老化を遅らせるカギは腸内細菌にあり、それを助けるのは「酪酸」にあった

酪酸が腸内細菌叢を整え、老化のプロセスを抑える働きがある

このとろ立て続けに「腸内細菌叢」の組成とその大切さを知る記事ご紹介し、前回の記事では「抗ガン剤」の強い副作用はやはり腸内細菌叢の徹底的な破壊によって起こっている、という研究報告を紹介しました。

今回は、タイトルにあるように「腸内細菌叢」は老化にも関与している事が分かり、さらにその老化プロセスを遅らせることができるのが「酪酸」であった、という記事を紹介したいと思います。

「酪酸」というのを私が知ったのは今年なのですが、ある方のブログを読んで知ったんですね。
読者のみなさんもあまり良く知らないかも知れませんが、健康オタクには結構知名度があるモノだそうです。

参考:強ミヤリン酸

Amazonや楽天などで「酪酸」で検索すると、スグに見つかると思います。沢山の商品がありますが、値段はそれほど高いものでもなく2000円程度で買えるようです。この程度の価格なら続けられそうですね。

お腹の調子を整える、とありますがそれだけでなく花粉症などのアレルギーやアトピーがある人にも利用されていると聞きます。

以下は、シンガポールのナンヤン大学の研究について、アメリカの科学メディア「サイエンス・デイリー」の記事の翻訳です。

腸内の細菌は老化プロセスに変化を与えている可能性


Science Daily

ここからです。



シンガポールのナンヤン工科大学(NTU Singapore)が率いる国際研究チームは、腸内に生息する微生物が老化プロセスを変える可能性があり、それが食品ベースの治療法の開発につながることを発見した。

人間を含むすべての生物は、その体内および上皮等に生息する無数の微生物と共存し、過去20年間にわたって行われた研究により、それら体内に住む微生物は栄養、生理学、代謝、および行動における重要な役割が確立され始めている。

ナンヤン工科大学のスベン・ペターソン教授(Professor Sven Pettersson)が率いるチームは、年老いたマウス(24ヵ月)を使用し、マウスの腸内最近を、若い無菌マウス(6週齢)に移植した。

それから8週間後、移植された若いマウスは、神経新生として知られている腸の成長と脳内のニューロンの産生を増加させた。

チームは、神経新生の増加が、「酪酸」と呼ばれる特定の短鎖脂肪酸を産生する腸内微生物の濃縮によるものであることを示した。

「酪酸」は、下部腸管での食物繊維の微生物発酵によって生成され、FGF21と呼ばれる長寿ホルモンの生成を刺激する。FGF21は、体のエネルギーと代謝の調節に重要な役割を果たす。しかし加齢に伴い、この酪酸の生産は減少していく。

その後、研究者らは、酪酸を単独で若い無菌マウスに与えたところ、同じ成体の神経発生効果があることを示した。

この研究は、サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(Science Translational Medicine)に掲載され、シンガポール、イギリス、オーストラリアの研究者によって実施された。

ペターソン教授は、以下のように述べている。

「古いマウスから採取した腸内細菌は、若いマウスの神経成長をサポートする能力があることがわかりました。これは非常に興味深い、驚くべき観察です。特に、酪酸を単独で使用することで神経刺激効果を模倣できるのです。」

「これらの結果は、酪酸が脳卒中、脊髄損傷のような状況での修復と再構築をサポートするかどうかを探求し、老化の加速と認知機能の低下を緩和することにつながるでしょう。」

腸内微生物が消化器系に与える影響

チームはまた、消化器系の機能に対する老齢マウスから若齢マウスへの腸内微生物移植の影響を調査した。

加齢すると共に、小腸細胞の生存率は低下は、粘液産生の減少と関連しており、加齢と共に腸細胞が損傷し、聴細胞が死滅することにより脆弱になる事を示している。しかし、酪酸塩を加えることは、腸のバリア機能をより良く調節し、炎症のリスクを減らすのに役立つ。

チームは、古いドナーから腸内細菌を受け取ったマウスが、腸の絨毛、つまり小腸の壁の長さと幅が増加したことを発見した。さらに、小腸と結腸の両方は、若い無菌マウスよりも老齢マウスの方が長かった。

この発見は、腸の細菌叢が正の刺激によって老化した身体を補い、支えることができることを示している。これは、酪酸塩の濃縮と活性化を模倣することにより、老化の負の影響に取り組むための新しい潜在的な方法を示している。

ペターソン教授は以下のように述べている。

将来的には、健康な老化と成人の神経新生をサポートする酪酸塩を含む食品が、どのくらい老化を抑制する効果があるかをテストするため、ヒトでの研究を行うことになるでしょう」

「食文化を活用して自分自身を”治癒”させることを模索するシンガポールでは、この研究の次のステップは魅力的なものとなるでしょう。その結果は、シルバー世代の健康な老化をサポートするシンガポールでの探求において重要になるでしょう。」

ドイツのマックス・プランク老化生物学研究所のグループリーダーであるダリオ・リカルド・バレンツァーノ(Dario Riccardo Valenzano)博士は、この発見は腸内細菌叢の研究におけるマイルストーンであると述べた。

バレンツァーノ博士は、

「これらの結果は刺激的であり、マウスの生活の中で酪酸を産生する微生物を、積極的に獲得できるかどうかや、極端な加齢がこの酪酸を産生する微生物群が、体内からどのように減少するのかなど、老化と腸内細菌叢の関係についての、いくつもの新しい未解決の問題を提起しています。」と付け加えた。

シンガポール国立大学の健康老化センターの代表であるブライアン・ケネディ(Professor Brian Kennedy)教授は、以下のように述べた。

「老化した動物の腸内の微生物叢が、若い受容者の若々しい体内の状態を促進できることは興味深い。加齢に伴う微生物叢は、宿主の蓄積不足を補うために修正されており、若い動物の腸内微生物叢が、若い宿主に及ぼす影響が大きいか小さいかという問題につながります。」

この研究は、健康なマウスからの腸内微生物の移植が、骨格筋量の損失である筋肉萎縮を伴う無菌マウスの筋肉成長と機能をどのように回復できるかについてのペターソン教授の以前の研究に基づいている。



ここまでです。

酪酸菌は腸を整え、強くする

この酪酸については、今年の9月の産経新聞が記事にしています。

リンク元:https://www.sankei.com/life/news/190911/lif1909110027-n1.html

また、

健康なマウスからの腸内微生物の移植が、骨格筋量の損失である筋肉萎縮を伴う無菌マウスの筋肉成長と機能をどのように回復できるかについてのペターソン教授の以前の研究に基づいている。

 

に関しての記事もこのブログ内で紹介していました。

以下がその記事です。

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