あなたの子どもを生涯健康でいさせたいのであればもっと汚れてもらおう

前回の記事でインフルエンザにかかった順番が、その後のインフルエンザに対する免疫力に影響するという事を紹介しました。

子ども時代の環境やその生活などが、免疫力を強くするかどうかのカギを握っている事になります。

そのカギとなる重要なものは何かと言えば、

そう「腸内細菌」です。

ここ最近頻繁に書いているこの腸内細菌については、その細菌の住処である腸内の環境悪化によりそこに棲む細菌の多様性が失われ、その結果さまざまな病気や体調の不良を引き起こす事が分かってきました。

そうなった訳には、いくつもの理由があると思いますが、

その大きな原因のひとつは、過剰な消毒・殺菌によって作り出された環境によって、ヒトにとって有用な細菌まで殺してしまったことが、大きく影響しているはずです。

有用な細菌は土壌に多く含まれており、その土壌から子どもたちを隔離してしまったことから、アレルギー疾患などを増加させているのでしょう。

今の過度な衛生観念は、子どもたちが普通に獲得できる免疫力の強化のチャンスを奪ってしまっている、そう思っています。

「泥んこはいい」:なぜ子どもたちはもっと細菌にさらされたほうが良いのか?

Collective Evolution

ここからです。



両親になりたての親は、自分の子供を正しく世話が出来ているのかを確認するために、頻繁に情報を得ようとします。幸か不幸か私たちの世界はたくさんの情報にあふれており、どの情報が家族や子供たちの幸福に利益をもたらすのか、そして私たちの利益のために販売されているものを決定しようとすることは、圧倒的に難しいプロセスとなっている。

NPRの ルル・ガルシア・ナバッロ(Lulu Garcia-Navarro)は最近、シカゴ大学で微生物生態系を研究している科学者 ジャック・ギルバート(Jack Gilbert)にインタビューを行いました。

ジャックの二人目の子供が生まれた後、彼は他の多くの両親と同様に、子育てに対してよりリラックスしたアプローチを採用した。

このプロセスの一環として彼は、細菌の背後にある科学と、細菌が現代の子どもたちに及ぼすリスクを調査することにした。

驚くかもしれないが、彼の研究は、ほとんどの細菌曝露が実際に有益であることを実証することになった。

大人として、私たちは子供を傷つける可能性のあるものから子どもたちを自然に保護したいと思っているが、それは気がつかないかもしれないが、子供を保護するために努力することが、却って子どもたちの強力な免疫システムを開発する能力を奪っている可能性がある。

子どもたちが屋外で遊んだ後、急いで手や顔を拭いたり、可愛いペットからペロペロとなめられる行為をやめさせたりすると、細菌がかける魔法を遮ってしまう。

ジャックは、かつての生活を参照し、「細菌産生製品とバクテリアを含む発酵食品をはるかに多く食べていただろう」と説明した。

「そして、かつての私たちは、子供たちに頻繁に動植物や土壌にさらされることを許したことでしょう。」

今日では、私たちは彼らの身体や周囲のすべてが無菌であるように努力しているが、実際のところ、細菌への曝露と過剰な滅菌が欠如することで、過敏化した免疫システムを作り出すのです。

あなたの体には、好中球と呼ばれる小さな兵士の細胞を持っており、彼らはやるべきことを探し回っているがそれがあまりに長くなると、不機嫌になり、炎症を引き起こします。
そして、彼らが最終的に花粉のような異質なものを見付けると、爆発的に炎症を起こすのです。そう、彼らは気が狂うのです。それが喘息や湿疹を引き起こし、しばしば食物アレルギーを引き起こすのです。

あなたの子供が泥で遊んで、比較的「汚い」ままでいることを許すことによって、子どもたちは、強い免疫システムを構築する機会を与えることになる。

ほとんどの親が犯す主な犯罪の1つは、その行動の背景が善意であっても、環境を過剰に殺菌することであり、ジャックは、温水、または温かい石鹸水を使用して子供の手を洗うにはどうすればよいかの方が、消毒液を使用するよりもはるかに健康的であると特に述べている。

