一晩睡眠をスキップするだけで不眠症が2倍に

不眠症の人はたった1回の徹夜でもダメージが2倍に

日本では睡眠に関する悩みは4人に一人とも言われるほどポピュラーな悩みとなっています。

20年以上の前のデータですが、今も同じかそれ以上になっているのかも知れないです。

1997 年に実施された全国調査によれば,入眠困難(寝付きが悪い)や中途覚醒(夜間・早朝に目が覚める)などの不眠の症状が一時的ではなく1 ヶ月以上続く,慢性不眠の有症率は約20% と推定される。

引用元:【日本における睡眠障害の頻度と健康影響】
保健医療科学 2012 Vol.61 No.1 p.3-10

 

不眠症は、眠れないことによって日中に眠気が襲う、注意力の低下による精神・身体反応の応答低下などがあげられます。

睡眠に不満のない健康者であっても、徹夜など眠らないことによっても注意力の低下が起こりますが、睡眠障害を持っている人が、一晩徹夜など睡眠をスキップするとさらに2倍もの応答速度の遅れが生じたという研究報告です。

一晩睡眠をスキップすると、不眠症患者は2倍のダメージを残す可能性がある

Neuro Science News

ここからです。



要約:
慢性不眠症患者が眠れない夜を過ごすことは、正常の睡眠者が一晩徹夜をした時に比べて、反応時間テストで2倍悪いパフォーマンスを示した。

出典:ワシントン州立大学(WSU)

ワシントン州立大学の研究者が実施した新しい研究によると、慢性不眠症の入眠障害型の人は、健康的な正常の睡眠者と比べて、反応時間テストで最大2倍悪いパフォーマンスを示した。

彼らの発見は、ネイチャー・アンド・サイエンス・スリープ(Nature and Science of Sleep)のオンラインジャーナルに掲載された。

エルソン・S・フロイド医学大学の助教授であり、WSU睡眠パフォーマンス研究センターの研究者であるデボン・ハンセン(Devon Hansen)氏は、日中のパフォーマンス低下は不眠症に苦しむ人々の間で頻繁に訴えられているが、以前の研究では、彼らの昼間の認知能力が大幅に低下することはないことがわかっている。

これは実際の障害を反映していないにもかかわらず、彼らにとっては認識された問題であることを示している。

入眠型不眠症の個人を対象としたWSUの研究では、実際に障害は存在するが、通常の日中は表面化していない。しかし徹夜等を行う事で表面化し、年齢が一致する対照被験者よりもはるかに大きな影響を与えることが明らかになった。

この発見は、WSUの研究チームを驚かせた。

「不眠症を永続させる点については、過覚醒に焦点を当てた理論があります。不眠症の人が寝るときに、彼らがくつろぐことができないようにする何らかのシステムが活性化するのです。」

とハンセンは述べた。

この覚醒過多は、ある程度は彼ら自身を保護するだろうと考え、一晩完全に睡眠を取らさない状態での彼らのパフォーマンスは、通常の健康な睡眠者よりも優れている、という仮説を立てました。しかし、実際にはまるきり正反対だったのです。」

以前のキャリアで睡眠クリニックでセラピストとして働いていたハンセンは、この研究が不眠症患者の経験に信頼性を強化すると述べた。

彼女はまた、それが貧しい眠り手に規則的な睡眠スケジュールを維持しようとさせようと、一晩中起き続けることによる、彼らの限界を後押しすることは避けるべきである、という警告として役立つと言っている。

研究チームは、14人のボランティア参加者を調査した。グループの半数は、慢性的な入眠障害型不眠症、3か月以上にわたって週に少なくとも3晩、30分以内に眠ることができない個人で構成されていた。

残りの半数は健常者であり、対照群として機能した。参加者の2つのグループの年齢は一致しており、すべての参加者は22歳から40歳で、両グループの平均年齢は29歳だった。

参加者は、研究室で合計5日間と4晩を過ごした。彼らは最初の2晩は普通に眠ることができたが、その後の夜から合計38時間は睡眠不足状態で目を覚まし続け、その後に一晩回復した睡眠を取った。

起きている間、参加者は3時間ごとに一連のパフォーマンスタスクを行った。これには、ランダムな間隔で画面に表示される視覚刺激に対する参加者の応答時間を測定する、精神運動警戒テスト(PVT)として知られる、覚醒度テストが含まれた。

