魚油サプリメント(DHA&EPA)を摂ることによる健康上の利点はありません

あなたがサプリメントを摂る理由は?

年齢が気になり出すと、健康のために手っ取り早くサプリメントを飲む事を考えてしまいます。

特に食事からしか取る事の出来ない必須栄養素の不足を補おうと、ついつい手軽なサプリメントに手を出しがちになりますよね。

私もサプリメントを完全否定する気はありません。
不足しがちな栄養素を補う上でも自然のモノを使ったサプリメントを上手に利用するのは、良いことだと思います。

さて、ひと昔前の日本人の食生活であれば、不足することが恐らく無かったであろう青魚に多く含まれているEPAとDHAは多くの方が知っているオメガ3脂肪酸で、魚油サプリメントとして広く飲まれていると思います。

ところで、あなたがこれらのサプリメントを摂る目的は何でしょうか?

多くは心臓病や動脈硬化などの血管や高血圧など成人病の予防が目的なのではないでしょうか?

しかし、サプリメントはあまり効果がないし、飲み合わせによっては却って有害な場合もあるので、気をつけた方がよいでしょう。

以前の記事で

「カルシウムとビタミンDを同時に摂取すると脳卒中のリスクが17%増加する可能性が有る。また、それどころかほとんどのサプリメントは役に立たない以上に有害である」

という記事を書きました。

今回の記事では、”サプリメント”(食べ物そのものからではない)で摂るオメガ3脂肪酸はそういった健康上のメリットはない、という記事を紹介したいと思います。

オメガ3脂肪酸とは?

その記事を紹介する前に、オメガ3脂肪酸がなぜ私たちの身体に必要なのか、おさらいしておきましょう。

まず、オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸であるということです。
私たちの体はそれらを作ることができません。したがって健康のためには、食事から摂取する必要があるということです。

オメガ-3脂肪酸の主な種類

・動物性:エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)
               脂肪の多い魚や一部の貝に含まれています。

・植物性:アルファリノレン酸(ALA)
              植物油、ナッツ(特にクルミ)、亜麻、葉物野菜に含まれています。

オメガ3脂肪酸は、動脈閉塞プラークと関節リウマチなどの自己免疫疾患の両方の要因である炎症の軽減に役立ちます。さらに、オメガ3脂肪酸は軽度の関節リウマチの症状緩和をもたらす働きがあります。

オメガ3脂肪酸はドロドロ血液をサラサラにすることができ、危険な血栓を作るリスクを減らすことができますが、たとえばキズを作った場合、逆に血が凝固するまで時間がかかることもあります。

このようにオメガ3脂肪酸は、血管の病気や心臓病の予防に効果が期待されています。

魚油サプリメントに2型糖尿病に対する効果はなかった

MedicalXpress.com

ここからです。

イギリスのイースト・アングリア大学の新しい研究によると、オメガ3脂肪酸を摂る事による2型糖尿病へのリスクはほとんど影響をしないことがわかった。

オメガ3脂肪酸の消費の増加は、糖尿病などの状態の悪化を抑える、さらには回復させるということが一般的に信じられているために、世界中で広く推進されています。

オメガ3脂肪酸サプリメントには何の利点もないことがわかった。

58,000人以上の参加者が長期試験に無作為化され、それらの参加者の4%が糖尿病を発症した。より多くの長鎖オメガ-3脂肪(魚油)を消費したグループと消費しなかったグループとの比較でも、どちらのグループも同じリスクがあると診断された。

血糖値、インスリン、糖化ヘモグロビン、私たちの体が糖をどの程度うまく処理するか(グルコース代謝)、糖尿病リスクの重要な測定値も、魚油を摂取している人と摂取していない人で似ていた。 糖尿病リスクに関連するこれらの要因のいずれかに対しても魚油(長鎖オメガ-3脂肪)の効果に一貫した欠如があった。

さらに、人々が高用量の魚油を摂取すると、グルコース代謝が悪化する可能性があるといういくつかの(弱い)証拠がありました。

オメガ3は脂肪の一種であり、少量であれば健康のために不可欠だが、すでに私たちが食べている食品に含まれているものであり、の主な種類は、アルファリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA)だ。

ALAは通常、ナッツや種子などの植物性食品の脂肪に含まれている(クルミや菜種に多く含まれている)。長鎖オメガ3脂肪と総称されるEPAおよびDHAは、サケやタラ肝油などの魚油などの脂肪の多い魚に自然に含まれている。

オメガ3脂肪酸は、市販のサプリメントとしても容易に入手でき、広く購入されて使用されている。

研究チームは、長鎖オメガ-3脂肪、ALA(アルファリノレン酸)、オメガ-6脂肪酸および多価不飽和脂肪酸(PUFA)の効果を評価。サプリメントカプセルや、強化されたまたは自然に含まれる豊富な食物を介して摂取した。