ジャックはまた、「5秒ルール」という神話の誤りを暴き、「微生物が粘着性のあるトーストに付着するのにミリ秒かかる」と説明している。しかし、その違いはない。

「現代のアメリカのすべての家庭で、事実上不可能な非常に危険な病原体のいる場所に落とした場合を除き、子供には危険はありません。 」

これは、おしゃぶりが乳児や幼児の口から落ちた瞬間について、すべての親が間違いなく考えるものです。それは、ほとんどの人が起こす反射的な反応である。

しかし、ジャックは、このような問題が発生したときに、親がすべきことをアドバイスし、これが起こったとき、両親はそれを洗うのでは無く、親がそれを舐めるべきだ、と勧めている。

ある研究によると、「おしゃぶりを舐めてから子どもに与えた親」の子供たちはアレルギー、喘息、湿疹が少なくなった。全体として、彼らの健康はより強く、より逞しかった。

私たちも以前にも、大人としても汚れが私たちにもたらす驚くべき利点について書いている。土壌微生物、特にマイコバクテリウム-バッカエは、プロザック(訳注:選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRIに分類される抗うつ薬のひとつ。日本では未承認)などの薬物が提供するニューロンへの影響を反映した天然の抗うつ薬と考えられている

一般的に屋外にいることは、肉体的、精神的な健康に多大な利益をもたらす。特に「アース」または「グラウンディング」として知られる一つのプラクティスは、芝生(草むら)を裸足で歩くことを推奨している。

アースの背後にある理論は、地球によって運ばれる強い負の電荷に基づいていて、この電荷は理論的には、抗酸化およびフリーラジカルを破壊する電子の供給として機能する。裸足で地面を歩けば、私たちの健康が増し、幸福感が増す。これは、世界中のさまざまな文化の文献や実践に見られる概念である。



ここまでです。

私たちの体の9割は細菌でできている

私たちの腸内に棲む細菌によって神経伝達物質がつくられていることも、最近の研究で分かってきています。

そのため、その神経伝達物質になんらかの関係がある「原因不明の病気や痛み」などもそれら腸内細菌によって起きているのではないかと、思うわけです。

訳のわからない病気が世界中(特に先進国)に蔓延している本当の理由はここにある、そう言ってもいいのかも知れません。

そこで、腸内細菌について書かれた本を2冊ご紹介します。

・「あなたの体は9割が細菌」河出書房新社 

 

あなたの体のうち、ヒトの部分は10%しかない。あなたが「自分の体」と呼んでいる容器を構成している細胞1個につき、そこに乗っかっているヒッチハイカーの細胞は9個ある。あなたという存在には、血と肉と筋肉と骨、脳と皮膚だけでなく、細菌と菌類が含まれている。あなたの体はあなたのものである以上に、微生物のものでもあるのだ。

~「あなたの体は9割が細菌」プロローグ より~

 

・「すべての不調をなくしたければ、除菌はやめなさい」文響社

 

この原書(英語版)のタイトルは「Eat Dirt」つまり土を食べなさいという意味です。
また、この本(日本語版)のまえがきを書いた藤田氏はこの本の監訳者です。

本書にも書かれているとおり、アレルギー疾患が先進国で急激に増加している原因は、乳幼児期の感染機会の減少だとする説があります。昔は家畜を飼い、外で農作業するなどの生活様式が主でしたが、現在ではそのような機会は激減しました。加えて、抗生物質の頻繁な使用や抗菌剤の濫用により、乳幼児期に多様な細菌と接する機会が減っています。それと反比例するように、アレルギー疾患が急増したと言うものです。

それらの土由来の多様性ある細菌類を体に摂り入れる事で体全体の健康をつくるさまざまな方法に触れながら、日本をはじめとした、先進国の「キレイ社会」に対する警鐘と、腸内細菌の素晴らしい働きに対する示唆や洞察を与えてくれます。

藤田紘一郎
~「すべての不調をなくしたければ、除菌はやめなさい」
まえがき より~

 

最後にもうひとつ、この本に書かれていた文章を引用して終わりたいと思います。

2015年にスウェーデンで実施された1029人の子どもについての調査によると、食洗機を使わずに食器をほとんど手洗いする親の下で育った子どもは、食洗機を使う家庭の子どもに比べ湿疹を発症する率が低く、アレルギー性喘息や花粉症の発症する率も低かった。
スウェーデンの研究者は、消毒された皿で食事を摂ることで、免疫システムが上手く働かなくなり、自己免疫症状を起こすほど過剰に反応することが多いことを明らかにした。

~「すべての不調をなくしたければ、除菌はやめなさい」~

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