サプリメントが効くか効かないかは個人差が大きくその効果を証明するのが困難なワケ

健康を意識して何かしらサプリメントを飲んでいますか?

テレビコマーシャルでも、お手軽に始められるお試しセットと称して盛んに宣伝されているので、みなさんも一つや二つは試され、それがきっかけで今も続けているかも知れませんね。

今や健康補助食品(サプリメント)は、国民の健康志向の高まりに合わせ、

2018年度の健康食品市場規模はメーカー出荷金額ベースで、8,614億3,000万円(前年度比1.9%増)、2019年度は8,675億円(同0.7%増)を見込まれている。

矢野経済研究所プレスリリース

これは健康食品だけの市場規模ですから、その他の健康関連市場を含めると、2020年度には26兆円規模と、途方もないような金額ですね。

そんな、身近にあるサプリメントですが、みなさんはどんな基準で選んでいるのでしょう。

価格でしょうか?
それとも品質

サプリメントはクスリと違って、効果・効能を謳うことができません。
ですから、サプリメントに含まれる成分のイメージ(そういえば体に良さそうみたいな)だったり、利用者の声を活用して、その商品の宣伝をしているわけです。

一般的にサプリメントは長い間継続することで、効果が実感されるわけですから、それがどんなに良いものであっても、やはり高額だと続けるのが難しくなりますね。

そのサプリメントは自然のもの(と自然由来の成分は違います)から作られているのか、または石油などから作られる化学的な成分なのかによっても、価格が全く異なってくるでしょう。

なので、サプリメントの質に見合うだけの価値のあるものかどうか、つまりは品質(期待する効果も含む)と価格のバランス、が何よりも優先される要素なのだと思います。

利用者もそうですが、提供するサプリメント企業も、きっとこの品質と価格のバランスに頭を悩ましているはずです。

仮にサプリメント企業が、自分たちの商品に確かな効能や効果をハッキリと出せるようなもの作ったとしたらどうでしょう。

それを、医薬品と同じように科学的にエビデンスのあるデータとして私たちに提示できたら、おそらく、新薬のように特許を取得して一社で独占するか、またはライセンス料で利益をあげようとするに違いないでしょう。

おっと・・前書きでこれ以上書くと本記事紹介の意味がなくなってしまいますので、早速記事の紹介に行きたいと思います。

サプリメントメーカーが二重盲検臨床試験を実施しない理由

Reasons Supplement Makers Don’t Carry Out Double-Blind Clinical Trials 
 Gilmore Health News(2020/07/02)


ここからです。



健康補助食品の中でも、臨床研究が行われて効果が確認されているものは非常に稀である。しかし、これは消費者に真の効果があることを示す良い方法だ。

 サプリメントを作っている企業が、最高品質の製品を提供していると信じてもらいたいのであれば、なぜ彼らは通常、主張を裏付けるためも二重盲検試験を行っていないのだろうか?

 この記事でその疑問に答えよう。


二重盲検試験とは何か?

 二重盲検試験とは、盲検または盲検実験の一種。これは、研究の効果や結果に影響を与える可能性のあるバイアスを軽減または排除することを目的としている。

 盲検実験では、被験者の行動に影響を与える可能性のある情報を隠し抑制する必要がある。「暗闇に保たれている」実験の当事者の数は、シングル(単一)、ダブル(二重)、またはトリプル(三重)盲検として条件を決定する。

 二重盲検試験では、被験者または患者と研究者は盲検である。これが意味することは、どちらの当事者も誰が治療を受けているのか、誰が治療を受けていないのか、どちらの当事者も分からないということだ。

 新製品の有効性を評価したいと考えている医薬品またはサプリメントのメーカーを想像してみよう。患者は製品を手に入れたのかプラセボを手に入れたのかは分からないし、同時に研究者にも分かっていないのだ。

 二重盲検臨床試験は、特に無作為化された場合には、間違いなく最高の科学的証拠と見なされている。

 サプリメント会社がこれらの研究をほとんど実施していない主な理由を以下の項目であげてみようと思う。

強制ではない

 医薬品とは異なり、サプリメントは臨床試験を必要としない。栄養補助食品は、天然成分のみを含んでいるか、または含んでいると主張しているため、その要件の対象にはならないが、安全性が不確かな合成物質の場合は異なる。

 したがって、二重盲検試験を実施するかどうかを決定するのは、各サプリメントメーカーに委ねられている。明らかに、大多数の企業は、それなしで行うことを選択する。

 続く他の理由は、あなたがより良いこの決定を理解するのに役立つだろう。

コストへの影響

 標準的な臨床試験を実施するのは決して安くはない。多額の資金が投入されるが、メーカーにはその結果がどうなるか、やってみなければ分からない。

 どのような医薬品でも、米国食品医薬品局(FDA)の承認を得る前に、臨床試験が不可欠であり、薬物申請のごく一部だけが承認を得ることができる。

 臨床試験には主に3つのフェーズがある。これらは、適切な用量、最適な投与方法、有効性、安全性を評価するものだ。特に安全性に関わる場合は、長期的な影響を調査するためのフェーズIVもあるかもしれない。