系統的レビューは、少なくとも6か月間の糖尿病の有無にかかわらず121,070人を含む83の無作為化比較試験の結果を組み合わせたもの。
参加者は、1960年代から2018年までに発表された研究の中から、北米、南米、ヨーロッパ、オーストラリア、アジアの男性と女性、一部は健康な人、既存の糖尿病の人が含まれていた。

この研究では、糖尿病およびグルコース代謝に対する長鎖オメガ-3脂肪酸、ALA、オメガ-6脂肪酸および多価不飽和脂肪酸(PUFA)の増加の影響を評価した。

参加者は、ランダムに多価不飽和脂肪の摂取を増やすか、通常の摂取を少なくとも6か月間維持するように割り当てた。
すると、糖尿病に対して、長鎖オメガ-3脂肪(を摂取することによる糖尿病へ)の増加効果はみられなかった。また、ALA、オメガ-6脂肪または多価不飽和脂肪が保護効果または有害かについての情報は十分には得られなかった。

彼らはサブグループ化を使用し、長鎖オメガ-3脂肪を異なる用量で、異なる結果が得られるか、または試験期間によって異なるかを確認したが、結果は、長鎖オメガ-3の増加は糖尿病診断またはグルコース代謝にほとんど影響を及ぼさないことを示した。
ただし、一部のサプリメントに見られるような高用量レベルでは、グルコース代謝を悪化させる可能性があった。

筆頭著者であるUEAのノーウィッチ医科大学(Norwich Medical School)のリー・フーパー博士(Dr.Lee Hooper)は、次のように述べている。

「以前の研究でも、魚油を含む長鎖オメガ3脂肪酸サプリメントは、心臓病、脳卒中、などによる死を防ぐ効果は無い、ことが示されていたが、今回のレビューでは、糖尿病を予防または治療することはありませんでした。」

さらに、

「ですから、オメガ3脂肪酸サプリメントは糖尿病の予防または治療のために使用するのは推奨できません。糖尿病の治療または予防、または血中のトリグリセリド(訳者注:中性脂肪の一種)のレベルを下げるため補助的に魚油カプセルを取ることを選択した場合、考えられる否定的な結果を避けるために、1日あたりのグラム数を4.4g未満の用量で使用する必要があります。」

「この大規模な体系的レビューには、長期間にわたる何千人もの人々からの情報が含まれていました。これらすべての情報にもかかわらず、保護効果は見られません。
最も信頼できる研究でも、糖尿病に対する長鎖オメガ3脂肪の効果は、一貫してほとんどあるいは、まったく示されていないのです。」

ノーウィッチ医科大学の共同第一著者であるジュリー・ブレイナード博士(Dr.Julii Brainard) は、次のように述べている。

「魚はバランスのとれた食事の一部として非常に栄養価の高い食べ物になる可能性があるが、糖尿病の予防やグルコース代謝の改善に役立つかどうかを知るために、参加者に、より油っぽい魚を食べるように勧めるための十分な結果は見つかりませんでした。」

「私たちが見つけたのは、糖尿病の予防または治療のためにオメガ3脂肪サプリメントを摂取している普通の人々に、(それを効果)実証できるような価値は無かったことです。」

「また、オメガ3脂肪の摂取量が多い人は、オメガ3の摂取が役立つかどうかを知りたいと思っていました。しかし、試験開始時に参加者のオメガ-3摂取量がどの程度あったのかを報告していないため、まだ分かりません。」

「今後の試験では、オメガ3の基準摂取量を測定および評価し、サプリメントだけでなく、より油っぽい魚を食べる影響を評価する必要があります」

と博士は付け加えた。

ここまでです。

サプリメントによる効果はなく、多量に摂れば状態が悪化する可能性も

報告にもあるように、

オメガ3脂肪酸サプリメントを飲むことによる利点はない。心臓病、脳卒中、などによる死を防ぐ効果は無く、糖尿病の予防または治療のためにオメガ3脂肪サプリメントを摂取している人々に、(それを効果)実証できるような価値は無かった、それどころか、多量に摂る事でグルコース代謝が悪くなる。

 

つまり、利益があるどころか糖尿病などのリスクが高まる可能性がある、ということです。

ただし、ここで気をつけなければならないことは、

いわゆる “サプリメント” のことであって、食品そのものに含まれる成分ではないというところです。

しかしながら、日常の食事では不足しがちな栄養素をサプリメントに頼りたくなるのは、心情的に理解出来ますので、今の時代では致し方無いのかも知れないですね。

う~ん、まったくジレンマです。

 

 

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