私たちの性格や行動を決めているのは腹の虫!?

上の画像は、想像上の蟯虫(ぎょうちゅう)という虫。

この虫は、庚申の夜に身体の中から抜け出して、その抜け出た身体の持ち主の悪事を地獄の閻魔大王に報告する虫、と考えられていました。

他にも腹の虫の居所が悪い、腹の虫が治まらない、など人の感情や病気の原因として昆虫や回虫などの寄生虫ではないけれども、想像上の虫が身体の中にいて悪さをするといった表現が日本語は、たくさんありますよね。

数年前、図書館で、ふと目に入った本に(確か児童書の絵本コーナーだったような)

『戦国時代のハラノムシ―『針聞書』のゆかいな病魔たち』


というのがありました。

画集なのですが、腹の中に棲む想像上の虫たちのイラストが描かれた本です。

キモカワの愛嬌のある虫たちがたくさんのっていますのでお子さんと見るのもおすすめです。

妖怪好きならとても楽しい本だと思います。

このイラストのネタ元が上の本のタイトルにもある『針聞書(はりききがき)』という安土桃山時代に書かれた医学書に描かれている虫たちなのです。

その当時の日本人の病気のとらえ方を知るのにとても貴重な本で、調べたところ九州国立博物館に収蔵されているとのこと。

九州国立博物館のホームページには以下のような説明があります。

以下の4部で構成されています。


1 針の基本的な打ち方、病気別の針の打ち方などを記した聞書
2 灸や針を体のどこに打つか示した図
3 体の中にいる虫の図とその治療法(針灸や漢方薬)
4 臓器や体内の解剖図で構成されています。

聞書部分 病気の治療、針を打つ場所の詳細など320箇条、貞享2(1685)年に刊行された意三流の「龍珠世宝」と同様の内容であり、近世の鍼灸流派に影響を与えています。

鍼灸図 9点、中風、脚気、目病など各病気別の鍼灸の箇所を示したものです。
虫の図 63点、五積、六聚など病気を起こすと考えられた想像上の虫が上段に描かれ、下段には虫の特徴、治療法が記されています。

臓器や体内図 人体の側面から描いた図、五臓六腑のみ描いた図、鍼灸の経絡図などいくつかの系統がありますが、いずれとも違う画像で、道教の影響や、実際の解剖に基づいて描かれた可能性があります。

国立九州博物館

 

上に紹介した画集は、虫の図を63点を収録。

私は、このような日本人の独特な世界観であったり、身体観あるいは宗教観など、なぜこれほどまでに、他の国や民族と比べ異質なのかについて興味関心があり、時間があるときに資料などを読んだりしています。

ですから、今回紹介します記事も科学がようやく追いついてきたな、といった感想を持ちました。

腸の感情:腸内微生物叢は私たちの性格に関連しているのか?


Neuro Science News


ここからです。



概要:新しい研究は、腸内微生物叢を人格的特性と社会的行動を結び付けた。より広いネットワークを持つ人々は、より多様な腸内微生物叢を持つ傾向があった。

出典:オックスフォード大学

大学の実験心理学部のカテリーナ・ジョンソン博士(Dr Katerina Johnson)は、その「腸内感覚」の科学、つまり腸内に生息する細菌(腸内微生物叢)と行動特性の関係を研究している。大規模な人間の研究で、博士は腸内微生物叢の組成と多様性の両方が社交性と神経症を含む人格の違いに関連していることを発見した。

博士は次のように述べている。

「腸内微生物叢を脳と行動に結びつける研究が増えています。これは、微生物叢-腸-脳軸として知られています。ほとんどの研究は動物で行われていますが、人間での研究は神経精神医学的状態における腸内微生物叢の役割に焦点を合わせています。」

「対照的に、私の主な関心は、腸内に生息する細菌の種類の違いが性格にどのように関連するかを確認するために一般集団を調べることでした。」

以前の研究は、腸内微生物叢を自閉症(社会的行動の障害を特徴とする状態)に結び付けてきた。

ジョンソン博士の研究は、以前の研究で自閉症に関連していた多くの種類の細菌が、一般集団の社交性の違いにも関連していることを発見した。

博士は、「これは、腸内微生物叢が自閉症で見られる極端な行動特性だけでなく、一般集団の社会的行動の変化にも貢献するかもしれないことを示唆しています。しかし、これは横断的な研究が必要であるため、将来の研究では、これらの細菌が行動に及ぼす可能性のある影響を直接調査することで恩恵を受ける可能性があり、自閉症とうつ病の新しい治療法の開発に役立つと考えています。」

社会的行動に関連する別の興味深い発見は、より大きな社会的なネットワークを持つ人々は、より多様な腸内微生物叢を有する傾向があり、それはしばしば、より良い腸の健康と全般的な健康に関連しているといえる。

博士はさらに次のようにコメントしている。

「これは人間の社交性と微生物叢の多様性の間の関連性をみつける最初の研究であり、社会的相互作用が腸内微生物叢の多様性を促進できることを示した霊長類の同様の発見となる。」

「この結果は、同じ事が人間の集団にも当てはまることを示唆しています。」

逆にこの研究では、ストレスや不安が高い人ほど微生物叢の多様性が低いこともわかった。

この研究では、他のさまざまな重要かつ新しい発見も報告されている。

その中でも最も注目すべきは、乳児期に調合乳(粉ミルクなど)で育った大人は、成人期の微生物叢があまり多様ではないということだ。

博士は、「成人で調査されたのはこれが初めてであり、その結果は、乳児の栄養が腸の健康に長期的な影響を与える可能性があることを示唆しています。」とコメントしている。

多様性はまた、おそらく新しい微生物やさまざまな食事への曝露のために、海外旅行と正関連していた。 食の冒険好きな人は腸内微生物叢がより多様で、乳製品を含まない食事をしている人は多様性が低かった。

さらに、プロバイオティクス(発酵チーズ、ザワークラウト、キムチなどの発酵食品)およびプレバイオティクス(バナナ、マメ科植物、全粒穀物、アスパラガス、タマネギ、ネギなど)の自然源が多い食事の方が多様性が高かったが、特にサプリメントを摂取した場合はそうとは言えなかった。

(訳注:プロバイオティクスは、ヒトの健康にとって有用な働きをする微生物のこと。プレバイオティクスとは、有用な働きをする微生物の餌になる成分のこと)

「私たちの現代の生活は、腸内細菌叢との共生にとって最悪の状態をもたらすかもしれません。私たちは社会的相互作用が少なく、自然と過ごす時間が少ないストレスの多い生活を余儀なくされています。」

「私たちの食事は一般的に食物繊維が不足しており、過酷な環境で生活し、抗生物質治療に依存しています。これらのすべての要因は腸内微生物叢に影響を与える可能性があるため、今のところ私たちには分からない方法で、私たちの行動や心理的健康に影響を与えている可能性があるのです。」



ここまでです。

うちの家内は、虫の居所の悪い事が多いので、その虫ができるだけ居心地の良い環境で育てて上げることも非常に大事になっています。(笑)

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