自分事から他人事に受け止め方を変えるマインドフルネスが痛みを減らす

昨日(4/1)放送したNHKの番組「ガッテン」を見ましたら

ガッテン!「朗報!耳鳴りが劇的改善 自宅でできる新発想治療」


というタイトルで「注意力」が耳鳴りを改善することが、とり上げられていました。

番組内ではほんの少しだけ、マインドフルネスを活用した耳鳴りの治療方法も紹介されていましたが、一部の耳鳴りには「注意力」が過剰になってしまったために、本来ならあまり気にもならない耳鳴りがかえって大きく聞こえるように感じてしまっている、と解説しておりました。

その過剰になってしまった「注意力」を別の音で紛らわせることで過剰な感度を下げ、耳鳴りが改善できるのかの実験が行われ、実験が開始されるまでは、かなり疑っていた方の耳鳴りが劇的に改善したという事が報告されていました。

耳鳴りでお悩みの方、または関心のある方は、4/8(水)午後3時8分よりNHK総合テレビで再放送されます。

今回ブログで取り上げるのは、耳鳴りではありませんが、マインドフルネスが痛みの軽減に役立つという記事を紹介したいと思います。

マインドフルネスをご存じ無い方に簡単に説明すると、日本人にはなじみ深い瞑想のことだと思っていただいて良いかと思います。

ただ、瞑想を行うには禅をしなければならないとか、瞑想中は「無」になる、など難しい事のように言われていますが、マインドフルネスは、もし何かが頭に浮かんだとしても、それを無理に消し去る必要はなく、それを他人事のように感じていればよい、それが頭に浮かんだという事そのものをそのまま受け入れればよいのだそうです。(といっても最初はそれもとても難しいこととは思いますが)

これが「注意力」と大いに関係するのです。

マインドフルネスに関する本はたくさん出版されていますが、私はこの本を3年程前に読みました(当時読んだ本は旧版のようで、現在は新版に変わっています)。

これ一冊で、基本から実践方法までが分かりやすく書かれていますので、おすすめかなと思います。

「マインドフルネスの教科書」 Clover出版 藤井英雄(著)

マインドフルネスは身体の痛みと精神的否定性を軽減します

Technology Networks


ここからです。



マインドフルネスを簡単に紹介すると、身体的な痛みやネガティブな感情に対処するのに役立つことが、エール大学、コロンビア大学、ダートマス大学の研究者たちの新しい研究で明らかになった。

マインドフルネスの効果は非常に顕著であった、研究者らは、参加者が彼らの前腕に高熱にさらされた場合でも、彼らの脳は、それが正常な温度を経験しているかのように反応したことを発見した。

「それは、脳が非常に高い熱ではなく、暖かい温度に反応していたかのようなものです。」とエール大学のヘディ・コーバー(Hedy Kober)准教授、科学誌ソーシャル・コグニティブ・アンド・アフェクティブ・ニューロサイエンス(Social, Cognitive, and Affective Neuroscience)に掲載された論文の著者は述べている。

マインドフルネス-(物事を判断せずに状況の認識と受容のみを行う)-は、不安やうつ病などの多くの状態の治療に有益であることが示されている。

しかし、コーバーと同僚は瞑想とマインドフルネスの正式なトレーニングを受けていない人々が、マインドフルネスの概念を20分間簡単に紹介することで恩恵を得られるかどうかを知りたいと考えた。

この研究の参加者には、脳イメージングスキャンを受けながら、二つの実験をした。ひとつは前腕に高熱を加えることによって誘発される身体の痛みに対する反応を評価するため、もう1つはネガティブなイメージを提示された場合の反応を測定するためである。

どちらの実験においても、参加者にマインドフルネスのテクニックを使用するように求めた場合と、通常通りに回答するように求められた場合と比較して、脳のシグナル伝達経路に有意な違いがあることが研究によって明らかにされた。

具体的には、参加者はマインドフルネステクニックを使用した場合には、より少ない痛みと否定的な感情の減少を報告し、同時に、彼らの脳は痛みと否定的な感情に関連づけられている活動の大幅な減少を示した。

これらの神経学的変化は、意識的または合理的な意思決定を調節する前頭前野では発生しなかったため、意識的な意志の結果ではなかった、と著者らは指摘している。

「痛みや否定的な感情を経験しているときに、瞬間にとどまることができる能力は、長時間の瞑想の実践がなくても、マインドフルネスの実践に臨床的な利益があるかもしれないことを示唆している」

 

とコーバーは述べた。



ここまでです。

考え方というか物事に対する受け止め方で「痛み」が劇的に改善するというのは本当にあります。

ある患者さんの実例です。

その方は、ほんの些細な事で何度も繰りかえすしつこいギックリ腰が、物事の受け止め方についての指導をしたところ、数回の施術のみで痛みがほぼゼロまで改善し、その後普段であればすぐに腰痛になっていた場面でも、問題無く過ごせるようになりました。

彼女のマインドセットが自分の身体をがんじがらめに縛ってしまっていたためだったのです。

このマインドセットが外れたことで、その後軽い腰痛は起こすことがあるものの、ギックリ腰になるほど酷い腰痛はそれ以来(2016年)以降起こっていないそうです。
※現在も数ヶ月に一度メンテナンスで継続中。

この患者さんの体験談は、こちらに動画があります。

Youtube 患者さんインタビュー動画1 看護師 女性
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