女性が鎮痛剤を使っても効かないのは男性が開発した薬だから

鎮痛剤を飲んでも効かない場合、それはあなたが女性で、男女間の痛みの感受性や経路の違いを良く理解していない男性が研究開発した薬だからなのかも知れません。

恐らく痛み止めを飲む機会が多いのは男性よりも女性の方が多いのではないかと思います。

残念ながら私(筆者)は男性なので、女性特有の痛みを理解することはなかなか難しいことでもありますし、そもそも痛み止めが必要になることもほとんどありません。たとえば、歯医者で抜歯後に痛み止めを処方されて飲むことはありましたが、頭痛薬などを飲む事もめったにありません。

お陰様でそもそも薬を飲むこと自体、ほぼ無縁の生活を送らせて頂いております。

それに比べて、我が家の娘たちは生理痛が酷いときには、よく「イブ」や「バファリン」など鎮痛剤をドラッグストアで購入して飲んでいるようです。

なので、女性というのは大変なんだな・・・と彼女達が辛そうにしている時にはいつも思っています。

本当を言うと、女性の生理痛が酷くなるのにはそれなりの訳があり、彼女達の生活を見ていると、なるべくしてなっているという風に考えています。

なので、整体師でもある親としては、いくつか注意やアドバイスを与えているのですが、全く聞く耳を持っていないのが残念です。それは男親だからなのかも知れないですが、(彼女達の本音として、男に分かるわけがないだろ!と思われている気がします。)ちなみに家内が同じ事を言っても同様に効き目はないので、それだけではなさそうです。

仮にいくつかの注意を守ることができるれば、大分痛みの強さや頻度が少なくなるはずなのですけどね。

たとえば、思いついたものをいくつか上げると。

・お腹を冷やさない
・冷たいものを食べない
・薄着をしない
・脚を多く露出させない
・朝食(パンよりご飯)をしっかりと食べる
 ・・・・など

まぁ、今の時代に昔の人の「生活の知恵」を教えてあげても、今の生活になじまないのかも知れません。(と言う自分も若いときに年寄りの話は聞かなかったなぁ・・・)

しかし、100年や200年で人間のからだは変わるはずがない。
というか、基本的には何万年も変わっていないのですから。

男女の違いは、身体の表面的なものだけでなく、身体内部の様々なところで働きが違っていることが研究で分かってきています。

以前のブログでも男女の性別差についての記事を書きました。

えっ!「痛み」の感じ方って男と女で違うの!?

えっ!「痛み」の感じ方って男と女で違うの!?


女性が男性よりも自己免疫疾患を起こしやすい理由がわかった

女性が男性よりも自己免疫疾患を起こしやすい理由がわかった

今回は、性別差における研究、特にクスリの開発分野において、未だ男性(オス)中心の研究が多く行われており、特に多くの女性が悩んでいる慢性疼痛に対する医薬研究がまだまだ不十分である、という記事をご紹介したいと思います。

痛みの研究における性的偏見

Sex bias in pain research Science Daily(2020/05/21)


ここからです。



女性は痛みの処理が異なるが、男性から導き出された仮説に基づき鎮痛薬を研究している。

概要:
ほとんどの疼痛研究は依然として圧倒的にオスのげっ歯類を用いた研究に基づいており、オスを用いた初期の実験から導き出された仮説を検証し続けている。このことは、特に新しい痛みの研究を進めることに関連し、重要な盲点を指摘されている。

男性と女性に関するヒトとげっ歯類の痛みの処理方法が異なることがますます明らかになってきている。さらに遺伝的、分子的、細胞的、生理的レベルでのメカニズムに重要な違いがあることも明らかになってきた。

この事実にもかかわらず、ネイチャー・レビュー・ニューロサイエンス(Nature Reviews Neuroscience)に掲載されたマギル大学の論文によると、ほとんどの痛みの研究は依然として圧倒的にオスのげっ歯類の研究に基づいており、オスを対象とした初期の実験から導き出された仮説を検証し続けている。

このことは、疼痛研究における重要な盲点を指摘しており、特に新しい疼痛治療薬の研究を進めることに関連している。慢性疼痛患者のほとんどが女性であることが十分に記録されているにも関わらずにだ、これは特に厄介なことであろう。

「痛みに関する文献は偏っています。実験では圧倒的にオスの動物が使われているために、オスの痛みの生物学に知ることが多くなり、それが痛みの生物学であると結論づけています。しかしそれは、オスの痛みの生物学だけなのです。」と、論文の著者であるジェフリー・モギル(Jeffrey Mogil)教授は言う。

実験動物もオスばかり?

 

疼痛研究における存在し続ける男性の偏見 … 最近では女性が含まれているにもかかわらず

カナダの資金提供機関は、2006年に性別を生物学的変数として認識し、痛みの研究者にメスのげっ歯類を含めるように依頼し始めた。米国でも、2016年に同様の変化が起こった。

実際、モギルが2015年1月から2019年12月までの間に、この分野を代表する学術誌『Pain』に掲載された、1000を超える学術論文のうち、2016年からはメスとオスの両方のげっ歯類の実験を取り上げた論文が増え、オスのみの研究は2015年の全体の80%から2019年には全体の50%にまで減少した。

一見すると、これらの論文の存在は、研究デザインの有望な転換を意味しているかもしれない。しかし、モギルが痛みに関する文献にある既存の性差をさらに詳しく調べたところ、男性の偏りが根強く残っているという明確な証拠を発見した。

「私たちが実験のために思いつくアイデアは、まさに男性の実験に基づいているので、それらはオスには効果が有りますが、メスには効果がないのです。私が発見したのは、両方の性別が実際にテストされ、その結果が男女別による違いについて報告された論文では、実験は、テストされている科学的な仮説が真であることが発見されたことを意味する「うまくいった」は、オスでは72.4%、メスでは27.6%に過ぎなかったのです。」

「もし文献に偏りがなく、実験が片方の性では機能したのに、もう一方の性で機能しなかったという多数の論文があった場合、それはメスでもオスと同じくらい機能するはずです。なぜこのようなことが起きたのでしょう? それは、その実験が導き出した仮説は、オスのみの実験からの事前のデータに基づいて生成されたからです。当然、それはオスのみにしか機能しなかったということです。」

女性に効く鎮痛剤の開発

モギルによれば、この概要から到達できる結論は、研究者がまだ女性に効く鎮痛薬を開発するには、まだある程度の道のりがあるということだ。

「この研究は、現在開発中の薬の多くが効くのであったとしてもそれは主に男性に対してであり、慢性疼痛患者の明らかな大多数は女性であるにも関わらずにだ。」



ここまでです。

鎮痛剤の使用ですが、私はハッキリと否定派です。

鎮痛剤だけでなく、世の中にあるすべてのクスリはできるだけ避けるべきだという考えを持っています。

必要時に、適量かつ適切な回数を飲む事はアリですが、必要でもないのに「予防」のような使い方をする人やそのように処方する「医師」についても、避けるべきだと考えます。

この事については、以前のブログで書きましたので、よろしかったら読んで頂けると良いと思います。

特に「消炎鎮痛剤」に関してのシリーズ記事を以下にご紹介します。

消炎鎮痛剤は悪魔が天使の仮面を被っている』① ~なぜ痛みが出るのか~

『消炎鎮痛剤は悪魔が天使の仮面を被っている』② ~痛み止めは病をつくる~

『消炎鎮痛剤は悪魔が天使の仮面を被っている』③ ~湿布薬も怖い~

『消炎鎮痛剤は悪魔が天使の仮面を被っている』④ ~身近な市販薬にも重篤な副作用が!!~

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