 これらのフェーズを念頭に置いて標準的な臨床試験を実施するには、莫大な投資を行う必要があることは明らかだ。サプリメント会社にとってありがたいことは、製品を販売する前にこれらの試験を行う必要はない。

短すぎる期間

 サプリメントは通常、医薬品と比較して、有意な効果を生み出すまでに長い時間がかかる。また、臨床試験を実施するためには、どれほどの費用がかかるかを考えると、長期間に渡って実施することは困難だろう。

 ヒトの臨床試験では、研究者が天然サプリメントの有意な効果を観察できなかったという話を聞くことも珍しくない。これは、動物や実験室では以前にもポジティブな効果が見られた可能性があるにも関わらずだ。

 目に見える効果が出ない原因の一つとして考えられるのが、継続時間が短かいことだ。人々がサプリメントを十分に長い期間使用しない場合、望ましい結果が得られない可能性がある。これはおそらく、多くの消費者がこれらの自然の製品が機能しないと不満を言う理由を説明しているだろう。

コンプライアンスの問題

 サプリメント会社が長期的な二重盲検試験を実施する余裕があると仮定してみよう。もう一つの問題は、消費者が提供された指示を遵守するかだ。

 使用上の注意を厳守しないユーザーが多いのも事実だ。最初のうちはそれでも問題無いかもしれないが、長期的にはコンプライアンスが低下し、効果に悪影響を及ぼすことがある。しかし、残念な事に、長期的にはコンプライアンスが低下するのが一般的なのだ。

高い価格

 臨床試験に費用をかけることで、医薬品の全体的なコストが増加し、結果として消費者への価格が上昇する。サプリメントメーカーが二重盲検試験を実施する場合も、同じ事が予想される。

 安全性とは別に、価格が安いことも天然物のもう一つの大きなセールスポイントとなる。ここで問題となるのは、トライアル費用の上乗せによる価格の上昇は、消費者を怖がらせてしまうことだ。サプリメント会社はそれを望んでいない。

特許に関する懸念

 製薬会社が新薬を開発し、必要な試験の経て承認を得ると、通常は特許を取得する。これにより、何年にもわたって新薬を製造・販売するための独占的な権利が数年間付与される。これにより、企業は投資を回収することができ、いくらかの利益を得ることもできる。

 サプリメントでは、それほど簡単ではないかもしれないし、スムーズにはいかないかも知れない。これらの製品には、メーカーが通常開発していない天然成分が含まれているある会社が試験で有効性を証明した後は、誰でも同じ成分を使用して同様の効果を得る事が出来る。

 この特許の問題は、自然由来の製品メーカーが二重盲検試験にあえて投資したいと思う動機を実質的に取り除いてしまうことになる。

臨床研究に裏打ちされたサプリメント

 独自の臨床試験でハーブや天然のサプリメントに出くわすのは稀だ。しかし、それを見つけることは不可能ではないだろう。

 その製品は、GenF20 PlusとVigRX Plusは、その有効性を示すための研究が行われた数少ない例だろう。

 GenF20 Plusは、ヒト成長ホルモン(HGH)注射の自然な代替品だ。それはおそらくあなたの体の中でホルモンの自然な生産を高める成分が含れている。HGHリリーサーの有効性は、ヴェディック・ライフサイエンシズ社(Vedic Lifesciences Pvt)が実施した二重盲検試験で示された。

 ※原文ではこのあと、VigRX PlusはED治療薬の代替品と紹介されていますが、本訳では割愛致しました。

結論

 臨床試験がされたサプリメントはほとんど例外中の例外だ。その理由はこの記事で紹介している理由からも理解出来るだろう。

 これらの理由から、ほとんどのサプリメント会社が臨床試験をしようとは考えていない。残念ながら、有効性を証明するための臨床試験が義務付けられていないという事実は、疑わしい企業が効果のない製品を販売する余地を与えていることだ。

 二重盲検試験を実施する余裕があるのは、自社製品の品質に十分に自信をもっている(訳注:さらには資金力のある)メーカーだけだ。二重盲検試験に裏付けられたサプリメントを見つけた場合、その効力と安全性をより確信することができるだろう。



ここまでです。

つまり、あなたが選んだサプリメントが果たして効いているのか、それとも効いていないのかは、あなたにしか分からない(もしくはあなたでさえも分からない)のです。

飲んで効いていると感じているのであればそれでいいのですが、それは砂糖玉(偽薬効果つまりプラセボ)と同じようなものである可能性もある、ということです。

ただ、科学的にはプラセボによる効果は否定的に言われますが、私はそれが完全にプラセボであっても肯定的に捉えています。

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