研究者らは、注意の喪失(反応時間が遅い)と誤った反応(刺激が現れる前に起こる反応)についてPVTデータを分析し、睡眠不足の前と睡眠中の2つのグループ間の所見を比較した。

睡眠不足になる前、PVTでの不眠症グループのパフォーマンスと対照グループのそれは非常に似通っていたが、睡眠が不足し始めるとすぐに、不眠症グループで注意の低下と誤った反応の劇的な増加が見られた。夜のある時点では、彼らのパフォーマンスは健常者と比べ2倍悪化した。

「私たちの研究は、仕事や家族の理由で日常的に経験する数時間の睡眠不足であっても、入眠型不眠症では、健常者の睡眠と比べてはるかに質が損なわれることを示しています」

「これにより、車の運転や安全が重要なタスクに集中している場合など、一刻を争うような場合には、エラーや事故のリスクが高まる可能性があります。」

とハンセンは述べている。

彼らの研究では入眠障害型不眠症の患者に特に注目しているため、睡眠維持障害型などその他の不眠症のタイプ、および早朝覚醒型などについては、調査を繰り返すことを計画している。



ここまでです。

不眠症の定義ですが

A.不眠症の定義:

夜間中々入眠出来ず寝つくのに普段より2時間以上かかる入眠障害、一旦寝ついても夜中に目が醒め易く2回以上目が醒める中間覚醒、朝起きたときにぐっすり眠った感じの得られない熟眠障害、朝普段よりも2時間以上早く目が醒めてしまう早朝覚醒などの訴えのどれかがあること。

そしてこの様な不眠の訴えがしばしば見られ(週2回以上)、かつ少なくとも1ヵ月間は持続すること。不眠のため自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられること。などの全てを満たすことが必要です。 

なお精神的なストレスや身体的苦痛のため一時的に夜間良く眠れない状態は、生理学的反応としての不眠ではありますが不眠症とは言いません。

日本睡眠学会から引用

睡眠障害に対する厚生労働省のガイドライン

睡眠障害に対する厚生労働省のガイドラインを参考までに記載しておきます。

睡眠障害対処12 の指針

1. 睡眠時間は人それぞれ,日中の眠気で困らなければ十分.
 ・ 睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
 ・ 歳をとると必要な睡眠時間は短くなる

2. 刺激物を避け,眠る前には自分なりのリラックス法.
 ・ 就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
 ・ 軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

3. 眠たくなってから床に就く,就床時刻にこだわりすぎない.
 ・ 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする

4. 同じ時刻に毎日起床.
 ・ 早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
 ・ 日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

5. 光の利用でよい睡眠.
 ・ 目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
 ・ 夜は明るすぎない照明を

6. 規則正しい3度の食事と,規則的な運動.
 ・ 朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
 ・ 運動習慣は熟睡を促進

7. 昼寝をするなら15時前の20~30分.
 ・ 長い昼寝はかえってぼんやりのもと
 ・ 夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

8. 眠りが浅いときには,むしろ積極的に遅寝・早起きに.
 ・ 寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意.
 ・ 背景に睡眠の病気、専門治療が必要

10. 十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に.
 ・ 長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
 ・ 車の運転に注意

11. 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと.
 ・ 睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

12. 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全.
 ・ 一定時刻に服用し就床
 ・ アルコールとの併用をしない

【出典】厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班平成13 年度研究報告書

さいごに

年末年始は、大晦日には夜通し起きて元旦の初日の出を拝んだり、お正月は昼過ぎまで寝てしまうなど(こんなことをするのは私だけは無いと思います)いつもの生活リズムを崩しがちになりますね。

すると仕事初めの一週間は、元の生活リズムを取り戻すのに手間取ったり、中々仕事もはかどらなかったりと、毎年新年早々反省の繰り返し・・かもしれません。

来年こそは、そんなことの無いようできるだけ生活リズムを崩さずに過ごしたいものです。

今年8月からチャレンジしてきました週2回の記事更新はほぼクリア。
慣れてきたとは言え、まだまだ時間も掛かりますし大変ですね。
来年はニュース記事の翻訳だけでなく、またオリジナルの記事も追加していきたいと思っています。

最後になりましたが、今年一年どうもありがとうございました。
来年もみなさんにとって健康で素敵な一年になりますように祈念致しております。

ありがとうございます。
感謝致します。

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