筋肉量と質はあなたの腸に住む細菌のせいかもしれない
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筋肉量と質はあなたの腸に住む細菌のせいかもしれない
現在私の関心の高いテーマのひとつが、私たちの腸内に住んでいる無数の細菌さん達、
その細菌さんのことをマイクロバイオームとか腸内細菌叢または腸内フローラなどと呼ばれています。
先日(9/8)、自分の腸にサナダムシを飼っていたことでも有名な 東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生の講演を聴きに行ってきました。
こちらの講演会のまとめ記事も近いうちにアップする予定です。
この藤田紘一郎先生も言っていますが、
「今の社会はキレイになりすぎで、腸に住む細菌の質や種類に大きな変化がでている。
そのために、アレルギーなどの免疫系疾患などの病気が急激に増えている」
といった主旨の発言をされています。
私も、このことを知ってから関連の書籍を読んでみたり、インターネットなどで調べております。
藤田紘一郎先生を有名にした本と言えば、おそらくこの本でしょう。
ベストセラーになり、今でも売れ続けています。
※2012年に発行され今年10月に文庫化される予定です。
さて、話しをこれから紹介したい記事に戻りましょう。
運動されている方はひょっとすると実感があるかも知れませんが、同じトレーニングをしても、すぐに筋肉量が増え逞しい身体になる人もいれば、努力してもあまり筋肉量が増えない、という人もいます。
実は私もあまり増えない体質だと思っていました。
それはどうしてかというと、私も以前(15年以上前)スポーツジムに通い有酸素運動(ランニングマシンやバイクなど)だけでなく、筋トレのためにマシンを使ったり、バーベルを利用したトレーニングをスポーツトレーナーについてみっちり行ったことがあります。
2年ほど通い、確かに筋肉は強くなりましたが、その割にはボディビルダーみたいな筋肉隆々まではいかなかったですね。
そのころは、あまり身体の構造や筋肉についても知りませんでしたし、食事(身体作りのための)もそれほど熱心ではありませんでしたので、その影響もあったとは思いますが、やはり、個人差はあるのかなぁ・・・と漠然に考えておりました。
ジムに通っていた当時は、2時間近い通勤で帰りも遅かったため食事も不規則、アルコールも結構飲んでいましたので、そういった意味では不健康だった記憶があります。
そんな時代を今振り返ってみると、あ・・やっぱり腸内環境も悪かったんだなぁと感じますね。
今はその頃と比べてはるかに良くなっていると思います。
さて、話しがまたそれない内に今回の記事の紹介です。
筋肉の量維持と機能に腸内細菌叢が影響していた、という研究報告です。
マウスのマイクロバイオームが骨格筋量の維持と機能に影響を与えていることを発見
ここからです。
国際的な研究チームは、マウスのマイクロバイオーム(腸内細菌叢)が骨格筋量の維持と機能に影響を与えていることを発見した。
この記事は、サイエンス・トランスレイショナル・メディシン(Science Translational Medicine)誌に掲載された。
過去数年に渡って、科学者たちは人間や他の動物の腸内細菌叢が、以前考えられているよりも健康を維持する上ではるかに大きな役割を果たすことを発見した。食料品の加工に、腸内細菌叢は免疫およびコレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)の調整において重要な役割を果たしている。腸内細菌叢の不均衡は、クローン病、IBS(過敏性腸症候群)、その他の炎症性疾患などの症状と関連している。
現在、この新しい取り組みの研究者は、少なくともマウスでは、腸内の細菌叢が骨格筋量と機能を適切に維持する役割を果たしていることを示唆する証拠を発見した。
骨格筋は筋肉の3つの主要なタイプのうちの1つであり、他の2つは心臓と平滑筋だ。骨格筋は、骨格の動きを制御する骨、特に手足に接続されている筋肉の集まりのこと。
骨格筋量に対する腸内細菌叢の影響の可能性についてさらに学ぶため、研究者はいくつかの野生マウスを入手し、腸内細菌叢を無菌マウス(腸内細菌叢を全く持たないマウス)と比較した。野生マウスと比較して、無菌マウスは骨格筋が萎縮していた。また筋肉成長を支える化学物質が少ないのを発見した。さらに腸内細菌を欠いた無菌マウスは、通常より高いレベルの複数のアミノ酸を持っていることを見付けた。 これは肝臓に問題がある徴候を示している。
また、マウスの骨格筋と神経との間の信号伝達に関与する、アセチルコリン*と呼ばれる神経伝達物質の前駆体のレベルが低いことも発見した。
研究者はさらに、野生マウスから取り出した腸内細菌叢を無菌マウスの腸に移植すると、筋肉量と機能が増加することを見いだした。そして、腸内の細菌によって通常生成される脂肪酸を与えると、筋肉量を部分的に回復させることも分かった。
ここまでです。
※アセチルコリンとは
アセチルコリン(英語: Acetylcholine, ACh)は、副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激を伝える神経伝達物質である。コリンの酢酸エステル化合物。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Wikipediaからも引用しました、アセチルコリンというのは、脳細胞の記憶力や学習能力と密接に関連している物質で、コリンという物質が前駆体にあたります。
実は、最近ビーガン(菜食主義)も上に書きましたコリンという成分が不足しがちになり、脳の健康に良くないという記事を読んだばかり。さらには、このコリンを抑える「抗コリン薬」というのが一般的に私たちが利用している薬の多くに含まれています。この「抗コリン薬」には認知症の発症率が高くなることが知られておりますので、次回にその記事を紹介したい思います。
これからも関連記事を集めて紹介していきますので、ご興味がお有りでしたらこのブログのブックマークやその他シェアなどのチェックをよろしくお願いいたします。