニケション)だけでなく、このような言語化されていない(ノンバーバルコミュニケーショ)コミュニケーションが実は非常に大事だということです。

なぜならば、患者さんが意識していないことを他人に伝えることはできません。意識していないのですから当然ですね。

しかし、無意識ではその病気の原因はすべて分かっており、それを本人(身体の持ち主であるあなた)になんとか伝えようとしているのです。
ただ、私たちが通常認識できるような言葉ではない(目に見えないボディランゲージですね)ので、それを理解するためには、その言葉を翻訳するためのツールが必要なのです。

それが今回取り上げた、目に見えない部分の診断ツールなのです。

これら、目に見えないモノに対する診断方法と、目に見えるツールを活用し、患者さんの病気の原因を探っていくのです。

※初掲「いやさか通信」2015年2月号~4月号 より

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